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チート勇者の異世界冒険記  作者: 松竹梅
第三章 旅は道連れ世は乱世
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第三十五話 地獄に仏

めっちゃ間空けてすいませんでした!

もう受験も終わったので、また前のように頑張っていきます!!


閑話は次の機会にいたします。もちょっとお待ちください・・・

***???サイド***


・・・わしらは今、追われている。まさか、もう彼らが用意してくれた妨害を超えたというのか?


・・・いや、多分あれは、そこら辺にいた盗賊だろう。だが、それが不安要素であることには変わりない。何とか出来んだろうか・・・



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



 木々が生い茂り、自然にトンネルのようになっている道を、馬に乗る男と、そのすぐ横を一人の女性と一人の少女が歩いていた。


「なぁアル、今目指してるナヘルタ王国まで、あとどれくらいだろうな?」


「あと30分ほどですよ、ジン様」


「なぁなぁジン殿。龍として強くなるには、一番大切なのはなんだと思うだろうか?」


「んなこと言われても、俺も龍化したのはこの前が初めてだからなんもわかんねぇよ」


 そんな事を話しながら、男たちーー神鬼・アルリナ・ノアの三人は、和気あいあいとした空気を醸し出しながら歩いていた。


「にしても、エルファを出てからもう三日も経つけど、結構遠くにあるんだなぁその国」


「国から国へ移動するなら、大体これくらいかかりますよ?」


「まじかぁ・・・」


 神鬼が少しため息をつきながら前を向いた。

 するとーー


「・・・ん?前からなんか来てないか?」


「・・・たしかに、前から何かが走ってきますな。あれは・・・馬車ですかね?」


 神鬼達の前方から、普通そこまでの速度は必要と思えないほど速度で迫ってくる、一台の馬車が来ていた。


「しかも、後ろからもなんか来てるな・・・うん。これ、前の奴が追っかけられてるな」


「えぇ!ジ、ジンキ様!助けて差し上げましょう!!」


「う~ん、どっちの味方すればいいのかよくわかんないから、まずは両方とも止めちゃうか」


 神鬼はそういうと、馬車の方へと駆け出した。

 アルとノアの二人は、道から外れた所に進み、じっと身をひそめ始めた。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



***???サイド***



・・・未だ後ろから追ってきているようじゃ。それより、先ほどから道が荒れてきておる。車内の家族らは無事だろうか?


「妻よ、我が子らは無事か?!」


「大丈夫です!それより、追手たちがまだ追ってきます!!」


 なんだと?!


「くっ、儂らの馬はそろそろ限界・・・もはやこれまでか」


「諦めてはいけません!まだ国には民たちが、私たちが帰るのを信じて戦っている民たちがいるのです。諦めては、死んでしまった彼らに合わせる顔がありませんっ!!」


・・・そうじゃな、確かに我妻の言うとうりじゃ。しかし、あの盗賊どもを何とかできなければいけないが、どうすれば・・・


「っ!! 父様!前に旅の方がいます!このままではぶつかってしまいます!!」


「なにっ!だが、どうやって避ける?!少しでも道を外れれば、奴らに追いつかれてしまうぞ?!」


「で、ですが・・・あら?」


「どうした?!」


「いえ、確かに前には三人の方がいたのですが・・・脇に逸れてくださった方が、二人しかおられないのです」


 なに? ならば、我が娘が見誤ったというのか?いや、しかし・・・



「あの~。なんか後ろの奴らが悪役っぽいので、あなたたちを助けることにしたんですけど、いいですよね?」



・・・私の目の前に、一人の青年がいる。


 歳はおよそ16,7ほど。

 髪はほんの少し黒が混じった白。

 目の色は緑より明るい碧。

 背は170ほどだろう。


 その青年は言い終わるとすぐに、私の視界から消えてしまった。

 それとほぼ同時に、後ろから複数の悲鳴が聞こえてきた。


「お、お父さま!後ろにいきなり、男の人が現れたと思ったら、盗賊たちを無力化していきました!!」


「・・・どうやら、儂らは助かったようじゃの」


 さて、命の恩人に礼を言わなくてはの・・・



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



 向かってくる馬車へと駆け出した神鬼は、まず馬車の中にいる人と、その奥にいた追っかけている者達を

観察した。そしてこの時、


(あ、これ絶対前の人たちを追っかけてるな。助けてやるか)


 と、神鬼は一瞬で判断した。

 さすがに何も言わずに後ろの奴らを撃退しても、信用を得ることはできないだろうと考えた神鬼は、一応一声かけることにした。


 「あの~。なんか後ろの奴らが悪役っぽいので、あなたたちを助けることにしたんですけど、いいですよね?」


 そういうと、神鬼は返答を待たずに駆け出した。


 そして腰に()いていた【飛刀(ひとう)天駆馬(てんくば)】を抜くと、ジャンプして両の手で持ち、高々と天に掲げた。


「そんじゃ手始めに・・・哭動流剣術三の型ーー【風禍(ふうか)】!!」


 神鬼がそう言って、刀を振り下ろすとーー



 振り下ろした先が、刀の先を先端に、扇状の荒野へと変貌していた。



「うん、ちょっとやりすぎた気もするけど・・・結果オーライだな」


 目の前に広がる光景に少し現実逃避気味につぶやくと、神鬼はいつの間にか先へ急ぐのをやめていた馬車へと近づいた。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



「えっと、大丈夫ですか?」


 神鬼は馬車の中を覗き込みながら、先ほど声をかけた男性を探した。

 

 神鬼が覗き込んだ先には、先ほどの男性と、その少し後ろに座る女性と、神鬼と同じくらいの年頃だと思われる少女が一人いた。


「あ、あぁ。君が助けてくれたおかげで、何とか。それで、君は・・・?」


「あ、すいません。自己紹介が遅れましたね。私は哭動神鬼と申します」 


「おぉ、丁寧にありがとうございます。私は『アルデルハ』と申します。こちらは妻の『メリエラ』です」


「先ほどはありがとうございます。『メリエラ』と申します。・・・ほら、あなたも挨拶なさい」


 二人が言葉を返すとメリエラと名乗った女性が、自分の後ろにいる少女の背中を押し、前へと押し出した。

 少女は少しあたふたとした後、一つ咳ばらいをし、真っ直ぐと神鬼を見た。


「セ、『セルナ』と申します。先ほどは、あの、その、本当にありがとうございます!!」


「いえいえ、大したことはしてませんよ。そういえば、アルデルハさん。何か先ほどまでの事とは別の事で、困っていることなどはありませんか?」


「い、いやいや。確かに少し悩み事はありますが、あなた様にそこまでしていただくわけには・・・」


「遠慮しないでくださいよ、アルデルハさん。『袖振り合うも多生の縁』という言葉がありますし、相談すれば代わるかもしれませんよ?・・・『現ナヘルタ王国国王』アルデルハ・ルイド・ナヘルタさん?」


 神鬼がそういうと、男性ーーアルデルハ・ルイド・ナヘルタは目を見開いた。


「・・・いつから、それに気づいていたんだい?」


 そういわれた神鬼は、そっと握り拳を前に出し、人差し指を立てた。


「まず最初に、話し方ですね。明らかに教育を受けたことのある人の喋り方で、少なくとも教育を受けることができる地位の人・・・貴族以上だと分かります」


 そこでいったん区切ると、中指を立てて続けた。


「次に、あなたたちが馬車を使っていたことです。御者もいず、家族だけで馬車を使う、ここから貴族の中でも、とても力とお金のある貴族だと分かります」


 また言葉をきると、神鬼は薬指を立てた。


「最後に、あなた方の名前ですね。流石に名前を変えるとかはした方が良かったと思いますよ?」


「・・・そこまで分かっているのならば、しっかりと言わねばならないね」


 アルデルハはそういうと、神鬼をしっかりと見据え、口を開いた。



「私はアルデルハ・ルイド・ナヘルタ。現ナヘルタ王国の国王だ。恩人に迷惑をかけ続けるのは心苦しいのだが・・・私たちの国を、救ってくれないだろうか、神鬼殿?」




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