第三十五話 地獄に仏
めっちゃ間空けてすいませんでした!
もう受験も終わったので、また前のように頑張っていきます!!
閑話は次の機会にいたします。もちょっとお待ちください・・・
***???サイド***
・・・わしらは今、追われている。まさか、もう彼らが用意してくれた妨害を超えたというのか?
・・・いや、多分あれは、そこら辺にいた盗賊だろう。だが、それが不安要素であることには変わりない。何とか出来んだろうか・・・
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木々が生い茂り、自然にトンネルのようになっている道を、馬に乗る男と、そのすぐ横を一人の女性と一人の少女が歩いていた。
「なぁアル、今目指してるナヘルタ王国まで、あとどれくらいだろうな?」
「あと30分ほどですよ、ジン様」
「なぁなぁジン殿。龍として強くなるには、一番大切なのはなんだと思うだろうか?」
「んなこと言われても、俺も龍化したのはこの前が初めてだからなんもわかんねぇよ」
そんな事を話しながら、男たちーー神鬼・アルリナ・ノアの三人は、和気あいあいとした空気を醸し出しながら歩いていた。
「にしても、エルファを出てからもう三日も経つけど、結構遠くにあるんだなぁその国」
「国から国へ移動するなら、大体これくらいかかりますよ?」
「まじかぁ・・・」
神鬼が少しため息をつきながら前を向いた。
するとーー
「・・・ん?前からなんか来てないか?」
「・・・たしかに、前から何かが走ってきますな。あれは・・・馬車ですかね?」
神鬼達の前方から、普通そこまでの速度は必要と思えないほど速度で迫ってくる、一台の馬車が来ていた。
「しかも、後ろからもなんか来てるな・・・うん。これ、前の奴が追っかけられてるな」
「えぇ!ジ、ジンキ様!助けて差し上げましょう!!」
「う~ん、どっちの味方すればいいのかよくわかんないから、まずは両方とも止めちゃうか」
神鬼はそういうと、馬車の方へと駆け出した。
アルとノアの二人は、道から外れた所に進み、じっと身をひそめ始めた。
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***???サイド***
・・・未だ後ろから追ってきているようじゃ。それより、先ほどから道が荒れてきておる。車内の家族らは無事だろうか?
「妻よ、我が子らは無事か?!」
「大丈夫です!それより、追手たちがまだ追ってきます!!」
なんだと?!
「くっ、儂らの馬はそろそろ限界・・・もはやこれまでか」
「諦めてはいけません!まだ国には民たちが、私たちが帰るのを信じて戦っている民たちがいるのです。諦めては、死んでしまった彼らに合わせる顔がありませんっ!!」
・・・そうじゃな、確かに我妻の言うとうりじゃ。しかし、あの盗賊どもを何とかできなければいけないが、どうすれば・・・
「っ!! 父様!前に旅の方がいます!このままではぶつかってしまいます!!」
「なにっ!だが、どうやって避ける?!少しでも道を外れれば、奴らに追いつかれてしまうぞ?!」
「で、ですが・・・あら?」
「どうした?!」
「いえ、確かに前には三人の方がいたのですが・・・脇に逸れてくださった方が、二人しかおられないのです」
なに? ならば、我が娘が見誤ったというのか?いや、しかし・・・
「あの~。なんか後ろの奴らが悪役っぽいので、あなたたちを助けることにしたんですけど、いいですよね?」
・・・私の目の前に、一人の青年がいる。
歳はおよそ16,7ほど。
髪はほんの少し黒が混じった白。
目の色は緑より明るい碧。
背は170ほどだろう。
その青年は言い終わるとすぐに、私の視界から消えてしまった。
それとほぼ同時に、後ろから複数の悲鳴が聞こえてきた。
「お、お父さま!後ろにいきなり、男の人が現れたと思ったら、盗賊たちを無力化していきました!!」
「・・・どうやら、儂らは助かったようじゃの」
さて、命の恩人に礼を言わなくてはの・・・
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向かってくる馬車へと駆け出した神鬼は、まず馬車の中にいる人と、その奥にいた追っかけている者達を
観察した。そしてこの時、
(あ、これ絶対前の人たちを追っかけてるな。助けてやるか)
と、神鬼は一瞬で判断した。
さすがに何も言わずに後ろの奴らを撃退しても、信用を得ることはできないだろうと考えた神鬼は、一応一声かけることにした。
「あの~。なんか後ろの奴らが悪役っぽいので、あなたたちを助けることにしたんですけど、いいですよね?」
そういうと、神鬼は返答を待たずに駆け出した。
そして腰に佩いていた【飛刀・天駆馬】を抜くと、ジャンプして両の手で持ち、高々と天に掲げた。
「そんじゃ手始めに・・・哭動流剣術三の型ーー【風禍】!!」
神鬼がそう言って、刀を振り下ろすとーー
振り下ろした先が、刀の先を先端に、扇状の荒野へと変貌していた。
「うん、ちょっとやりすぎた気もするけど・・・結果オーライだな」
目の前に広がる光景に少し現実逃避気味につぶやくと、神鬼はいつの間にか先へ急ぐのをやめていた馬車へと近づいた。
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「えっと、大丈夫ですか?」
神鬼は馬車の中を覗き込みながら、先ほど声をかけた男性を探した。
神鬼が覗き込んだ先には、先ほどの男性と、その少し後ろに座る女性と、神鬼と同じくらいの年頃だと思われる少女が一人いた。
「あ、あぁ。君が助けてくれたおかげで、何とか。それで、君は・・・?」
「あ、すいません。自己紹介が遅れましたね。私は哭動神鬼と申します」
「おぉ、丁寧にありがとうございます。私は『アルデルハ』と申します。こちらは妻の『メリエラ』です」
「先ほどはありがとうございます。『メリエラ』と申します。・・・ほら、あなたも挨拶なさい」
二人が言葉を返すとメリエラと名乗った女性が、自分の後ろにいる少女の背中を押し、前へと押し出した。
少女は少しあたふたとした後、一つ咳ばらいをし、真っ直ぐと神鬼を見た。
「セ、『セルナ』と申します。先ほどは、あの、その、本当にありがとうございます!!」
「いえいえ、大したことはしてませんよ。そういえば、アルデルハさん。何か先ほどまでの事とは別の事で、困っていることなどはありませんか?」
「い、いやいや。確かに少し悩み事はありますが、あなた様にそこまでしていただくわけには・・・」
「遠慮しないでくださいよ、アルデルハさん。『袖振り合うも多生の縁』という言葉がありますし、相談すれば代わるかもしれませんよ?・・・『現ナヘルタ王国国王』アルデルハ・ルイド・ナヘルタさん?」
神鬼がそういうと、男性ーーアルデルハ・ルイド・ナヘルタは目を見開いた。
「・・・いつから、それに気づいていたんだい?」
そういわれた神鬼は、そっと握り拳を前に出し、人差し指を立てた。
「まず最初に、話し方ですね。明らかに教育を受けたことのある人の喋り方で、少なくとも教育を受けることができる地位の人・・・貴族以上だと分かります」
そこでいったん区切ると、中指を立てて続けた。
「次に、あなたたちが馬車を使っていたことです。御者もいず、家族だけで馬車を使う、ここから貴族の中でも、とても力とお金のある貴族だと分かります」
また言葉をきると、神鬼は薬指を立てた。
「最後に、あなた方の名前ですね。流石に名前を変えるとかはした方が良かったと思いますよ?」
「・・・そこまで分かっているのならば、しっかりと言わねばならないね」
アルデルハはそういうと、神鬼をしっかりと見据え、口を開いた。
「私はアルデルハ・ルイド・ナヘルタ。現ナヘルタ王国の国王だ。恩人に迷惑をかけ続けるのは心苦しいのだが・・・私たちの国を、救ってくれないだろうか、神鬼殿?」




