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チート勇者の異世界冒険記  作者: 松竹梅
第二章 いとも悪しきは人の欲
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閑話 勇者達は勉強中

キーンコーンカーンコーン・・・


「あ~。やっと学校が終わったぁ~」


 蓄積した疲れを和らげるために思いきり伸びをしながら、天海はつぶやいた。


「そんなに疲れることしてないじゃないですか・・・」


 先輩とは思えないほどの威厳の無い姿に、優里は思わず、ため息をついてしまった。


「なんでよ~。朝から三キロランニングして、そのすぐ後に剣振って、お昼まで勉強して、午後は魔術の勉強と実践やったんだよ~?そりゃ疲れちゃうって~」


「兄様は毎朝、だいたい十キロぐらい走ってますし、そのすぐ後に何百回と素振りしてますし、学校の授業を受けながら同時に何か勉強してますし、家に帰った後は、何か魔法チックなものをやってましたよ?」


 ぶつくさと文句を垂れる天海に、優里はしれっというと・・・


「・・・ほんとに?」


 普段の口調が消えた声で、天海は聴き返した。


「えぇ、ほんとですよ。これを兄様は、あの日からずっと続けてます」


「・・・そっかぁ~。それもやっぱり、私のせい・・・なのかな?」


 優里が『あの日』というと、天海はいつものにこやかな笑みに少し陰りを見せながら、優里に尋ねた。


「そんなことないですよ。確かに、天海先輩に一切の原因がないかというと、そうではないですね」


 優里が話すうちに、天海は少しづつうつむいていく。

 でも、と。話すのをいったん止めた優里は、天海を真っ直ぐに見ながら、そのまま続けた。


「でも、兄様だったら、『誰かを救えるようになるために』、自分からあんな特訓を始めたと思いますよ」


 優里の言葉に、天海はハッと前を見上げる。


「ま。いつまでもぐちぐちとしてないで、早く自室に戻りましょう?明日だって大変なんですし、兄様に今度会った時、成長した姿を見せたいでしょう?」


「・・・たしかに、そうだね。よしっ、それじゃあさっそく部屋に戻ろ~」


「ちょ、ちょっと。引っ張らないで下さいよ!」


 優里の抗議もむなしく、天海は優里の腕をぐいぐい引っ張りながら自室へと走っていった。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



 次の日・・・


「疲れたよ~・・・」


「昨日の今日で、これですか・・・」


 そこには、朝のランニングと素振りを終えてくたくたになっている天海と、あきれた目で天海を見つめる

優里がいた。


「あら?優里ちゃんに鈴果ちゃんじゃない。どうしたの?」


 天海がゼーハー荒い息をしている間に、自分の練習を終えた多香美がやってきた。


「せ、先輩・・・。ちょ、ちょっと疲れちゃって・・・」


「多香美先輩はとても息が穏やかですけど、三十分ぐらい前にでも終わったんですか?」


「まさか。私が終わったのは今さっきよ?」


「えぇ~~?!!」


 その日、朝早くからグラウンドでは、とある女生徒の嘆きの声が響き渡ったとか・・・。

 



・・・やべぇ。あんま勉強してる感出てねぇ・・・。


ちなみにコンセプトは、『ほのぼの』です。

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