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チート勇者の異世界冒険記  作者: 松竹梅
第二章 いとも悪しきは人の欲
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第二十七話 殲滅と蹂躙

もしかしたら、普段より短くなっちゃったかも・・・


あ、活動報告でちょっとしたお知らせ&質問があります。ぜひ見てください。

 洞窟の内部に入ると、中は予想と少しぐらいしか違っていなかった。


 入り組んでいるため先の見えない道。

 足元が少し見える位の壁掛け松明。


 そのまま道を進んでいくと、広場のような場所へ出てきた。


 そこには、下品に飯を喰らっている100人ほどの男たちと、隅で鎖につながれた数人の女性がいた。


「グヘヘヘっ。女どもを見ながら食うメシは格別だな!」

「まぁそうだな。それより俺は、この後のお楽しみが待ち遠しくて、食い物の味がよくわかんねぇぜ!」

「「ゲタゲタゲタ!!」」


 神鬼はそんな声が響き渡る広場を見て、先ほどまで生じていた『怒り』が、少しづつ、少しづつ冷めていき、『蔑み』に変わっていくのを知覚した。


「ん?てめぇ誰だ?見慣れねぇ顔だが・・・?」


 その神鬼のそばに、四人の男がやってきて、そのうちの一人が絡んできた。


「あぁ、自己紹介してなかったな・・・」


 神鬼はそういうと、いきなり手をたたき、広場に静寂をもたらさせた。

 周りの男たちが何か言ってこようとしていたが、神鬼は気にせず喋りだした。


「皆さんどうもこんにちは。私の名前は哭動神鬼」


 そこまで言うと、神鬼は少しづつ後ずさり、右手を軽くあげた。

 それと同時に、神鬼の周りにオーラが流れ出す。


 男たちは『何が始まるのか』と警戒し始めた。


「今日私がここに来た理由はたった一つ。


・・・あなた方全員の命を、頂戴するためです」


 そう言い切ると、神鬼は右手の指を鳴らした。

 その一瞬あと、男たちに動揺が走った。



 黒いオーラがあった空間に、大人の身の丈ほどの大鎌が現れたのだ。



 それが一つや二つであればだれも動揺しなかっただろう。


 その数、即座に数えられるだけでも、ゆうに50は超えていた。


 いきなり、しかも大量に表れた鎌に、男たちは呆然としていた。

 そしてそのために、男たちはその命を、たやすく断たれることとなった。


ザンッッ!!


そんな軽快な音が鳴った。


 男たちは、目の前でいきなり起きたその光景に、息をのんだ。



 先ほど神鬼に絡んできた男がいた四人組が、一瞬にして首を切断されていた。



「どうですか?私のオーラを使った応用の技、【死の行進(デスパレード)】は?」


ーー【死の行進(デスパレード)

 術の内容としては、今までに神鬼が使ってきた術の中では、あまりややこしいものではない。中身はとても分かりやすい。

 『オーラによる鎌の生成』を行い、そのあと『念動力による操作』をしているだけなのである。

 しかし、それが一つや二つであれば、神鬼は『術』などとは言わないだろう。

 

 この術の価値は、50以上もある鎌を、同時に動かすことができるという事にある。

 それをするために必要な集中力は、尋常ではない。


 しかし、神鬼も完全超人ではないため、この術に置いてできないことがある。

 

 それは、一つ一つの動きがパターン化されている、という所なのである。


 そのため、ちょっと頭の切れる奴であれば、簡単にこの術を避けてしまうのである。


「グワアアア!!」

「いてぇ!いてぇよぉ!!」


 この広場全体に、苦しみの声が響き渡る。


 そのうちに、神鬼は女性たちの方へと近づいていった。


 どうやら女性たちは、気を失っているようであった。


「ん・・・ひぃ!!」


 一人の女性が目を覚ましたのだが、神鬼の事を盗賊の一員だと思ったのか、おびえるような目線でこちらを見てくる。


「安心してくれ、俺は奴らの仲間じゃない。あんたらを助けるのはついでだが、命の保証はしてやるよ」


「ほ、ほんとですか・・・?」


「あぁ。でもその前に、あんたらの鎖を解かねぇとな」


 神鬼が女性たちの鎖を斬ろうとすると、阿鼻叫喚の地獄の中から、一人の男が出てきた。


「て、てめぇ!俺たちにたてついて、ただで済むと思ってんのか?!」


(うわー・・・テンプレだなぁ・・・)

「あぁ?てめぇらの方が先に手を出したんだ。おあいこさまだろ?」


 神鬼は心の声を口に出さずに、威圧をかけながら男に返答した。


「て、てめぇに対して俺らが何したかなんてどうでもいい!俺が今すぐ、てめぇをぶっ殺してやる!!」


 男は叫びながら、剣を手にして神鬼に突っ込んできた。


「まったく、学習能力のねぇ奴は嫌いだ」


 神鬼はそう呟くと、男の頭に拳を向けた。


 すると次の瞬間、男は頭ごと吹っ飛び、【死の行進(デスパレード)】が行われているところにまた戻っていった。


「さてと、これで続けられるな・・・」


 神鬼は男の飛んでいった先を見た後、再び女性たちの鎖を斬っていった。


「あ、ありがとうございます」


 解放された女性たちは、次々にお礼を言った。


「まぁ気にすんな。それより、そろそろ片付いたかな?」


 そういうと、神鬼は【死の行進(デスパレード)】が行われている方を向いた。


 するとそこには、首だけを刈り取られた男たちの、哀れな姿だけが残っていた。

 

「よし、そんじゃ、先に進むか」


 そういうと神鬼は、洞窟の奥へと進もうとした。


 しかし、後ろにいる女性たちが動こうとしないことが気になり、そちらを向いた。


「・・・やっぱり、君たちはもう出るかい?」


 神鬼は女性たちに、なるべく怖がらせないように、優しく声をかけた。


「え、えっと・・・。実はまだ、小さな子たちが居まして、その子たちも助けてあげたいのですが・・・」


「なるほど。そういう事か」


 神鬼は理由を聞くと、洞窟の奥を再度見た。


「わかった。それじゃあ、俺が絶対にその子たちを連れてくるから、君たちは先に洞窟から出てて。あ、心配だろうから、ちょっとこれ持ってて」


 そこで神鬼は言葉をきると、懐から小さな笛を取り出した。


「これは・・・?」


「それは普通の笛だよ。でも、その音は俺にしか聞こえないし、俺にはどんなとこにいても聞こえる。だから外に出た時、もし何かあったら迷わずこれを吹いてくれ」


 神鬼はそういって、一番近くにいた女性に手渡した。


「それじゃ、俺はもう行くから。気をつけてな~」


 歩きながら言うと、神鬼は【異空間武器庫(ウェポンズ・ワークス)】を発動して【飛刀(ひとう)天駆馬(てんくば)】を取り出すと、奥へ奥へと向かっていった。


 女性たちは神鬼が見えなくなると、笛を渡された女性を先頭に、洞窟の入口へと向かっていった。


 

次回から、ラストスパートかけていきます。

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