秘話 観察する者
とっても短いです。でも、絶対に必要なんです。
今日三作目です。
誰もいない、何も聞こえてこない不思議な世界。
ただただ空間が広がっているだけで、そこに壁があるのか、天井があるのか、何一つわからない。
その空間にただ一人、子供ぐらいの背丈の者が座っていた。
ゆったりとした着物のような服。
腰より下に垂れるほど長い黒い髪。
そのか細い掌の上に、何かが映っている水晶を持っていた。
その水晶の中には、魔王アスモデウスと戦う神鬼が映っていた。
「あぁやっぱり。ここでそれを使うんだね」
水晶の中の神鬼が真名開放をした時、その者は、自分の予想が当たったことに手をたたいて喜んだ。
しかし、次の神鬼の行動に、その者は目を見開いた。
「ありゃりゃ。アスモが刀と身体強化だけに負けちゃうなんて・・・」
魔王アスモデウスを倒した神鬼を見て、口では悲しそうなようにしているが、その顔には喜悦の表情を浮かべていた。
「これだけの力があるなら、他の魔王に注意喚起したり、ちょっと力をあげたりしてもいいよね?」
そう呟くと、その者は自分の懐に水晶をしまってから立ち上がり、いつの間にか現れていた黒い扉に手をかけた。
「君はどれくらいまで、化け物・・・いや、私たちと同じになってくれるのかな?」
扉をくぐろうとしたとき、その者はポツリと呟いた。
しかし次の瞬間、背中に冷たいものを感じた。
「?!・・・あ、もしかして、あの子に聞こえちゃったかな?まいったなぁ~。あの子、あの人に関しては色々とすごいもんなぁ~・・・」
その者は少し呆れながら、扉をくぐっていった。




