第十九話 学園生活17 勇者(アホ)との闘い
タイトルのわりに、実にあっけなく終わります。
あ、それと。戦闘・日常関係なしに第三者からの視点でお送りすることに決めました。
他の作品では視点を変えたりするかもしれないので、たくさん待ってください。
*8/29、9/2 訂正入れました。
「哭動神鬼!僕と勝負しろっ!」
「はぁ?」
『色欲の洞窟』から帰ってきてから三日ほど経った時、教室でその日の授業全部が終わった為帰ろうとしていた時、箕田が勝負を申し込んできた。
「なんでまたそんなめんどいことを・・・」
神鬼が『やってられない』というようなしぐさをしていると、その態度が気に入らなかったのか、箕田は声を荒げて言った。
「お前が途中から変な力を使いだしたってことは聴いた!そんな力があるんだったら、なぜその力を最初から使わなかったんだ!?」
箕田の発言に神鬼の表情が固まり、。
「どうした?!何か言わないのか、この裏切者!!」
その一言を言った瞬間、その場にいた全員(箕田を除く)が、体全体を見えない何かで鷲掴みにされるような錯覚を感じた。その恐怖感の発生場所を追っていくと、そこには、神鬼がいた。
ここにいた全員が感じた恐怖の正体は、神鬼が放つ威圧だった。
「箕田・・・てめぇにはわからねぇだろうよ」
「何をだ?」
俺は、心底底冷えするような低い声で、すべてが恐怖を感じる暗い顔で、ゆっくりと告げた。
「この力のせいで、俺は周りから『化物』と言われたんだ。そんな力を、そう簡単に使うと思ってんのか?」
俺の体からにじみ出ている黒いオーラにも気づくことは無く、箕田は何を言っているのかわからないと言った表情をしていた。
そうして張り詰めた空気が蔓延していたその空間に、神鬼は終わりをもたらした。
にじみ出ていたオーラを止め、表情を崩して話し始めた。
「まぁ、それも結構昔の話だ。つっても、忘れる気はねぇけどな。それはともかく、決闘だっけか?いいよ、受けてやる」
神鬼の突然の発言に、箕田は戸惑った。
「どうした?お前が言ったんだろ」
「ま、まぁ、そうだが・・・」
「そんじゃ、練習場にでも行くとすっか。アルタット先生、練習場の使用許可が欲しいのですが、よろしいですか?」
神鬼は教室にいたアルタット先生に声をかけた。ちなみに、アルタット先生はSクラスの担任である。
「あ、あぁ・・・」
先生は二つ返事で了承し、教室の外へ出ていった。
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・・・色々あって、剣術の授業をした練習場で決闘をすることとなった。
「さて、そんじゃ、この決闘で勝った場合に相手に飲ませる条件は何にする?」
「それは決まっている。
一つ目は、君が持って行ったあの槍を僕に渡すこと。あの槍は僕のような勇者が持つのがふさわしいからね。
二つ目は、今後一切、僕の女神たちに近づかないこと。君みたいな卑怯な奴が僕の女神たちの近くにいると、彼女達に悪影響が出るからね。
三つ目は、君の持っているスキルと持ち物すべてを僕に譲る事。僕みたいな勇者が持った方が、スキルやも君の持ち物たちも喜ぶからね」
「・・・それで終わりか?俺の方からは・・・それじゃあ、『神鬼様の方が強かったです。調子に乗ってホントーにすいませんでした』って言うにしよう」
「条件は決めたね?それじゃあ、両者、開始戦につきなさい」
先生に言われて、神鬼と箕田は開始戦についた。
「・・・?ジンキ君。君は武器を使わないのかい?」
「まだ取り出してないだけですよ。武器を取り出す隙なんて、たくさんありそうですから」
「まぁ、君がそういうなら・・・」
アルタット先生はそういってから神鬼たち二人から離れると、大声でしゃべり始めた。
「それではこれから、この二人の決闘を始める!よ~い・・・はじめっ!」
開始の合図が練習場で響いた瞬間、箕田が突っ込んできた。
「くらえっ!【大断斬】!!」
掛け声と共にはなってきた技は、あの時迷宮の床をぶち抜いたものだった。
「そんなもんか?」
箕田の全力の一撃を、神鬼は簡単にいなしてみせた。
周りから見ればとんでもないスピードで動いたように見えるかもしれないが、神鬼からすれば、ほとんど動いてないのと一緒だ。
箕田の攻撃が地面にぶつかった為に、練習場の地面を蜘蛛の巣状にひび割れた。
「そんじゃ、次は俺から動くとするか。っとその前に・・・」
神鬼はつぶやくと、箕田から距離を取って右腕を前に突き出す。
「【異空間武器庫】発動」
神鬼がその言葉を発すると、右手の前に闇がうまれた。
「召喚、【時斬空絶】」
直後、神鬼の右腕に闇が絡みつき、肘ほどまで伸びた後数秒したら、徐々に闇が引いて行った。
そこに現れたのは、一本の刀。
刀の鍔は懐中時計のような形をしており、刀身の横側には時計の針が書かれている。
「・・・なんだその刀は」
「この刀の銘は、【時斬空絶】。その場所に存在する『時間』と『空間』を斬ることができる刀さ。もっとも、気を流し込んで初めてこの刀の『権能』を扱えるんだけどな」
神鬼は箕田にそう説明すると、刀に気を流し始める。
「っ!させるか!!」
俺が何をしようとしているのかわからないながら、箕田は直感で『何かがおきる』と思ったようで、一気に突っ込んできた。
しかし、次の瞬間、神鬼の姿は箕田の後ろにあった。
「なっ・・・?!」
驚愕としか表せないような表情で、箕田は神鬼の方を恐る恐る見た。
「言ったろ?この刀は、『時間』を斬れるって」
神鬼は何気なしに、そう呟く。
ーー【時斬空絶】。その刀の持つ力は、先ほど神鬼が言ったように『時間』と『空間』を斬る力を持っている。正確には、『時間を斬って、他者が動くことのできない時間で自らのみ動くことができる』という力と、『空間を絶やして、その空間にあった物・距離・存在をなかったことにできる』という力である。
まるでとある漫画のとあるスタンドにそっくりだが、それは気にしてはいけない。似てはいても違うものである。
神鬼はまた刀に気を込め始める。
その姿を見て、今度こそ止めて見せようと箕田が動き始める。
しかし、それは遅すぎた行動だった。
次の瞬間、神鬼の方に振り向いた箕田だが、その方向に神鬼はいなく、箕田が向いた方向の逆の向きに神鬼はいた。
そして、箕田は音もなく、地面に倒れ伏した。
長い静寂が練習場に響き渡った頃、アルタット先生がようやく動き始めた。
地面に倒れ伏している箕田の口元に手をかざし、やがて立ち上がった。
「し、試合終了!箕田光輝殿が意識を失ったため、勝者、哭動神鬼!」
審判の宣言が練習場に響きわたり、やがて、見学していた学園の生徒全員が大きな声をあげた。
『ウオオオオオォォォォォォ!!!』
いやー、みごとに咬ませ犬の仕事を果たしてくれましたね!
ちなみに、作品に出ている【時断空絶】。
あれ、ほんとに自分で考えたんですよ。
ホントですよ?!
たまたまであって、『キ◯グクリ◯ゾン』とか『ザ・◯ンド』を意識してやったわけじゃないんですよ?!




