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チート勇者の異世界冒険記  作者: 松竹梅
第一章 消える封印見ゆる真実
20/66

第十六話 学園生活13 戦いの終結

今回で、やっと戦いが終わります。


*8/19訂正入れました。

*8/19表現を追加しました。

「なんと・・・【気鎧(きがい)】まで使えるとは!!」


ーー【気鎧(きがい)】。

 それは自分の持つオーラを物質化し、自分の体に纏わせて鎧とするものである。

 切ろうとすれば刃が欠けて、殴ろうとすれば骨が砕けるほどの硬さを持つ鎧である。

 その防御力はオーラの量や質にもよるが、オーラの質も量も優れた人が行えばほとんどの攻撃手段は封じられてしまう、オーラを使った防御術の中で『最強』と言われるものである。


「この術は覚えたてだからそう長くは使えないが・・・お前を倒すぐらいの時間は、十分にある」


少し小さめながらも、はっきりと聞こえる声で神鬼は告げると、背中に鞘に入れた【魔刀(まとう)天堕地(あまだち)】を背負いながら、だんだんと歩調を速め、魔王の近くへ駆け出していった。

そして自らの拳を振り上げ、魔王へと殴りかかった。


「なめるなっ!!」


しかし魔王も『魔王』としての意地か、愛武器のタナトスで応戦してきた。


【気鎧】によって桁外れな硬さを得た神鬼の拳と、魔王の持つ神具であるタナトスがぶつかった瞬間、辺りに甲高い金属音が鳴り響いた。


 その一撃をきっかけに、幾度となく神鬼の拳と魔王の槍がぶつかり合った。


 神鬼は少しづつ攻めの手を工夫していった。


 拳だけでは攻めきれそうにないときは、足を使い。

 足をつかんで来ようとしてきたときは、とっさに足をまげて膝で蹴り。

 拳が避けられたときは、回転の力をそのままに肘で殴り。


 魔王も負けじと、槍の使い方を変えてきた。


 上体に攻めの手が多いときは、槍の後ろの方をもって足を狙い。

 間をとって蹴りを入れて来たら、足をいなしながら近づき。

 正面から拳が来たら、槍でそらして素手で殴りかかり。


 そうして、何度も何度も攻撃と回避を繰り返していた時、神鬼に一瞬の隙ができた。


(今だっ!!)


 魔王はその隙を逃さず、渾身の一撃と共に槍に『幻覚』を発動させた。


「これで終わりだ!!」


 魔王の槍が何本にも増え、神鬼へ迫っていった。


「「「「ジン君(兄様)!!!」」」」


 優里たちから悲痛な叫びが聞こえてきた。


 しかし、神鬼が浮かべていた表情は『確信』だった。


「終わるのは、てめぇの方さ」


 直後、不敵に笑った神鬼に迫ってきていた槍は、すべてが神鬼の体を通り抜けた(・・・・・・・・・・)


「なにぃ!!」


 予想外の結果に動揺してしまった魔王に、大きな隙が生まれた。


 その一瞬の隙を逃さなかった神鬼は、魔王の後ろから(・・・・・・・)おもいっきり殴った。


「グオオオオォォォォォ!!!」


 魔王は叫びながら吹っ飛んでいき、壁に激突して地面にずるずると落ちていった。


「お主・・・今、どうやって、・・・われの、背後に、回っていた?」


「なに、【気鎧】は形状を維持したまま俺の体から離れさせて、それにオーラを追加させて、俺の形に変化させたの(・・・・・・・・・・)()


 神鬼は倒れたままの魔王へ近づき、先ほどの攻撃のネタをばらした。


 つまり、こういう事である。


 神鬼はまず、自分が使っていた【気鎧】に追加でオーラを流し込み、その形状を安定させて、『あたかもそこにあるように見える』と言うようにした。

 次に、【気鎧】の中にさらにオーラを流し込み、そのオーラを【気鎧】と同じように形を変えさせて、哭動神鬼の姿にさせた。

 そして、その二つを終わらせた後に神鬼は【気鎧】とオーラで作った自分から離れ、なるべく気配を消して魔王の背後へと回った。


・・・と、いう事のようだ。


「なん、と・・・まさか、オーラを、自分のす、姿に変えられる・・・とは・・・!!」


 魔王は先ほどの一撃の影響で全く動けないようで、少し上体を起こしつつ、神鬼がしたことにただただ驚き、やがてまた地面に横たわった。


「さて、あと一撃入れればお前は死ぬが、どうする?最後ぐらいは潔く死んでみるか?それとも、最後の最後まで、泥仕合になろうとも生きようとしてみるか?」


 今にも息絶えそうにしている魔王に対して、神鬼はそう尋ねる。


「そんなこと聞かんで良い。殺せ」


 しかし、魔王はそんな気遣い無用だ、とでもいうように、潔く言ってきた。


「お主は、この世界の者ではないのだろう?という事は、うわさに聞いた『召喚』というもので来たのであろう。そうしてこの世界に来たものは、だれであろうと『勇者』になる。『勇者』は、魔王退治をしなくてはならんのだろう?」


 魔王の問いかけてくるような目線に対し、神鬼は首を縦に振った。


「やはりな・・・。ならば、今ここで生かしてもらったとしても、どうせまた戦う。ならば、今ここで死のうが次の戦いで死のうが、変わるわけではないさ。さぁ、殺せ」


 そういうと、魔王は両手を広げて、地べたの上で大の字になった。


「・・・一つ聞かせておくれ。お主、ほんとは、我を一瞬で殺すような力が、存在しておろう?なぜ使わんかった」


「よくわかったな。あぁ、俺にはお前を一瞬で殺すような力、【絶対完遂(デキヌコトアラズ)】ってもんがある。だけど使わなかったのは、これには【鬼纏】を使わなくちゃいけないのと、これを使うこと自体が反則だと思っているからだ」


「やはりか・・・。これで心残りもなくなった。さぁ、殺せ」


 神鬼の答えを聞いて満足したのか、アスモデウスは目を瞑り、穏やかな笑みをうかべた。


「・・・色欲の魔王、アスモデウス。あんたが魔王だったから、俺は戦うことにしたけど、もしあんたが人として生まれてきていたら、俺はあんたと仲良くしたかったよ」


 神鬼はそう呟くと、神鬼は【魔刀・天堕地】を魔王の胸へと突き刺した。


「ふふっ・・・。我も同感だ。お主であれば、よき友となれたであろうに・・・」


 体が少しづつ、光の粒子となって消えていこうとしている魔王は、最後にそう呟きながら、笑顔で消えていった・・・。


 完全に魔王の体が光の粒子となって消えていったとき、突然頭に声が鳴り響いた。


《魔王・アスモデウスを討伐したため、スキル【色欲】が解放されました》

《スキル【色欲】が解放されたため、『魔神 LV.1』から『魔神 LV.2』になりました》


 


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