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チート勇者の異世界冒険記  作者: 松竹梅
第一章 消える封印見ゆる真実
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第十話 学園生活7 覚醒、そして最初の魔王

すいません。ちょっと短いです。

『我が真名は【哭動神鬼】(こくどうじんき)!鬼たちの神を、宿らせるものなり!』


 神鬼がそう告げると、神鬼の姿が極光に包まれた。


 目がとても良くても直視できないような光の中、神鬼の体には少しづつ変化していた。


ーー極光がおさまった頃、神鬼の姿は見えてきた。しかし、見えた姿は今までの神鬼とは全く別の姿だった。


 腰ほどまである長い金色の髪。どこまでも見通しているような澄んだ碧眼。何年もかけて鍛え上げたような肉体。どれをとっても、今までの神鬼の面影が全くない。


「お・・お前・・・シンドウ・・・なのか・・・?」


 モトル教官が、恐る恐る尋ねてきた。


「いいえ。俺は哭動神鬼といいます。進藤奈木というのは、俺が使っていた偽の俺ですよ」


ぶろろろろぉぉぉぉぉぉぉぉ!


 そんななか、まったく空気を読まないで突撃してきたミノテリウスがいた。


「まったく。もうちょっと待ってほしかったな」


 そういうと、神鬼は突進してきたミノテリウスの方を向き、剣を構えた。するとーー


ミノテリウスが、いきなり消えた(・・・)


「「「へっ?」」」


 皆は、間抜けた声をあげた。


 次に神鬼は、白河達を取り囲んだりつかんだりしているミノテリウスに向かっていった。結果はまた、同じだった。


 こんな声をあげるのも無理はない。神鬼がやったこと。それは、向かってきていたミノテリウスをーー


わずか0.01立方センチメートル四方ほどまで、切り刻んだ(・・・・・)のである。


 普通であれば、そんなことはできるはずもない。突撃してきていて、ランダムに動いている敵相手にそんなこと、普通であればできない。そう、普通であれば(・・・・・・)


 そして、その事実に気付いたモトル教官は、驚愕の声をあげた。


「なんてこった・・・。あんなことするのは不可能なはずだ。絶えず動いていて、しかも自分に向かった来ている敵にあんなに冷静でいるなんて・・・」


 白河達をとらえていたミノテリウス達を倒した神鬼は、まだ自分達を取り囲んでいる魔物たちを見て、そう睥睨した。


「ッチ。まだ敵が多いな。一気に片付けてやるとするか」


そう言うと、神鬼は両手を頭上に掲げ、呪文を唱え始めた。


『火炎よ、猛り、荒れ狂え、眼前の敵、無へと帰らん。【火炎】(リャマ・デ・フーゴ)


 神鬼が唱えると、神鬼たちの周りに炎が発生して、周囲のミノテリウス達を燃やし尽くした。


「なんとっ!あれは上級魔術!しかもあれだけの量を発生させられるとは!」


 ヘリラ先生は神鬼の魔術の正体が分かったようだ。


 ヘリラ先生が言ったように、神鬼が使ったのは上級魔術の中の【火炎】(リャマ・デ・フーゴ)という、火炎属性の初歩である。


 しかし、初歩とはいえ上級魔術。普通の人間がやろうとすれば、MPが全く足りずに発動することはない。


 そんな魔術を、神鬼はアレンジを交えながら軽々とやって見せたのだ。


「シンドウ・・・いや、コクドウ、といったか。お前、いったい何者なんだ?」


 モトル教官が、畏怖を織り交ぜた視線をこっちに向けてきた。ヘリラ先生も同じような視線を向けている。


「そうですね・・・。あえて言うなら、化け物(・・・)、ですかね?」


 神鬼は、そんな視線を向けられるにはわかっていた、というような表情で教官たちの方を向いた。


「ほう・・・。ここに何者かが来るのは、とても久しいな」


 突然、奥につながっていると思われる道から声が聞こえてきた。声がした方を見てみるとーー


 そこには、牛や羊が入り混じったような顔を持ち、足はガチョウのような形をしていて、尻尾のような物の先端には蛇の頭が見える。

 右手には、何かが描かれている旗を持ち、左手には、何やら強烈なオーラを放っている槍を持っていた。

 そして、どこを探してもこの世界にはいるように思えないような、異形の姿をした竜がいた。


「あんた、何もんだ?」


 神鬼は神妙な面持ちで、異形の怪物に尋ねた。


「おお。名乗りがまだだったな。ならば、教えてやるとするか」


 そういうと、異形の化け物は大きく息を吸い込み、こう宣言した。


「我は七魔王が一角、アスモデウス!【色欲】のアスモデウスとは、われの事なり!」


 アスモデウスと名乗った魔物は、宣言した後誇らしげにしていた。


「アスモデウス・・・?」


 神鬼はあまり思い当たるものが無かったので、頭をひねっていた。するとーー


 《【アスモデウス】の名前を検索します。・・・検索の結果、【アスモデウス】はこの世界において七体いる魔王のうちの一体であることが確認されました》


 突然、頭の中に声が響いた。


 

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