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ぼんやりと、光が見える。

前よりも少しだけ、目が開くようになってきたみたいだ。


……ん?なんやろ、これ。

人……やんな?


ぼやけてはいるけど、誰かが動いてるのはわかる。

でも、それだけじゃない。...…なんか、見えてる……?

姿だけやない。その奥というか……もっと深いところ。


『皇女殿下は今日も大変お可愛らしいですね』


……うん、声は優しい。

でもなんやろ、この人めっちゃ眠そうやな。

あ、でも顔は笑ってる。


……ん?なんでわかるん??

今の私、そんな細かいとこ見えるほど目開いてないよな???


『あらあら、じっと見ていらっしゃるわ』


そりゃ見るよ!なんか変やもん!!

見え方が変というか……普通に見てるのと違う。

……奥まで、覗き込んでるみたいな感じ。


え、なにこれ。怖。


『ふふ、とてもお利口さんですね』


いやいやいやいや。

そんな可愛いもんちゃうでこれ!めっちゃ怖いんやけど!!


……でも、なんやろこの感じ。嫌な感じでは、ない…かも?

なんかこう…自然に“わかる”みたいな。


ん〜……。まぁいっか!

今は考えてもわからんし。


それより、お腹すいた。


「……ねぇ…ん..ねぇぇん…」

『あらあら、やっぱりお腹が空いたのね』

「お腹が空かれたのですね。ミルクをご用意しておりますので、少々お待ちくださいませ」


やっぱこれ、泣いたら通じるんやな〜。赤ちゃんって便利やね。

…いや、便利ってなんやねん。

私、ほんまに赤ちゃんなんやなぁ…。

改めて思うと、ちょっと不思議な気分や。


そういえば、この世界って異世界なんやろか?それとも地球の現代じゃない別の時代?

でもでも!小説とかでよくあった異世界転生みたいな感じやったら嬉しいなぁ。

私結構好きやったし!魔法とか!特に!!!


もうちょっと成長したら見たり聞いたりしてみよ!!!


そう思いながらミルクを飲んで、寝ることにした。


============


次に起きたらミルクをくれる女の人かと思いきや、別の人がいた....!?!?


今度はしっかりと目が開くようになったけど、まだピントが合っていない模様…。

赤ちゃんってこんなに認識するのに時間かかるんだね〜。

自分の生年月日とか知らんけど。


っていう現実逃避は置いておいて、誰やろ??


『はぁぁ、やはり我が子はどんな子でも愛おしいな』


我が子?我が子いうてるで!この人!!

てことは、私の新しいお父さんかな?声低いし…。

それにしても顔はわからんけど、ええ声してはるね、この方。


『おやおや、起こしてしまったかな?』


バレちゃった...。

別に隠してたつもりはなかったんやけどね。


「だぅ……だぅあ……?」

「ふっ…初めまして愛しい子。起こしちゃったかな?ごめんね、リュセリア」


……おぉ?

リュセリア!?


転生(?)して何日目かで私の名前が判明しちゃった感じ!?

リュセリア...。かわええ名前やん!


私、リュセリア!よろしくね!!

誰に言ってるんか知らんけど。


『本当にセフィそっくりで可愛いなぁ...』


おん?セフィ?それは私の新しいママンのお名前ですか?

でも名前にしては短いような……?愛称とかかな?


ほうほう…どうやら新しい両親はラブラブなご様子で!

娘の私としてはそっちの方が安心で嬉しいけどね!!

会ったことないけど...!


「リュセリアはまだ会ったことがないかもしれないが...」

「だぁぅ...?」

「君にはそれはそれは美しい母と兄が2人いるんだよ。いずれ会うかもしれないからその時は笑顔で迎えておくれ」


『…と赤ん坊に言っても分からないとは思うがね』


いやいや!理解してますとも、パパン!

なんせ私は、見た目は赤ちゃん!中身は大人(?)ですからね!!


でもやっぱり変な声が聞こえるんだよね〜。

ん〜なんなのかな...この声みたいなやつ。


あのミルクをくれる女の人とパパンらしき人とでは音の高さが違うからこの人たちの声ではあると思うのだけれど…。

普通に聞いてる声と変な声とでは音の響きが違うっていうか…。ん〜…。


まぁ!深く考えても赤ちゃんにはわかんないから今は放っておこう!!


それにしてもまた眠くなってきたなぁ。

そういえばなんかぼんやり光りつつも外側は暗いからまだ夜なのかな?


夜だったら寝るのが当たり前!よし、寝よう!!


「ねぇ....ん」

「おや、眠くなってしまったのかな?夜遅くに付き合わせてしまって悪かったね。おやすみ、リュセリア...愛しい...子」


んん〜最後の方聞き取れなかったけど、いいよね。

赤ちゃんだもん。


ーーおやすみ、パパン。

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