#222 コスプレ広場、超人女子高生
自分でもなんでこんな話になったのかわからないです。いやほんとなんで。VTuber物とは???
「うんうん、ロリには不釣り合いな大剣を持ってるのがすごくいいぞ!」
「ん、ロリにでかい武器は鉄板」
「お腹を出してるのはすごくこう、エッ! ですけどぉ~……椎菜ちゃん、それは寒くないんですかぁ~?」
あれからなんとか千鶴お姉ちゃんを起こして、広場から少し外れたところでお話をしていると、千鶴お姉ちゃんから寒くないのかという質問が。
「これくらいなら大丈夫! 比較的暖かい方だしね」
「そういえば椎菜ちゃんって、体温高いんだっけ」
「うん。平熱も結構高いかな?」
「冬場は羨ましい」
「なるほど、だから薄着ができるんですねぇ~。すごく目の保養ですよぉ~!」
「千鶴お姉ちゃん、鼻血出てるよ……?」
「椎菜ちゃんを常に視界に入れていると、鼻血も流れ出続けるんですよねぇ~。まあ、それはそれとしてぇ~……やはり、全員容姿が整ってますから、コスプレ似合ってますねぇ~」
「うんうん! 藍華はサイバーパンク系でいいの?」
「ん、ゲームの衣装。槍使いのキャラ」
藍華お姉ちゃんが着ているのは、未来って感じの衣装。
露出はほとんどなくて、ちょっとぴっちりしてる感じで、色は黒がメインでところどころに青とか白のラインが入っています。
藍華お姉ちゃんは背が高くて、スタイルもいいから、かっこいい衣装がすごく似合ってます。
「千鶴のそれは……魔女?」
「そうですよぉ~。胸元はちょっと開いてますけど、魔女ですねぇ~。最近やった、アナザー・ファンタジアのキャラですねぇ~。これならいけるかなってぇ~」
千鶴お姉ちゃんが着ているのは、いかにも魔女! っていう感じの衣装。
胸元が少し開いたブラウスに、魔方陣が描かれたロングスカート。ロングブーツで、四角い眼鏡をかけていて、肘くらいまでの長さの白い手袋もしているし、イヤリングも似合ってます。
とんがり帽子もかぶっていて、すごく大人な女性って感じがします!
「寧々お姉ちゃんはどういうの?」
「あたしは女騎士かな? スレンダー体型でもいい感じなのがこれだったから! どうどう? 似合ってる?」
「うん!」
寧々お姉ちゃんが着ているのは、騎士さんって感じの衣装。
長袖シャツのようなお洋服の上に、鎧を身に着けています。
下はミニスカートで、寧々お姉ちゃんが言うには、下にはスパッツを穿いてるとか。
靴の方も鎧みたいな靴をしているし、手には籠手も着けていてすごくカッコいい。
頭にはティアラのようなものあって、腰には剣が。
うん、すごく騎士さん。
「それで……椎菜ちゃんもまた、すごく似合ってるというか、ぴったりな衣装を見つけて来たね?」
「僕の体型にあってたし、いつもは可愛い系の衣装が多いからね。なので、たまにはカッコいい感じの衣装にしてみました!」
僕が今回着ているのは、んっと、アクションゲーム? のキャラクターの衣装です。
スポーツブラのような衣装に、裾が胸の丈くらいの長袖の上着に、ホットパンツ、あとはガーターストッキング? を履いてます。
今回僕が履いてるガーターストッキングに関しては、太ももで止めるタイプのもので、普通にとはちょっと違ったり。
靴に関してはふくらはぎの真ん中くらいまであるブーツを履いてます。
あとは、片側にリボンのついたカチューシャもあります。
ちょっぴり調べたけど、このキャラクターは人気が高いみたいなのと、体型が僕そっくりでした。
大きな武器を使うのを好んでいるみたいで、今回は大剣だけど、大きな斧なんかも使ってることがあるとか。
「ん、カッコいい……カッコいい?」
「うーむむぅ……椎菜ちゃんって、基本ベースが可愛いから、カッコいい系の衣装を着ても、微笑ましい感じが強いよね」
「椎菜ちゃんは何を着ても可愛いですよぉ~~~!」
「か、可愛い……」
個人的に、カッコいい系の衣装を選んだつもりだったのに、可愛いって言われちゃった……やっぱり僕って、カッコいい衣装は似合わないんじゃ……?
うぅ、身長が高かったらよかったのかなぁ。
「ところで椎菜ちゃん。その背中にある大剣、重くないの?」
「あ、これ? そこまででもないよ? 持ってみる?」
「じゃあ、ちょっとだけ!」
「うん、よいしょ、と……はい、どうぞ!」
大剣の柄の部分を持って、背中から外すと、それを寧々お姉ちゃんに手渡す。
「抜き方が自然すぎる」
「愛菜さんにでも教えてもらったんですかねぇ~。それで、寧々さん、重さはどうですかぁ~?」
「ん~、重くはない……けど、最近、ジム通いしてるから筋肉付き始めてるんだよねぇ。藍華、ちょっと持ってみて」
「ん、了解。……ん、そこそこの重量はある。少なくとも、椎菜くらいの体型だと、よほど力がないと普通に構えるのは無理では? 椎菜、ちょっと構えられる?」
「あ、うん。普通に構える感じでいいのかな?」
「それでいい」
「了解だよ! えーっと、こんな感じ?」
藍華お姉ちゃんに言われて、僕は正眼の構えのような状態で構えてみる。
「普通にそれできるんだ」
「ん、さすがTS病」
「いいですねぇ~! ちっちゃいのに大きい武器を軽々と構える姿ぁ~~! あ、写真撮っていいですかぁ~?」
「うん、いいよ!」
「ありがとうございますぅ~~~!」
写真を撮りたいと言ってくる千鶴お姉ちゃんに、僕は笑顔で承諾。
承諾が得られた千鶴お姉ちゃんは、いつものように高いテンションでカシャカシャとスマホで写真を撮り始めました。
「あ、じゃあ、あたしも撮ろー!」
「ん、なら私も」
「いいけど……ここだとちょっと場所があれじゃないかな? 向こうの方に行く?」
「あ、それもそだね! えーっと、お、広場のあの辺、人が少ないし、あそこでどうよ?」
「ん、いいと思う。というより、あの広場ってほぼ写真撮影がメインっぽい。ほかにもいる。……椎菜、撮られまくりそう」
「椎菜ちゃん、見ただけで死ぬくらいに可愛いですからねぇ~」
「死ぬことはないと思うよ!?」
なんていうやりとりをしつつ、寧々お姉ちゃんが提案した場所へ移動して写真を撮ることに。
「ポーズとか取った方がいいかな?」
「ん、できればほしい。椎菜の身体能力は高いから、どんなポーズでもできそう」
「ねね! 椎菜ちゃんなら、この画像のポーズってできる?」
「んーっと……うん、これくらいなら?」
「やた! じゃあお願いします!」
「うん!」
寧々お姉ちゃんが僕にお願いしてきたポーズというのは、説明がちょっと難しいんだけど……伸脚をして、大剣を肩に担いで、大剣を持っていない方の手を地面に置くような感じで……なんだろう、ちょっと恥ずかしい。
「これでいいかな?」
「おぉ~! 完璧だぞ! っていうか、椎菜ちゃんほんとに似合ってるっていうか……完璧に着こなせてるのはマジですごいぞ!」
「そ、そうかな?」
「ん、その衣装……というか、そのキャラを再現できるのは至難。具体的には、椎菜のように140センチ未満で、尚且つ胸も大きくないと完璧な再現は無理と言われている」
「今しがた調べましたけど、大体は身長などで妥協するようですねぇ~。少なくとも、今までに完璧に着こなせる人はいなかったとかなんとかぁ~……」
「そうだったの!?」
そう言えば、この衣装を含めて、周囲の衣装が全然減っていなかったけど……それが原因!?
「今の椎菜ちゃん、髪の毛が短くなってるから、余計似合ってるしね! まさか切ってるとは思わなかったけど」
「私も事前に写真をもらっていなかったら、今日死んでいるところでしたよぉ~」
「ん、本当にそれは安心した。仮にもし、当日の朝に死亡していたら、運転がままならなかった」
そうなってたら確かに困ったかも……。
「あ、もうポーズやめてもいいぞ! その体勢ちょっと大変化もだし」
「じゃあ、よいしょ、と」
あらかた写真を撮り終えたからか、寧々お姉ちゃんがやめていいと言ってくれたので、僕は立ち上がる。
「それで次なんだけど……椎菜ちゃんってこのポーズできたりする?」
「どれどれ?」
次に寧々お姉ちゃんが見せて来たのは、大剣を地面に突き立てて、その柄を掴んで逆立ちするようなポーズ。
曲芸みたい。
「まあ、どう考えても再現は難しそうだし、無理ならそれで言ってくれていいから!」
「んーっと……たぶんできると思うけど……でも、これってレンタルだから大丈夫なのかな? 大剣の先端が地面に刺さってるけど」
「あ、そこは大丈夫だって。その大剣とか、壊れてもいいように予備がかなりあるみたいだし、多少の傷は全然OKって。むしろ、傷がある方が再現に繋がるので、壊れない規模の傷だったらいいよ! ってあるから」
「なかなかにすごい理由」
「いいんだ、そういうの……」
「寛容ですねぇ~」
寛容……うん、寛容、なのかな?
「今さらっとできるって言われたし、傷が大丈夫なのかーって聞かれたから回答したけど……え、椎菜ちゃん、これできるの? マジで? これさ、逆立ちは逆立ちでも、その、足がすごいことになってるよ? 180度開いてるよ? え、できるの!?」
「うん。もともと体は柔らかい方だったけど、こうなってからI字バランスもできるようになったしね」
「え、I字バランスできるんですかぁ~~~!?」
「うん、よいしょ……っと。ほら」
そう言いながら、左足を頭の横まで上げて、I字バランスの姿勢を取る。
全然痛くないし、このまま足を回すこともできたり。
『体柔らかっ!?』
『完璧にメルティアちゃんのコスしてる娘がいると思ったら、なんかすっごい体が柔らかかったんだが』
『すっごー……私、あんなに足上がらないわー……』
『関節どうなってるんだろ』
なんだろう、周りがちょっと騒がしいような……?
「ん、いやほんとにすごい」
「椎菜ちゃん、もう体操の選手とかになった方がいいと思うぞ」
「リアルロリのI字バランスが見られるとか……私、生きててよかったですぅ~~~!」
「そんなに!?」
「いやまあ、うん。普通は見ることないよね」
「たしかに。……それで、椎菜、ポーズは行ける?」
「あ、うん。じゃあ、まずは大剣を……」
寧々お姉ちゃんにお願いされたポーズをするために、地面に大剣を刺してぐらつかないか確認。
倒れても上手く着地できるから問題はないけど、なるべくね。
えーっと……うん、これならいけそう。
「んっしょ! っとと……こうかな?」
「いやほんとにできてる!?」
「ん、すごい。というか、何をどうしたらできるのかがわからない」
「椎菜ちゃんのバランス感覚……もそうですけど、体幹がすごいですねぇ~~! あ、こっちに視線くださいぃ~~!」
「あ、笑顔の方がいいかな?」
「ぜひぃ~~~!」
「それじゃあ……えへっ☆」
『『『ごふぅっ……!』』』
あれ、なんだか今、最近聞き慣れて来た声というか音が聞こえて来たような……。
って、
「なんで吐血!?」
なぜか三人が吐血していました。
「さ、さすが椎菜ちゃん……! あの天真爛漫な笑みを再現しているぞ……!」
「ん、やはり核兵器。……それにしても、本当にそっくり」
「へへ、へへへぇ~……こ、このキャラの、デザインした人……さ、小夜さんらしいですよぉ~」
「「納得」」
このキャラクター、小夜お姉ちゃんがデザインしてたの!?
そう言えば、どんなキャラクターなのか調べてる時に、どこかでみたようなデザインしてるなぁ、って思ってたら、小夜お姉ちゃんだったからなんだ……。
「そりゃ似てるぞ……」
「ん、むしろ当然のことだった。あの人の理想のキャラが例のアレだから」
「素で似てるもんねぇ、椎菜ちゃん。あ、椎菜ちゃん、頭に血が上っちゃうかもしれないし、もう降りていいぞ!」
「うん、よっと!」
降りていいとのことだったので、僕はハンドスプリングの要領で大剣の上から飛び降りて、静かに着地。
うん、意外とできるものです。
「いやぁ、既に面白い写真が撮れてるねぇ……っていうか、椎菜ちゃんのスペックが高すぎて、多分ほぼ全部のポーズとか再現できそうだよね」
「たしかに」
「私はすでに脳内の椎菜ちゃん写真館に保存しまくってますけど、まだまだほしいですねぇ~! それで次はぁ~――」
と、三人のリクエストを聞きながらポーズをしては写真を撮ってもらって、反対に三人の写真を撮らせてもらったりしている時のこと。
「きゃああっ!」
「ひったくりだ!!」
「どけ!」
「あぅっ!」
なんて声が聞こえてきました。
「ちょっ、ひったくりらしいぞ!?」
「今逃げてるあの男」
「あ、連絡しないとぉ~!?」
どうやらひったくりさんが出たらしくて、全身黒ずくめの人が盗んだ誰かのカバンを持って逃走していました。
しかも、足が速いみたいだし、途中にいた子供が突き飛ばされていました。
「むぅっ、楽しい遊園地で悪いことなんて……許せないですっ!」
「え、ちょ、椎菜ちゃん?」
「ちょっと行ってきます!」
「え、危ないぞ!?」
上手く人を避けて逃げるひったくりさんにイラっとしたのと、途中で小さな子供にぶつかってそのまま走り去っていったのが、二人の子供がいる身としては許せなかったので追いかけ始めました。
「いや速!?」
「ん、さすが椎菜……!」
「椎菜ちゃんって本当スペックが桁外れですよねぇ~……しかも、愛菜さんからの教えもありますしぃ~……あのひったくり犯、すごくこう、お気の毒ですよねぇ~」
「「たしかに」」
走って追いかけて、みるみるうちにすぐ後ろに来た僕はひったくりさんの頭上を飛び越えて、前に飛び出しました。
「なっ、邪魔だっ!」
突然前に出て来た僕に向かって、ひったくりさんはびっくりしてその場に立ち止まりました。
と思ったら、どこかに隠し持っていたのか、折り畳み式のナイフを取り出しました。
え、ナイフ!?
思わず心の中で驚くけど、僕はなるべく冷静に……頭の中にはお姉ちゃんの教えを思い浮かべる。
『いい、椎菜ちゃん。日本は法治国家で、海外に比べて犯罪は少ない方かもしれないけど、何があるかわからないの。なので、仮にもし、刃物を持った人が出てきた場合の対処法を教えるね! 基本的には変に無理はしないこと、逃げることがメインではあるけど……そうじゃない場合。逃げられないとか、なんかイラっとしたとか、まあそんな場合だね。その場合は、動きはよく観察すること。あと、一度やった人は多分躊躇いはないと思うけど、初めての人はなんか躊躇いが前に来て、ナイフを持つ手が緩くなってるから速攻かけて蹴り上げるとかすればすっぽ抜けるよ』
……なんでそんなことを知ってるのかなぁ……。
周りに人は……うん、離れてる。
それなら、上に飛ばすんじゃなくて斜め下に飛ばす感じで……うん、とりあえず、けが人が出る前に何とかした方がいいよね。
「えーっと、そのカバン、ひったくったものですよね? ちゃんと持ち主に返さなきゃだめですよ」
「う、うるせぇ! これが見えねぇのか!」
「あと、子供を突き飛ばしてもいましたよね? 僕、それが特に嫌いなんです。謝る気はないですか?」
「あるわけねぇだろ! いいからどけ!」
まあ、うん、言葉で通じるわけないよね……。
「ど、どかねぇなら……無理やりにでも通ってやる!」
そう言いながら、ひったくりさんがナイフを前に突き出しながらこちらに向かって走ってきました。
振り回さずに突き出したなら、やりやすいはず……!
怖くはあるけど、楽しい場所でやることじゃないし、何より子供を突き飛ばしておきながら謝る気がないのが一番ムカつきます。
周りから悲鳴が上がったけど、僕はひったくりさんの動きを集中して見つめ、こちらに足が届く範囲に入った瞬間、
「ふっ!」
体を大きく捻って、回し蹴りを横向きにするんじゃなくて、上から下へするようにナイフを持った手を蹴って、ナイフを地面に弾きました。
「なぁっ!?」
「ナイフなんて危ないものを持ち込んじゃ……いけませんっ!」
ナイフを持っていた手が無防備になっていたところを掴んで、そのまま背負い投げ。
もちろん、怪我をしないように上手く調整して、ちょっと痛いくらいに抑えましたけど。
……仮に大怪我させちゃった場合は……こっそり霊術を使ってたけど、上手く加減ができました。
「がぁっ!?」
「こんなことしちゃだめですよ」
背負い投げだったので、仰向け状態からうつ伏せに持っていて、腕を抑えて暴れないように。
僕自身はちっちゃいけど、TS病でそれなりに力があるの多分大丈夫だけど……できれば、警備員の人が早く来てくれると助かります……!
「あ、こっちですこっち!」
「大丈夫ですか!」
「って、これどういう状況……?」
「ナイフを持ったひったくりが出たから来てみたら……なんか、コスプレした小さな女の子に取り押さえられてたんだけど……?」
なんて思っていたら、誰かが警備員さんを呼んで来てくれたようで、警備員さんたちが駆け寄ってきました。
「あ、えと、この人がひったくりさんなんですけど……」
「あ、はい。って、え、君が取り押さえちゃったの……?」
「危ないとは思ったんですけど……すみません、その、子供が突き飛ばされたのを見て、イラっとしちゃって……」
「そ、そうか。うん、でも、相手は刃物を持っていたんだから、無茶はしないように」
「すみません……」
「でも、お礼は言わせてくれ。ありがとう」
「い、いえいえ! あ、えと、変わってもらっていいですか……?」
「もちろんだとも!」
警備員さんに場所を変わって貰って、ひったくりさんは連れていかれました。
こっちに来た警備員さんは三人いたけど、その内の一人は盗られたカバンを持ち主の人に返しに行きました。
「はふぅ……」
「いやー、さすが椎菜ちゃんだけど……うん、さすがにナイフ相手は心配するぞ!?」
「ん、大丈夫だとは思ってたけど、さすがに怖い」
「そうですねぇ~。仮にもし、椎菜ちゃんの柔肌に傷一つでもつこうものなら、相手の人はぶっ転がしてましたよぉ~」
「あ、えと……ごめんなさい……つい……」
「まあ、無事ならいいぞ。でも、愛菜さんには知られないようにね……」
「ん、私たちが殺される」
「そうですねぇ~」
さ、さすがに殺されるなんてことはないと思うし、なんでそう思ったんだろう……?
『あの娘すげぇ……』
『っていうか、しれっと人のを飛び越えてなかった? って言うか、刃物持ち相手に冷静に弾き飛ばすのすごない……?』
『可愛いだけじゃないロリだったか……』
『っていうか、お姉さんっぽい人たち、全員レベルたっか!』
『かっこかわいいー!!』
『すごいぞー!』
『リアルメルティアちゃんやん!』
三人とお話? をしていたら、突然周囲から拍手と歓声が上がりました。
「って、あ、あれ? なんか、歓声と拍手が……」
「んまあ、そりゃあんなことしたらそうなるぞ」
「ん、椎菜は今注目の的」
「大目立ちしましたねぇ~~」
「ふぇ!? あ、そ、そっか!? って、あ、そう言えば目立っちゃったよね!?」
「なんかもう、リアルでも目立つのはさすがとしか言いようがないぞ」
「そもそも、ナイフ持ったひったくり犯に対して余裕で対処できてる時点でおかしい。もういっそ、警察官になった方がいいと思う」
「そう言えば、身長体重の制限が廃止されてましたねぇ~。本当にありではぁ~?」
「いやあの、少なくとも活動を辞める気はないので、多分警察官にはならないと思うよ……?」
公務員は副業禁止だしね……。
でも、なんだかすごい騒ぎになっちゃったなぁ……。
「おねえちゃんカッコよかったよ!」
どうしようなんて思っていたら、さっきひったくりさんに突き飛ばされた男の子がキラキラとした目を向けながら、僕に声をかけてきました。
「あ、君は大丈夫だった?」
「うんっ! ちょっぴりすりむいちゃったけど、へっちゃら! おねえちゃんがカッコよくて、いたいのなんてわすれちゃった!」
「そっか、それならよかった。って、あらら、膝から血が出ちゃってるね。んーと……あ、ちょっと待ってて」
僕はそう言ってから近くの自販機で水を買うと、それを持って男の子の所へ戻って手当をしました。
「んっしょ、と……うん、これでよし。大丈夫?」
「うんっ! ありがとう! おねえちゃん!」
「ふふっ、どういたしまして」
微笑みながらそう言うと、男の子は顔を赤くして、もう一度お礼を言ってから離れて行きました。
「あれ、絶対性癖歪んだぞ」
「ん、さすが初恋泥棒」
「将来有望な男の子ですねぇ~」
この後、カバンを盗られた人からすごくお礼を言われた上に、なぜかお金を渡そうとして来たけど、さすがに貰えないのでやんわりとお断りしました。
さすがにね……。
あと、なんていうか、その……なぜか撮影会みたいになりました。
気が付いたら、椎菜がひったくり班を捕まえていました。実は二度目。
あと、椎菜がコスプレしたキャラって、子供好き、優しい、ほんわかしてる、怒ると怖い、黒髪ロリ巨乳、しかもデザインしたのがどこぞのいなりママなので、実は椎菜はクッソ似てたりします。そりゃリアルメルティアとか言われます。
尚、SNSで有名になった。
っていうか、そろそろ配信の話書きたい……。
多分、次回で遊園地編は終わる……はず! いや終わらせる!




