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赤の森の探索2

 収納魔法の件で、中隊長のフレデリクに問い詰められたが、最後は実家に伝わる秘密で通した。私の過去を知っていたのだろうか? 意外とあっさり引き下がってくれた。だが?


「あの? 魔石はどうしますか?」


 私は魔物を解体した際に、うまく魔物の中から見つけた魔石の事を聞いた。魔石とは瘴気の塊で、魔物が産まれるのは、瘴気が濃くなると魔石となって形になり、その魔石から魔物が産まれる。一番有名なのは、この赤の森など魔物が巣食う森や山に、かつて魔王が設置したとされる巨大な大魔石が有名だ。魔石は瘴気を発し、更に魔石を作る事になる。魔物を倒す必要があるのは、この魔石を浄化する為だ。


「魔石だと?」


 中隊長のフレデリクさんは興味深く、聞いた。ヤバい! もしかしてこれも失われた知識?


私は注意深く話した。実家に伝わる秘密の伝承という形で、


「はい、私の実家の教育で得た知識なのですが、魔物の魔石は浄化するか、使って、瘴気を枯渇させるかどちらかにしないと危険です。ほおっておくと再び魔物が産まれます」


「何だと?」


「そうなんです。魔石は浄化しないといけないんです」


「そんなの当たり前だろう?」


「はうっ…」


こ、こいつムカつく、なら! 最初から喰いつくなよ! 心配して損した。


「はぁ、すいません。私、未だ冒険者になって間もないので、良くわからなくて、でも私、聖女ですから浄化できますよ? それとも魔石を魔道具として使います?」


「魔石を浄化するのは判るが、魔道具として使うとはどういうことだ? そんな話は聞いた事もない。教えてもらえるかな?」


フレデリクさんがにやりと笑う。コイツ、はめたな?


「はあ、魔石を剣や武器、あるいは武具やアクセサリーにはめ込んでおくと魔力が補充できます。魔力が弱い人でも魔法が使えたりします。何度か使うと枯渇しますが」


「他に知っている事は?」


あー、これ? 尋問じゃない?


「強力な魔物で、属性の強い魔物、例えばイフリートとか炎の属性の魔物の魔石には炎の魔素が多量に含まれます。だから、炎の魔法が簡単に使える様になります。剣に埋め込んだりすると、剣に炎の魔力が付与したりもできます」


「何だと、失われた魔法付与が可能になるのか?」


「はぁ、できます……」


余計な事しゃべらされた。誰も知らないんだったら、大儲けできたのに、ぐすん。


「では、魔石は騎士団で使う事にしよう。剣に埋め込んだりすればいいのか?」


「柄に埋め込むといいですよ」


「なるほど」


 あ~!!!!!!貴重な金になる情報をこんなにべらべらと私は一体何を!


一番嫌いな親切をこんなにたくさんしてしまったぁ!!!!!!


赤い森に入って2日目。最初に遭遇した魔物は、炎の龍、サラマンダーだった。


「おい! サラマンダーがこんな森の半ばにいるってのは、どういうことだ?」


 中隊長が驚いたように口を開く。不思議だ。既に森に入って2日目、サラマンダー位出ても不思議じゃない様な気がする。


「緊急配置につけ、陣形は防御陣!」


騎士達は防衛に適した輪形状の陣を描く。そして、


「クリスティーナ穣、それと冒険者諸君、俺達がサラマンダーは引き付ける。その間に逃げろ! そしてこの地でサラマンダーに第三中隊が接敵し、戦い……そして果てた事、団長に報告してくれ」


……薬中か? 言われた通り逃げよう。


「えっと、大げさすぎませんか?」


「クリスティーナ穣、俺達の事忘れないでくださいよ」


哨戒任務で一緒に話した、若い騎士だ。ヤバいなこの騎士団、薬が蔓延してるの?


「あの、でも……」


「クリス、中隊長や騎士団の皆さんの心に感謝しよう。俺達は騎士ではない」


「そうです。クリスさん、あの人達は、あの人達は、ぐすん……


「クリス、僕達にできる事はこの事を騎士団長に伝える事だけだ。残念ながら……」


 まさかのうちの団員まで薬中? な訳が無いか……なんで、こんな弱い魔物で大げさな?


「あの、サラマンダーって弱いですよ?」


「「「はぁ?」」」


「いや、クリス、君はお嬢様育ちだから知らないかもしれないけど、サラマンダーは龍の一種だ。とてもこの人数の騎士団では歯が立たないよ!」


「え? だってサラマンダーは魔法障壁の無い、龍の亜種に過ぎないから、魔法がガンガン効くわよ?」


「何それ? そんな話聞いた事ないよ?」


「本物の龍は魔法障壁を纏っている上、魔法も剣も通さない硬い鱗を持っているの! でも、サラマンダーにはないの! だから、魔法攻撃で押せば、怖い魔物じゃない!」


「それはクリスの実家の?」


「そうよ! どうするみんな?」


ごくり、皆、唾を飲み込む。


「私は行くわよ、戦いに! 見捨てる訳にはいかない。贖罪の為に!」


 私は自分の決意を示した。ここなら見ている人は少ない。多少虚数魔法を使って、髪が青く染まっても知られるのは少人数。それに助けられる命を見捨てる事は私にはできない。私は誓ったのだ。贖罪をすると! この首は落とされても仕方がないものだった。それが繋がっているなら、人を助ける為に生きたい。それが私の贖罪。もう、取返しがつかない罪への贖罪。


「クリスを置いて行くわけにはいかない!」


エドヴァルドさんが助けてくれる。


「私の魔法も役に立つかしら?」


「サラマンダーには氷の攻撃魔法も氷の魔法剣も効くわよ!」


「わかりました!」


「じゃ、僕はこの辺で失礼を、あ!? ちょっと!? 何故引っ張るの?」


この空気で逃げるか?


「「(......このクズが!)」」


アンと心の中でアルを罵る声がハモった!


「アンとアルは攻撃魔法で騎士団を援護して! エドヴァルドさんは二人をバックアップ。私は空から魔法攻撃するわ!」


「「わかった!!」」


「……」


アルだけ無言だった。このクズ野郎……


「飛翔レイブン」


背に三葉の羽を顕現させて空に駆け上がる。そして、


「フリーズ・ブリッド*5!」


「な! 何!?」


「フリーズ・ブリッド!」


「ちょっ、待っ……離して! クリス! アン! 何トチ狂っているの!? ちょっ、本当に……やめろぉっ!!」


 私とアンが氷の攻撃魔法で騎士団を支援しだすと、アルがいつものやつを発症した模様……


 とにかくサラマンダーを倒さなければ! この魔物は炎の属性で、怖いのはブレスだ。高温の火のブレスは人だと一瞬で丸焦げだ。攻撃だけではなく、騎士団への防御も考えないとまずい。ブレスを吐きそうになったら、防御魔法を付与しないと。


ブレスを吐く時、サラマンダーの目が赤く光り、その光が一番輝いた後、消える。その時がブレスを吐くタイミングだ。その時に逃げるか防御魔法で防げばいい。


 そして、反撃方法だが、私の魔法攻撃だけで押すのも危険だ。彼らの命が最優先だ。先ずは彼らの剣に氷の魔法を付与しないと、全員には無理だ。中隊長と小隊長そしてエドヴァルドさんの計6名だけいいだろう。それで自身の命は自分で守れる筈。


「アン、しばらく、サラマンダーを牽制して!」


「わかりました。クリスさん!」


「フリーズ・ブリッド*2!」


 アンはなんと同時2発攻撃魔法を打てる様になった様だ。練習ではあまりうまくいってなかったのに、実戦に強いタイプは心強い。


「ひっ、ひぃ……っ、く、くるなぁ……こないでっ! やめ、やめでくるなぁ、やだ、やめ――――あぁぁあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!」 


アルは安定志向らしい……。


「空と大地を渡りしものよ 優しき流れたゆとう水よ 我が手に集いて力となれ! フリーズ・ブリッド!*6」


 同時に6人に剣に魔法を付与する。これで、安心、その油断が命取り、わかってはいても何時だって、そんな瞬間がやってくる。


「クリスさん! 危ない!!」


アンの大声で気がついた時には、私の目の前に二匹目のサラマンダーの顎が迫って来ていた。


「!?」

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『連載版こうかい』~幼馴染に振られた上、サッカー部を追放されたら、他の幼馴染がドン引きする位グイグイ来た。えっ? 僕がいなくなって困ったから戻って来てくれって? 今更そんなのしりません~
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