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はじめに  作者: 師走
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君。私がまたこのように手紙を書こうとしたのは別段頼みごとがあったわけではないのだ。君と約束して書こうとしている作品の進捗だって、遅遅渋渋といったところである。

しかしね、君、聞いておくれよ。私は今、ある人の本を読んでいるのだ。

私という人間はこれでいて柔軟らしくてね、読んでいる物の文体なんかが自分の作品に愚直にもすぐ露われるようなのだから、全く参ってしまうよ。

時折、私の書いた全ての作品についてオリジナリティというのが欠けている気がするのだ。つまり駄作だ。所詮、他人に媚びて拝借した筆であるということさ。

ところで、このところまた寒くなったようじゃないか。ジャンパアをしっかり着付けて、団子みたいな装いで歩かなければならないのだから、これも汚らしくっていけない。顔を上げられないほど無粋なようだが、どうにも仕方ないのだよ。

さあ、そろそろ読書に戻ろうと思うのだが、最後に自分の下手な俳句でも書いて終わりにしようじゃないか。

水鳥や まだ翔びぬ間に 炭の落つ

駄目だね、これは。


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