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はじめに  作者: 師走
73/629

73

けたたましい

アラーム音とともに

彼の1日は

ゆっくりと始まる

朝食はさほど重要性を帯びておらず

むしろ

その度に

食事の椅子に座ることこそが

彼の意識内で

鮮明な光となって

うごめいている

ちょっと散歩でもしてやろうか

と思って

頬杖をつく

時たまあることなのだ

しかし

それを実行に移すことはむつかしい

よし、決めた

彼は手を打ち鳴らし

本を読むことを決意する

棚から一冊抜き取り

ペラペラめくって

やがてまた閉じ

ううん、これは違う

と唸って見せる

そういう時は大抵

道路が結露して

空気だってゆらゆら霞んでいるはずなのだが

確かめられたこともない

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