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秘密の部屋

 イヴは、急いで『秘密の部屋の入り方』を開く。


『秘密に部屋へ入るには・・・・・・どこかの本棚の裏の文字を読んでごらん。」


「本棚の裏だね。分かった!」

 横から覗いていたメアリーが、走り出し、本棚の裏を探し始める。イヴも一緒に、本棚の裏を探す。

「あ、これじゃない?」

 メアリーがイヴを呼ぶ。イヴがその本棚の裏を見ると、小さく文字が書かれていた。


『次は大きな本棚の後ろの隙間をのぞいてごらん』


「大きな本棚って、あれかなあ。」

 メアリーが部屋の壁際にある本棚を指差す。確かに、他の本棚三つ分程の大きさがある。イヴはその本棚に近づき、その後ろを除く。すると、小さな紙切れが落ちていた。イヴはそれを拾う。


『今度は キャンバスをよく見てごらん』


「キャンバス?入口にあるあれ?」

 メアリーがキャンバスに近づく。確か、そのキャンバスは真っ白だったはず。そう思いながら、イヴも近づく。

 すると、真っ白だったキャンバスに、文字が書かれていた。


『目をつむって 3秒数えてごらん。これで準備は 整うはず』


「よし。3秒だね!」

 メアリーとイヴは迷わなかった。二人同時に、目を閉じる。

「いち、に、さん!」

 メアリーは、数え終わると同時に目を開ける。辺りを見渡すが、特に何も変わっていないようだった。ギャリーは相変わらず、壁を背にして眠っている。

「何も変わってないよ・・・・・・イヴ?」

 メアリーは駆け出し、本棚の陰を覗いて回る。しかし、そこにイヴの姿はなかった。

「イヴ!どこいったの!?」

 メアリーは何度も叫ぶが、その声はただ部屋に響くだけだった。



 イヴが目を開けると、そこは先程とは違う四角い部屋の中だった。部屋の中は薄暗く、正面には額縁の中の絵が右から左に流れているのが見えた。絵の前には、何やら数字を入れるパネルと文字を入れるパネルがあった。

(ここが、秘密の部屋?ギャリーとメアリーは?)

 イヴは辺りを見渡すが、そこに二人の姿はない。どうやら、自分だけ秘密の部屋に入れたらしい。イヴは、目の前の不思議な絵の下のタイトルを見る。


『―匹のカラスと2―の―』


 それは、数字と文字が消えていた。どうやら、ここに入る数字と文字を目の前のパネルに打ち込めばいいらしい。

(この絵の題名・・・・・・だよね)

 イヴは、じっと流れる絵を見つめる。カラス、ヘビ、サカナ、そして、花がいくつも流れてきた。

 しばらく見つめていると、どうやらある長さの絵が繰り返し流れているらしいことが分かった。イヴは、カラスの数を数え、2つある生き物を探し、パネルに入力した。


『4匹のカラスと2匹のサカナ』


 すると、流れていた絵が止まった。止まると同時に、絵の中から絵画のピースが出てきた。イヴが触れると、そのピースは音を鳴らして消えた。

 イヴは、しばらく立ち尽くしていたが、慌てて目を閉じ、3秒数える。ゆっくりと目を開けるが、イヴは秘密の部屋にいるままだった。もう一度目を閉じ、3秒数えるが、やはりイヴは、同じ部屋にいる。

(どうやったら、出られるの?)

 イヴは、ギャリーを助けたいあまり、秘密の部屋に来たのだが、そのあとどうするかまで考えていなかった。イヴは、咄嗟に部屋の壁を調べ始める。けれども、そこには何もなかった。

(そんな・・・・・・)

 イヴは、その場に座り込みそうになる。もう、この部屋から出られない。そんな恐ろしい考えが浮かび、絶望に押しつぶされそうになる。

 すると、突然、イヴの全身から力が抜けた。イヴは、膝をつき、そのまま倒れこむ。

(あれ、なんだか、眠い・・・・・・)

 イヴは、必死に目を開けようとした。けれども、瞼は自然と落ちてきて、そのまま目の前が真っ暗になった。真っ暗になり、イヴは意識を手放した。

 部屋の真ん中で少女が眠りにつくと、どこからか声が響いてくる。


―ゆっくりお休み―


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