6人目の住民
僕、天野奏が夕飯を食べるため台所に向かう途中フランさんと出会った。
「フランさん、こんばんは。フランさんも夕飯を食べにきたのですか?」
「ま…まぁそんなところ」フランさんが小さな声で頷く。
「ところでフランさん後ろの人は誰ですか?」
僕はフランさんの後ろの人物を指差す。
その人物は、身長が高く、筋肉で締まった体をしていた。髪は金髪と黒が混じった派手な色をしており、
髪と同じ金色の目は鋭かった。
服は白いTシャツにジーパンだった。
「あぁ、こいつかい?こいつはここの住民さ。」
あいさつしなとフランさんがその人物をつつく。
「はじめまして、僕は少し前からここに住んでいる
天野奏です。よろしくお願いします。」
「はじめまして、オレは虎原 零だ。よろしくな」
僕は零さんと握手をした。
僕は朝であったブランさんの言葉を思い出す
この人が零さん…唸り声を上げていた人…
虎原…虎原…黒混じりの金髪…虎…とら…トラ…
「ところで、零さんは人間ですか?」
フランさんがため息をつく。
「オレは…人間だ。」
零さんは少し間を置いて人間と答えた。
「確かにアタシら変わり者集まりやすいって言ったけどねぇ、いきなり初対面の奴に人間ですか?とか聞くんじゃないよ」
「た、確かにそうですね…ごめんなさい零さん」
「いや…別に気にしてねぇ、この見た目と苗字だしなよく言われる」零さんが自分の髪を弄りながら言った。もう慣れたと零さんは苦笑い。
僕は申し訳ない気持ちで下を向いた。
僕も人間だ。ここ何日かで奇妙な住民たちに会って、
彼も人間ではないと疑ってしまった。
だからといって初めて会った他人に人間かどうか聞いたのは失礼だったなと僕は少し後悔をした。
二人が台所へと入っていく 僕はそれに続く形で
台所へと入っていった。
零さんは台所に入るなり、桜木さんに向かって頭を下げた
「桜木さん!ほんっとうに今日はご迷惑おかけいたしました!!」
「おはよう零くん。俺は迷惑だなんて思ってないさ。ただ酸漿くんは君のこと心配していたよ
連絡はしたかい?」
「連絡しました。オレの身体の心配をしてました。」
「そっかぁ…なら、明日元気な姿を見せればいいさ
よし、話はこれで終わり夕ご飯にしよっか。」
桜木さんが手を合わせる。
台所にあるテーブルの上には麻婆豆腐とご飯が置いてあった。3人分。
「アタシの分はないのかい?」フランさんが不服そうに口を開く。
「ごめんね多めには作っていたけど、まさかフランちゃんがくるとは思わなくて…今フランちゃんの分も分けるからまってて」
「あっそ!!」 フランさんも奥から椅子を持ち出して座った。
「それじゃあ、食べようか」
『いただきます』僕らは手を合わせた。
「それにしてもこんなに賑やかなのは久しぶりだなぁ」
「そりゃそうね、大体バラバラに食っていたしね」
「言われてみれば、昨日も大家さん、僕、桜木さん
の三人でしたからね」ご飯を一口食べ、飲み込み口を開いた。
大家さんの姿はそこにはなかった。
時間帯からしてもうご飯を先に食べてしまったのだろう。
つまり、桜木さんは僕らが来るまでまっていたのかもしれない。
「もう、フランちゃんはさぁ!すぐ部屋に戻るんだから」
「アタシは基本的に部屋にいたいんだよ」
「それでも今日は部屋の外から出てきたじゃないか」
桜木さんはお面をずらして麻婆豆腐を口に含む。
「あぁ、それは零が心配だったからよ。一応ね」
「オレェ!?」零さんがご飯を食べる手を止める。
「オレェ!?じゃないよ!いくら治癒力が高くてもねぇ!怪我して丸一日眠っていたのよ!心配しない方がおかしいでしょ」フランさんがダンっとレンゲを持ったまま机に手をつき立ち上がる。
僕は麻婆豆腐を口に含んだ。
辛さとごま油の香りと豆腐の暖かさが口の中を通り過ぎていく。
「フランちゃん、どうどう…」
「そりゃ…そうか…一日中寝ていたもんな」
零さんが下を向く
「それに、ブランにも心配かけさせるんじゃないよ」
「またブランにも迷惑かけちまったのか…」
「アタシにもね、後でシャツとジーパン綺麗にして返してよね」
「おう、分かった。」
フンっとフランさんは鼻を鳴らした。
またフランさんが座り、ご飯を食べ始める。
僕は黙々とご飯を食べながら少ししょんぼりしながらご飯を食べる零さんとフランさんを交互に見た。
細身で身長はやや高めだけど女性のフランさん。
大柄で筋肉質な零さん。
身長も20センチくらいは離れていそうな二人。
零さんが今着ている服は彼の体にぴったりとフィットしている。
フランさんが着たらぶかぶかになりそうな気がする。
僕はそんなことを考えながら麻婆豆腐を口に入れた。
ご飯を食べ終わり、ごちそうさまと手を合わせ、食器を洗い、拭いて棚に戻し、僕は部屋へと戻っていった。
部屋に戻る途中大家さんとすれ違った
「こんばんは、大家さん」
「あぁ、奏やっと目を覚ましたか。桜木の様子を見にきた時お前が横で眠っていたから、寝かせておいたんだ」
「ご心配おかけいたしました。」
僕は礼をし立ち去ろうとしたけど大家さんに呼び止められる。
「奏、桜木の顔を見るような真似は二度とするな。
今回は気絶程度で済んだが、次はどうなるか己もアイツにも分からない。最悪命にも関わるかもしれない。己もアイツもそういった事態は望んでいない。あとオレのことは大家ではなく、巴呼びで構わない。」
「はい…わかりましたお…巴さん、以後気をつけます。」
「ああ、そうしてくれ」そう言って大家さ…巴さんは立ち去っていった。
僕もそのまま歩き、部屋へと戻りゲームをし、途中巴さんたちからお風呂へと呼ばれ、お風呂に入り、また
ゲームで遊びそのあと眠くはなかったけど無理やり眠りについた。
スマホの日付は4月へと変わろうとしていた。
入学式はもうすぐだ。




