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見方の変化

「きつい言い方だったかな」

僕は少し気弱になる。


「でも、あの考えだと、若くしてあれだよ……」

トマトちゃんは言葉を濁す。


「まぁいいじゃん。ポテチ食べよ」

カエデちゃんは、ポテチに手を伸ばす。

ポテチの袋を縦に割き、ティッシュの上に出す。


「ちょっと待って、お箸取ってくる」

僕は部屋を出る。


三人分のお箸を手に、僕は部屋に戻る。


二人にお箸を渡し、ポテチを食べようとした瞬間、


(ぴろん)

スマホの通知音が鳴った。


僕はスマホを見る。

父さんからだった。


「急な出張で北京まで行くことになった。家には帰らず、一週間ほど留守にする。連絡もあまり取れないと思うが、なにか用とか、言っておきたいことはないか?」


北京に出張か……。


「父さんが急に北京に出張だって。一週間ほど留守にするから、言っておきたいことはないか?だってさ」

僕はスマホを見せる。


「北京ダックの中身は捨てるのかどうか調べてほしい」

カエデちゃんは言った。


トマトちゃんも頷く。

「食べないなら、アヒルさん不憫だもんね」


「わかった」

僕はメッセージを送る。


「了解」

短い返信が返ってきた。


気が付くと、ポテチは半分ほどになっていた。


「うわ。ポテチ半分くらいになってる」

僕は驚く。


「私はもういいから、あとはジュン食べて」

トマトちゃんは言った。


「私ももういいわ」

カエデちゃんも言った。


僕は残りのポテチをお箸でつまむ。


「しかし、カエデちゃんのポテチをお箸で食べる作戦、いいよね」

と僕は褒める。


「でしょう。これね。私のお婆ちゃんがしてたの見て、真似したの」

カエデちゃんは言った。


「お婆ちゃんってポテチ好きなんだ」

とトマトちゃん。


「うんうん、違うの。おかきをお箸で食べてたの」

カエデちゃんは麦茶を飲む。


「おかきをお箸で食べるのって斬新だね」

僕が言うと、


「私も同じこと言ったわ。

でもね。

”おかきは米だろ。米を揚げて、塩をふったもんだ。いわば天ぷらや白ご飯のようなもの。お箸で食べるのは普通だよ”

と言われた」


トマトちゃんと私は時間が止まったかのように、一瞬停止した。


「たしかに……、そうよね。あれ私なんで今までおかきを手で食べてたんだろう」

トマトちゃんは言った。


(ぴろん)

スマホの通知音が鳴った。


僕はスマホを見る。

メアリーちゃんからだった。


「急に己がやっていたことが恥ずかしくなりました。

たしかに民が一番、その民を守るには一時的に恥をかいたとしても、

逃げる。

それは最善策だと思います。」


僕はメッセージを見せる。


「すごいな。真面目ちゃんだね」

カエデちゃんは言った。


「足腰の鍛え方はどうするの?」

トマトちゃんは尋ねる。


「スクワットにしようかと」


カエデちゃんは頷いている。


「でもあれ角度が難しいんだよね」

トマトちゃんは考え込んでいる。


「写真送ってたよね」

カエデちゃん。


僕は頷く。

「そうだね。写真を送ろう」


それから、僕はトマトちゃんにスクワットをしている写真を何枚か撮ってもらい、写真と説明をメアリーちゃんに送信した。


返信が届く。


「絵が届きました。

説明も分かりやすかったです。

さっそく試してみましたが、お尻に力が入ります。

それと少し恥ずかしい体勢ですね」


「それは良かった。

お尻に力が入るのは、正しいやり方です。

恥ずかしい体勢なのは、僕も思います。」

メッセージを作成し、二人に見せ、頷いたので、

送信した。


「ありがとうございます。

他にも相談したい件がいくつかあるのですが、

しばらくこの鍛錬をしてから、またご相談してもよろしいですか?」

と返信が来た。


僕は二人にメッセージを見せ、


「わかりました。いつでもご相談ください」

とメッセージを返した。


それから三週間ほど、何も連絡が来ず、

僕たちはまた日常に戻る。


そして中間テスト時期。

僕たち三人は、僕の部屋で一緒にテスト勉強をしていた。


「しかし、数学って本当にメンドクサイよね」

カエデちゃんはふてくされている。


「私も数学は苦手。別に数学なんていらないんじゃない?」

トマトちゃんもくたばっている。


「数学って、一度躓くと、そこから成績下がるんだよね」

僕は昔のことを思い出していた。


(ぴろん)

スマホの通知音が鳴った。


僕はスマホを見る。

メアリーちゃんからだった。


「先日はありがとうございました。お陰様で体力がついたのか、練習についていけるようになりました。お尻も前腕も力を入れると固くなって、うれしいです」


僕はメッセージを二人に見せる。

二人とも嬉しそうにしている。


「よかったですね。あとは継続するだけです」

とメッセージを作り、二人に見せ、送信した。


僕は少し考える。

剣道の時は鍛えていたけど、今はどうだ……。

まったく鍛えてない。

部活をやっていた頃は、体育の成績も良かったけど、

今は……。


「僕もまた鍛えてみようかな」

そう呟いた。


「私も竹刀あるし、素振りでもしてみようかな。

どこかで陰謀に巻き込まれるかもしれないし」

とカエデちゃん。


「それなら私も急に異世界転生するかもしれないから、ちょっとは鍛えておこうかな」

とトマトちゃん。


また通知が鳴る。

メアリーちゃんだ。


「今回は算術の件でご相談がありまして」


二人とも身を乗り出す。

そして算術と聞いて、

途端に意気消沈しだした。


「いやぁ算術はムリでしょ。わたしゃ自信がないよ」

とカエデちゃん。


「私もですよ。カエデちゃん」

とトマトちゃん。


僕はお爺ちゃんとの会話を思い出す。

……


「そうじゃ、そうじゃ。そういうことだ。算数は何が苦手だ?足し算か引き算か?」

爺ちゃんは縁側に腰をかける僕を覗き込む。


「やめてよ。足し算とか引き算はできるよ。苦手なのは分数だよ」


「じゃあ、分数は全部苦手か?」

爺ちゃんは聞く。


僕は考える。

分数は苦手だけど、分数の足し算、引き算は苦手じゃないかも。


「分数の足し算、引き算は苦手じゃない」

僕は答える。


「じゃあ、分数の掛け算、割り算は?」

爺ちゃんは尋ねる。


「掛け算はできるかな?割り算は頭がこんがらがる」

僕は言った。


「ジュン。お前はすごいな。苦手なのは、分数の割り算だけだなんて」

爺ちゃんは目を丸くした。


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