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ファルクエン戦記  作者: 結城 からく


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第33話 煙の男

 俺は手で鼻と口を塞ごうとするも間に合わなかった。

 煙が体内に侵入した途端、息苦しさと体内を焼き焦がす高熱を感じる。

 凄まじい苦痛に俺は思わず倒れた。


「うっ!? ああ、ガ……ッ!」


 視界の端で、屈強なファルクエン兵が次々と倒れて死んでいく。

 さっきまで連戦連勝で絶好調だったのに、あっという間に全滅の危機に陥ってしまった。


(これが王の祝福! 強すぎるだろ……っ!?)


 俺は涙を流し、血を吐きながら起き上がる。

 再生の祝福が効いているおかげで楽になってきた。

 意識を集中するほど回復速度が高まっていく。

 それでもふらつく俺を支えてくれたのはグイルだった。


「大丈夫、か」


「はい、ありがとうございます。グイルさんは……」


「俺も、平気だ。一応な」


 グイルがせき込む。

 口から煙が出ているが見るからに症状が軽い。

 彼は言葉を区切りりながらゆっくりと話す。


「俺は、肉体を祝福で動かして、いる。死体同然だから、影響が少ない、わけだ」


「なるほど……」


「お前も、再生の祝福、で、耐えられる、ようだな」


「そうですね。最初は驚きましたが、もう慣れてきました。戦えます」


 砦の外で破壊音が聞こえた。

 見れば上空でキサラとメズィの煙が戦っている。

 包囲するように迫る煙に対し、キサラは翼で突風を起こしていた。

 それによって煙を搔き乱して体内に入らないようにしているようだ。


 戦いを見守るグイルは厳しい表情で述べる。


「キサラは、よく、戦っているが、いずれ負け、る。メズィを倒す、手段がない、からだ。あの男は、無敵に近い」


「そんな奴をどうやって倒すんですか!?」


「本来の計画、では、バヌゥカの雷撃で、包囲し、範囲を狭めて、封殺する予定、だった。メズィの煙化は、消耗が、激しい。いずれ、感電死させられる、という寸法だ」


「でもバヌゥカは死にました。他の手段を考えないと……」


 言いかけた俺は閃く。

 同じことを考えていたらしく、グイルが俺の肩に手を置いて命じた。


「アルフ、お前が、やれ。バヌゥカの祝福、を奪うんだ」


「わかりました!」


 駆け出した俺はバヌゥカの死体に触れる。

 強大な力が流れ込む感覚と共に、全身から雷光が迸った。

 俺は竜翼を使って外へ飛び出すと、力いっぱいの声で叫ぶ。


「アーデの王メズィ! 俺は鈍色の獅子の傭兵アルフ! 正々堂々勝負しろッ!」


 キサラの周囲を漂う煙がぴたりと止まる。

 煙の一部が実体化し、メズィの顔が嬉しそうに笑っていた。


「……ほう、面白れえ。先に遊んでやるよ」


 全身が煙となったメズィが襲いかかってきた。

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