おまけ話 ルミナス☆ミ センター桜宮紫優の憂鬱③〜楓川優青との衝突〜
❥❥❥❥❥❥❥❥❥❥❥❥❥❥❥❥❥❥❥❥❥❥❥❥❥
勝入裕次郎(楓川優青→ポメ太に変換中)「まだ分かんねーのかよ! 俺は、お前の事っ……わあぁっ!!」
ツルッ、ベシャァッ!!
夢野舞子(桜宮紫優)「っ…!??????」
✂✂✂✂✂✂✂✂✂✂✂✂✂✂✂✂✂✂
「カットカットォ! 派手にコケたけど、優真くん大丈夫? 膝擦りむいてない??」
「だ、大丈夫です。すいません……||||||||」
それから、優真は何度も何度もNGを出し、キスシーンだけ後日撮り直しという事になってしまった。
前回の撮影では、NGを出しまくった私は、こてんこてんに叱られたけれど、監督は人気急上昇中の「双翼」の楓川優青を叱る事はなかった。
「ま、まぁまぁ、楓川くん切り替えてこ〜! 相手役の桜宮さんは演技初心者だし、引っ張られて調子狂っちゃう事もあるよね〜」
「なっ……!」
今日は失敗していないのに、私のせいにされて、怒りに拳が震えた。
「い、いや、違います。悪いのは、俺で……。紫優、ごめっ……」
「お疲れ様でした。楓川さん。失礼します……」
流石に、申し訳なさそうな顔で謝って来る優青に事務的に頭を下げて、私は佐々木さんの元へ戻った。
✽
演技は慣れている筈なのに、優青の奴、なんなの?!
毎日演技の練習して頑張ってたのに、こんなのひどいよ……!
事務所へ向かう車の中で怒りや悔しさで涙が溢れてくる私に、佐々木さんは「紫優さんのせいじゃないから気にしなくていいです」とか「この業界頑張っていても、上手く行かない事もあります。それでも、前を向いて行きましょう?」とか月並みだけれど、寄り添う言葉をかけてくれた。
それで、事務所に着く頃には、落ち込みつつも、少し気持ちが落ち着きかけていたところだったのに……。
「紫優。話があるんだ……」
「!!」
事務所の前に、今一番会いたくない奴・楓川優青がバツの悪そうな顔で立っていて、私の怒りは再び頂点に達した。
「優青、一体あんた、どういうつもりよ! よくも私の前にまた顔を出せたものねっ!!」
「うわっ……!」
「紫優さん、ストップ! ちょっと落ち着いて下さ〜い!!」
優真に掴みかかる私を佐々木さんは後ろから必死に止めて来た。
「そりゃ、あんたとキスシーンなんて、私も嫌だったけど、初めてのドラマ出演、成功させようって思って……。脚本何度も練習して、もはや、優青がポメ太に変換されるぐらい頑張ったのにぃっ……!」
「ポ……ポメ太? え? 何?」
目をパチクリさせている優真に、更に詰め寄った。
「人気や演技の事でマウント取って来たクセに、あんなふざけたNGばっかり出してっ……! 前回私がNG出した仕返しとでもいうの? もっと真面目にやってよね!! これなら、まだ下手だってからかわれる方がまだマシだったわ!」
「い、いや、ホントに悪かった、紫優……。別に仕返しとか、わざととちったとかそういう事じゃないんだ。ただ、相手が紫優だと思うとどうしても上手く出来なくてっ……」
「……!! 相手が私だからダメだったの? 私に女の子としての魅力がないからっ……??」
優青のしどろもどろの言い訳は、逆に私を深く傷付けた。
涙がツウッと頬を伝う。
「私が相手役だっていうのは分かってた仕事でしょう? 出来ないなら、引き受けなきゃよかったじゃないっっ!!」
私は優青にそう叫んで、事務所のドアへ駆け込んだ。
「ち、違うって……! 紫優!!」
ドアの外でまだ奴の声が響いていたけれど、もう何も聞きたくなかった。
「すみません。楓川さん。これ以上はトラブルになってしまいますので、何かありましたら、また日を改めましょう。失礼します」
佐々木さんが宥めるように奴に声をかけて、すぐに事務所の中へ入って来て、私の肩を抱いてくれたので、気が緩んでその後は大泣きしてしまった。
*あとがき*
読んで頂きまして、ブックマークや、リアクション、ご評価下さって本当にありがとうございますm(_ _)m
不穏な状況ですが、次回は楓川優青視点になります。今後ともどうかよろしくお願いします。




