↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
「池内先生と謎の少女」(セーラー服と雪女 第ニ部 新世紀編⑦)  作者: サナダムシオ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
8/25

⑧ 村田京子

 その後、辻本は、酒に酔っていたか、シンナー遊びでもしていたか……という先生方の判断により、警察には引き渡さず、迎えに来た保護者に返されたようだった。


 不名誉な事だが、こういう事は、我が校とその周辺の地域には、よく有るのである。先生方も保護者も、どこか慣れっこになって居たのかも知れない。


 その後ナニ食わぬ顔で、二人は、午後の授業を受け、やがて下校時刻になった。しかしながら、ついさっきあんな事が有ったので、ジャンヌは、保護者が迎えに来る事になった。


「池内先生」

 職員室に戻りかけた池内を、ジャンヌが廊下で呼び止めた。


「何だい?真田さん」

 池内は何となく、彼女の事を、呼び捨てに出来ない。ナニか他の生徒と違う、違和感のようなモノを、彼女から本能的に感じるのだ。それは彼自身が、剣道の有段者である事と、無関係ではあるまい。


「下校する時に、ついでに、こちらのケンジロー君に、地域の案内をして頂きたいのですが……ウチのクルマに乗っていただいても、よろしいでしょうか?」

 彼女は、直ぐ近くに居た清水を指差して、そう言った。


「あ、ああ、清水さえ都合が良ければ、構わないぞ。清水、どうだ?」

「……ええ、もちろん、僕で良ければ喜んで。」

 清水は即答した。


 今日はまだ、部活動開始の日ではなかった筈だ。

 確か、最初のミーティングは明日だ。

 それに、目の前の顧問が、許可しているのだ。

 間違えようがない。


 そんな訳で、彼は下駄箱で靴を履き替えると、ジャンヌの後について、駐車場に向かった。そこには既に、村田京子と言う名の、彼女の保護者が待っていた。


「貴方が清水君ね?こんにちは。私が村田京子よ」

 黄色いワンピースを着た、彼女の方から挨拶された。


 ボブカットの髪型。切れ長の瞳から感じる、鋭い眼光。またジャンヌとは別の、修羅場をくぐり抜けて来た、猛者感が有る。


 今日の事情については、既にジャンヌから、この京子さんに、連絡済みらしい。


 成る程。見た目は、30歳前後の女性だ。母親にしては、若すぎる。だから、保護者と言う設定なのだろう。清水は一人で納得した。


「こんにちは、清水健次郎と申します。本日は、どうぞよろしくお願い致します」


 緊張の余り、挨拶が固くなる清水。無理も無い。彼の勘が囁くのだ。気をつけろ。目の前の二人ともが、自分より格上の戦士であると。


「あらあら、貴方、それじゃあ、まるで、お見合いの挨拶みたいよ?もっとリラックスして」

 京子は笑顔で、彼にそう言ったのである。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。