↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
「池内先生と謎の少女」(セーラー服と雪女 第ニ部 新世紀編⑦)  作者: サナダムシオ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
4/24

④ 田辺について

 同じ理由で、池内自身が、この転入生徒の案内をする事も、はばかられる。田辺から、要らぬ勘ぐりを受けそうだからだ。所謂、ヤキモチである。


「"生まれ変わったら結婚しよう"なんて言ったクセに!」とか言いかねない。それでは、今日まで頑張って、穏やかに暮らして来た事が、水の泡になってしまう。


 田辺は、クラスの女子を牛耳っているから、始末に悪い。彼女の機嫌を損ねた日には、女子全員を敵に回しかねない。そうなったら、厄介だ。学級経営に支障を来たす。

 慎重に対応して行かなくては。池内はそう考えている。


 女子たちは、暴力的な男子のヤンキーたちより、遥かに手強いのだ。

 男子はイイ。すぐに腕力に訴えるヤカラばかりだが、性根は真っすぐだ。

 様々な約束をする事は困難だが、或る程度こちらが譲歩して、一度させた約束は、ちゃんと守れるイイ奴らなのだ。


 それに男子たちには、卒業したら、手に職を付けたいとか、進学したいとか、そう言った具体的な目標を持つ者が、意外と多いのだ。目標に向かって進む者は、何事に対しても前向きだ。二年生までに比べて、ルールも守れるようになって来た。だから関わるのもラクだった。


 まあでも、あと10年もすれば、こんな苦労もしなくて済むようになるだろう。

 ヤンキー少女に有り勝ちな、一過性の年上男性への憧れ。

 今はまだ若いオレも、歳をとってしまえば、見向きもされなくなるだろう。

 もう少しの辛抱だ。池内はそう思う事にした。


 一方、委員長候補にされている清水は、昼食後の休憩時間になると、早速律儀に、ジャンヌを連れて、校内の案内に出かけた。


 だが、男女の組み合わせだからと言って、ソレを見て冷やかすような者は、校内には一人も居ない。何故なら誰もが、清水の事を、人徳者だと認めているからだ。


 因みに、清水の見た目は、所謂"真面目くん"だ。

 身長は170cm程度。体型は細マッチョ。髪は短く7:3分け。銀縁眼鏡をかけて、如何にも堅い印象だ。


 それで居て人当たりは良い。男女の分け隔てなく、誰とでも気さくに、話をする事が出来る。例えヤンキー生徒相手でも、それは変わりがない。だから色々な派閥の生徒間での、橋渡し役もお手の物だ。


 それ故、池内も、ついつい頼ってしまうのだった。


「……これで一通り、校舎の特別教室は案内し終わったけど、後、他には知りたい事は無いかな?真田さん」

 優しいテノールの声で、ジャンヌに尋ねる清水。


「ジャンヌでよろしくてよ。清水君」

「えっ……じゃ、じゃあ、僕も健次郎で」

「ケンジロー……イイ響きの名前ね」


「……あ、ありがとう」

 人たらしの清水も、金髪碧眼の美人の前では、ドギマギしてしまうようだった。


挿絵(By みてみん)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。