㉒ ギフテッド
「そうか……そう言えば貴女、イエス様から、何か貰ったって言ってたわね?」
京子が思い出した。
「……はい。教祖様からは、悪魔を見分けるチカラだと説明されましたが、どうやらこのチカラは、四次元人全体に対して有効のようなのです。」
「つまり、悪魔、天使、一般的なゲスト、全てに有効なのね?」
雪子が確認する。
「そう……なんですね?」
思わず清水が呟いた。
「今の説明のように、アナタたちの事は、勝手に天使と呼ばせて貰っているのよ」
京子が言った。
「三次元のニンゲンに、味方する四次元人を、総称しているの」
雪子が付け加えた。
「僕たちとしては、出来る限り、三次元に迷惑な介入をするヤカラを、排除したいと考えています。ソレが僕ら四次元人の、責任だと思うのです」
「そうなのね?それは助かるわ」
と返事をしたものの、雪子たちは、実際にその種の四次元人に会うのは初めてだった。だからむしろ、半信半疑なのだが……ジャンヌは違うようだった。
「私、イエス様から直接ギフトを頂く前から、天使と悪魔を感じる事が出来ていた気がします。ですから、この方……ケンジローがウソをついていない事は、解ります」と彼女は言う。
「そう。聖女であるジャンヌが言うなら、信用できそうね?ごめんなさいね。長い間こんな活動していると、ちょくちょく思わぬ裏切りにあったりするから、すっかり疑い深くなっているの……特に私と、この雪子はね」
京子は清水にそう言って、頭を下げた。
「いえいえ、無理もない事です。それもこれも、三次元の世界で、勝手な振る舞いを続ける、あいつらが悪いのですから……」と清水も恐縮する。
「さて、任務も完了した事だし、ボチボチ帰りますか?」と雪子。
「そうね。それこそ、この時空にこれ以上居たら、私たちのせいで悪影響が出そうだからね。早々にお暇しましょうか……」と京子。
「あの……まだ少しだけ、やりたい事が有るんですけど。いいですか?」
珍しく、ジャンヌがそんな事を言い出した。
「どうしたの?まあ、他ならぬアナタの頼みだから、聞いてあげるけど?」
と京子。
「実は……」と、何やらゴニョゴニョ、京子に耳打ちをするジャンヌ。
「ああ、そういう……」と納得する京子。
「どう……ですか?」
「いいわよ。どうせ居なくなるなら、転出手続きもした方が、流れとして自然だし……明日まで、ここでの滞在を、一日伸ばしましょう」
京子は快諾した。
雪子は「何よ、二人して……」とブツブツ言っていたが、更に京子から耳打ちのリレーをされて「ああ、成る程ね」と合点が行ったのであった。




