㉑ 決着
「まるで美味しい所を、持って行くようで悪いけど、最後は私に任せてね?」
雪子はそう言うと、掌を開き、両腕を天に向かって突きだした。
すると、格技場の屋根の上に、黒い雲が集まり出したのだ。やがてその雲が渦を巻き始めた。
「喰らいなさい!私の究極奥義、神的鉄槌!」
彼女がそう叫ぶと、雷鳴と共に、格技場の屋根を突き抜けて、稲妻が落ちた、
そのせいで赤い鬼は、凍ったまま、その場で全て、灰になってしまったのである。
「……まあ、ざっとこんなもんよ」と雪子。
「いつもながら、鮮やかなお手並みね?ところで何かしら?今とても、恥ずかしい必殺技名を、叫んでいたようだけど……厨二病なのかしら?」と京子。
「あら、そっくりお言葉を返しますけど、アナタこそ何?アブソリュートゼロだなんて……昭和のロボットアニメじゃないんだから!」という雪子の切り返し。
「仕方無いじゃない。久しぶりに学校にやって来たら、そう言う気分になったのよ。ついついテンションが上がっちゃったのよ。どうせアナタも、同じなんでしょ?」
と、更に切り返す京子。
そして二人は、お互いの顔を数秒間見つめ合うと、例によって「エヘヘへ」と笑い合った。
「まあ、何れにせよ、この地域の悪魔たちを、まとめて殲滅させられて、良かったですよ。京子さん、雪子さん、今回もご協力、ありがとうございました」
ジャンヌがそんな風に、二人に感謝の言葉を述べた。
「……堅いわねえ」
二人は、首を横に振りながら、ユニゾンでそう言って、また笑った。"セーラー服と雪女"のコンビ、ここに有りである。
「ところで……そっちの少年は、何?場合によっては、また、記憶を消さなければならないけど?」
雪子が、思い出したようにジャンヌに尋ねた。
「ああ、彼なら大丈夫です。何故なら……」
何か言いかけるジャンヌを制し、清水が自ら発言した。
「初めまして。清水健次郎と申します。あなた方は、あのサン・ジェルマンの、チームの方々とお見受けいたします。違いますか?」
「……そうよ」
雪子かが真面目な顔になり、答える。
「僕は……あなた方から"天使"と呼ばれている者です」
「……えっ?」
流石の雪子も、少し驚いたようだった。
「ホントに居たんだ……」
そう言ったのは、京子だった。
「……済みません。実は私、最初から気づいてました」
ジャンヌは、そんな謝罪の言葉を述べた。
「ええっ!?」
またもユニゾンで驚く二人だった。




