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「池内先生と謎の少女」(セーラー服と雪女 第ニ部 新世紀編⑦)  作者: サナダムシオ


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⑲ 波乱の始まり

 そんな波乱の有った、練習試合の翌日。

 金曜日は、お疲れ休みと言う意味で、簡単なミーティングを済ませた後、剣道部の練習は無しになった。


 顧問の池内を始め、皆が帰った後、主将の清水は、格技場の片付け・戸締まりの最終点検のため、少しの間居残っていた。このような時、いつもは一人なのだが、今日は側に、ジャンヌも居た。


「やっと、二人きりになれたわね……」

 おもむろに、彼女がそんな事を呟いた。

「……えっ?今、何か言った?」

 部室の戸締まりを確認しながら、答える清水。


「まったく……貴方のせいで、大変な事になったわ」

 尚も、そんな事を言うジャンヌ。

「えっ、僕のせいで、何か変わった事が?」

 シラを切る清水。


「昨日の乱闘騒ぎの直後、あの体育館近辺に居た筈の、悪魔の気配が、全て一気に、消え失せてしまったのよ」

「へえ〜、何故かな?」


「もう誤魔化すのは、おやめなさい」

「……!?」

「貴方……天使なんでしょ?」


「あの国木田という名の生徒に、取り憑いて居た悪魔を、チカラを行使して、一瞬で滅却したわね?」

「な、何を言っているんだい?ジャンヌ……」


「ごめんなさい。私、実は、最初から気づいていたのよ。でも、貴方の存在は、ニンゲンにとって悪いモノでは無いから、そのまま、見て見ぬふりを決め込んでいたの」

「……」


「ただ、あんなチカラの使い方をしてはダメ。近所の悪魔たちが、皆、裸足で逃げ出してしまうわ……」

「……」


「せっかく私たちが、隠密行動で、一匹ずつ退治していたのに、その努力が、危うく水の泡になるところだったのよ?」


「それは……申し訳無い事をしたね」

 清水はついに、自白的な発言をした。


「……まあ、いいわ。今回は、結果オーライよ」

「……えっ?」


「貴方も感じるでしょ?この格技場は今、とんでもない数の、悪魔たちの集団に、すっかり取り囲まれているわ」

「……!」


「予定とは少し違うけど、おかげ様で、今から、この近辺に存在していた、全ての悪魔を、一掃出来そうよ?」


 ジャンヌがそう言うと同時に、鍵を掛けた筈の、全ての窓や扉が、瞬時に明け放たれた。そして、悪魔に取り憑かれ、正気を失った、数十名の老若男女の人々が、次々になだれ込んで来たのだ!


 ジャンヌと清水は、格技場の中央へと移動し、背中合わせに立った。 


「さあ、どうぞ。今こそ、貴方が本気を見せる時よ?」


 彼女はそう言うと同時に、自らも、竹刀袋に隠していた、オリハルコンの剣を鞘ごと出した。そしてソレを、その場でスラリと抜いて、青眼に構えたのである。

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