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「池内先生と謎の少女」(セーラー服と雪女 第ニ部 新世紀編⑦)  作者: サナダムシオ


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⑭ 正体不明

「二人とも、気をつけなきゃダメよ?通称チバラキって言われる程、千葉と茨城の女子高生は、ガラが悪いんだから(諸説有り マンガ"今日から俺は!"参照)」


 振り返って、ニッコリ笑顔を見せながら、真田は言った。田辺と住田は、今目の前で起こった出来事について、必死に考えていた。


「アンタ一体、ナニ者なんだ?」

 田辺が尋ねる。


「私?私はただの帰国子女よ。つい先日、ちょっとだけ、千葉で暴れて、レディースチームを一つ、壊滅させちゃったんだけど。」

「何……それ?」


「そのチームのボスが悪魔……のようなヤツだったから、つい、やり過ぎちゃって。以来、千葉県内では、私、ちょっとした有名人なのよ?」

「そ、そうなんだ……大したハッタリだな?」


「あら……試してみる?」

 そう言いながら、二人を見つめる、碧い瞳の眼光は、もう優等生のソレでは無かった。彼女が小脇に挟んだ傘まで、何だか鞘に収まった剣のように見えて来た。


 これまでソレなりに、ケンカの場数を踏んで来た、田辺と住田には、よく解った。コイツは本当にヤバイ奴だと……。


「……なあんてね?冗談に決まってるでしょ。差し出がましいマネをして、悪かったわね。じゃあ、くれぐれもトラブルには、気をつけてね?委員長の私からのお願いよ」

 真田は、爽やかな笑顔でそう言いながら、その場から颯爽と去って行った。


 その後、田辺と住田が、園内で誰にも絡まれ無かった事は、言うまでもない。


  実は、以上のような出来事の一部始終を、遠巻きにして見ていた生徒たちが、居たのだ。その者からの話しを、随分後になってから、池内は聞いたのである。彼はますます、真田に対して抱く、畏れのようなモノに、確信を持つのだった。


 東京都内から、名護屋市への帰りの交通手段は、新幹線だった。池内は、車内を見回りながら、再度、自分のクラスの人数の点呼に、余念が無かった。


 かつて、途中の駅で勝手に下車して、逃亡した生徒も在ったと聞く。まったく、イマドキの中学生と来たら、油断も隙も無いのだ。


 田辺の席の横を通った時、彼女に袖口を掴まれた。

「ねえ、池ちゃん……」

 コイツ、またウザ絡みを……彼は一瞬そう思ったが、田辺の顔色を見て、考えを改めた。


「なんだ、どうした?腹でも痛いのか?」

「アイツ、ヤバイよ」

 彼女はそう言いながら、目線だけを、斜め前にやった。


 そこに居たのは、大きなゴミ袋を持って、車内の生徒から、甲斐甲斐しくゴミを集めている、真田だった。真田は碧い瞳で、チラリとコチラを見た。


 ソレを見た池内と田辺は、まるで同じように、ブルブルと震えあがってしまうのであった。

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― 新着の感想 ―
平成元年の少し荒れた中学校という舞台に、ジャンヌ・ダルクや時空調査隊、四次元人といった要素が次々と飛び込んでくる世界観が唯一無二ですね。 また、平成元年という時代設定も新鮮で現代の学校を舞台にするの…
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