⑩ 四次元人たち
「ところで、四次元人たちの事なんだけど……」
今度こそ、真面目な話をする様子の京子。
「……はい」
「最近、彼等が、大きく分けて、3種類居る事が解って来たのよ」
「それは、どんな……?」
「先ず悪意の有る者たち……所謂、侵略の意図を持った者たちね。彼等は勝手に、三次元のニンゲンに乗り移って来るわ。そして耐性の無い人たちは、精神に変調を来すのよ」
「ああ、だから辻本はあんな事に……」
「そうね。他にも、空気中に漂う微粒子を、無理矢理組み合わせて、物理的なボディを、無理矢理でっち上げる者も居るわ。でもその姿は、悪魔そのモノになるの。彼等はそうなる事を、あまり好まない」
「意外と、体裁を気にするんですね?」
「やっている事は、立派な悪魔なのにね?」
「ははは……」
清水には、丁度イイ相槌が分からない。
「後は、観光気分で来るモノたち。丁度私たちが、山に登ったり、海に潜ったりするのと、同じような感覚ね。あえて不自由な、物理的な体験を、したいらしいわ」
「……成る程、そうかも知れませんね」
「そして、まるで神や天使のように、振る舞う者たち。彼等なりに、三次元世界を、より良くしたいと考えているらしいわ。でも余計なお世話よね?」
「まあ……そうかな」
何だかウチのクラスの、メンバー構成みたいだな。
清水は、そう思った。
「因みに本来、過去・現在・未来を、自由に行き来するチカラは、彼等四次元人の特権なの。だから、私たちがタイムマシンを使う事が気に入らないのよ」
「それは……分かる気がします。まるで自分たちの領分を、荒らされるような、感覚なのでしょうね?」
「更に言うなら、五次元人の特権は、別の時間軸……つまり並行世界を旅するチカラ。でも、コレさえ、ウチのリーダーは、実現可能にしてしまったわ」
「それはまた……凄い話ですね?因みにリーダーは、どなたなんです?」
「サン・ジェルマン伯爵よ」
「……えっ、サン・ジェルマンって、あの!?」
「そうよ。そのサン・ジェルマン。実は私、彼の内縁の妻だったりするのよ」
「え、ええっ!?」
またしても、情報の大洪水だった。
少しだけ厨二病の清水は、月刊ムーの愛読者だったから、当然、サン・ジェルマン伯爵についての基礎知識には、事欠かなかった。
不老不死の、時を旅する男。何だか憧れる存在だ。
彼に対しては、ジャンヌとはまた違った、リスペクトが有った。




