第25話 2度目の全国大会
全国大会は今年も東京で行われる。
64人の代表選手がトーナメントの1発勝負。
今年は悪魔の左手こと鹿島優さんがいない。
鹿島優さんは去年3年生だったので仕方がない。
トーナメント表を見る。
今年は真ん中寄りに名前がある。
私は左側の山だが、右側の山には小野玲奈と博士とペンギン使いの名前が見える。
決勝でまた戦えるといいな。
初戦の相手は山形代表の選手だ。
21-2と圧勝した。
2回戦は高知代表の選手。
その高知代表島村さんが私の元にやってきた。
「埼玉のお上品な選手なんかに負けない」
「私は宮原。よろしく、島村さん」
「そこがお上品だっての。私の学校では体育館でやらせてもらえない。校庭でもだ。どこでやってると思う?郊外の海岸沿いだぜ。砂の上にボードを置いてやっているんだ」
私は何も言えなかった。
「でもなあ。おかげで足腰は鍛えられたよ」
2回戦の試合が始まる。
すると島村さんが靴と靴下を脱ぎだした。
「普段は裸足でやっている。踏ん張りがきくからな」
先攻は島村さんだ。
島村さんがまずは穴の手前にブロックを置く。
私がロールショットでブロックを避け、穴に入れる。
「なんや今のはぁ?」
島村さんが驚く。
私はエアメールショットとロールショットで次々と得点を重ねていく。
試合は21-2で終わった。
3回戦に進んだ。
去年は2回戦敗退だったので、初めての領域だ。
観客の声が聞こえる。
「今年はレベル高そうだな。次どの選手見る?」
「俺は博士の試合みる。ちょっといい位置に移動するわ」
「俺は鬼軍曹の試合見るよ。相手は埼玉か」
埼玉?小野玲奈はこの時間に試合をしない。
ということは私の相手は鬼軍曹と呼ばれている人か。
3回戦が始まる。隣を見ると、腕組みをしたままボードを見ている。
がっちりした体格もあり、失礼だと思ったけど軍曹のような威圧感があると思ってしまった。
すると突然こちらを向き、「次の相手はお前か」
そして右手で握りこぶしを作り「私が勝つ。これは絶対だ!」
そうしていると試合が始まった。
私が先攻だ。
様子見を兼ねて穴の手前にブロックを置く。
鬼軍曹こと加藤さんは私のブロックに当ててきた。
私のブロックはやや左に逸れ、加藤さんのブロックはやや右に逸れた。
う~ん当てにくるタイプか……
私はリバースカットショットで左側から自分のビーンバッグに当てて2つとも中央に戻す。
「こざかしい」
加藤さんはまた私のビーンバッグに当てる。
ボードには4つのビーンバッグが残っている。
1番手前が加藤さん。
穴の手前右寄りにも加藤さんのが。
穴の手前に私のビーンバッグ。
穴の手前左寄りに私のもう1つのビーンバッグ。
今はこういう状況である。
私は穴の手前の自分のビーンバッグを押し込み穴に入れる。
今投げたのは先ほどあった同じ位置で止まった。
「だー!」
加藤さんが気合を入れる。
私の穴の手前左寄りのビーンバッグに当て、外に押し出した。
これで私の4バーガーは無くなった。
加藤さんが満足そうに笑みを浮かべる。
しかし状況は私が1つ穴に入れボードに1つ残ってる状態で4点。
加藤さんは1つも入れてなく、ボードに3つ残ってて3点。
そして私の4投目。
私は穴の手前のに当て押し込み、今投げたのも穴に入った。
「ガッデム!」
加藤さんはスライドショットで入れて9-6で私が3点リードした。
その後も加藤さんは私のブロックを弾くが、決め手に欠け21-8で私が勝った。
「貴様、また今度リベンジしてやる。何度でも、何度でもだ!」
次は準々決勝だ。




