第18話 来年に向けて
全国大会が終わった。
優勝は、“悪魔の左手”こと鹿島優さんである。
小野玲奈はベスト4、博士はベスト16だった。
私は鹿島優さんに大敗したショックから抜け出せていない。
私の落ち込み具合を心配したさおりさんが新たな技を提案してきた。
カットショットである。
カットショットは、ビーンバッグを横に曲げてブロックを避ける技である。
さおりさんの指導が入る。
ビーンバッグをやや縦気味に持ち、横方向のスピンをかける。
持ち方は人差し指と中指で側面を少し強くつまみ、バッグ後方を軽く垂らすように持つ。
リリース時に前側の2本の指で軽くはじく感覚になる。
そして姫星さんがアメリカの選手から動画を探し、投げ方を実際に見せてくれた。
何度も練習し、カットショットと逆回りのリバースカットを習得した。
しかし私は疑問に思った。
これならロールショットでもいいんじゃないかと。
さおりさんが言う「カットショットはいわば第1段階。本当に習得して欲しいのは、これからです」
どうやらさおりさんが必死に考えてくれたみたいだ。
私は感謝しかない。
そして第2段階の練習が始まった。
楓スペシャルの。
一方で、さおりさんは理恵にも新たな技を教えていた。
ゲットアラウンドショットだ。
例えば穴の前にブロックされた状態になったとする。
回転をかけ横から回り込むようにして入れる技だ。
理恵もこの技を必死に練習した。
さらにさおりさんは姫星にもアドバイスを。
姫星は初心者向けのスタンダードグリップでビーンバッグを握っていた。
これをバタフライグリップに変更する提案をした。
これにより技を習得しやすくなる。
姫星さんも練習をする。
念願の初勝利に向けて。
しばらく3人は練習に明け暮れた。
そんな時新座西高のサイトに対戦依頼が。
姫星さんがみんなに告げる。
その高校を見た時さおりさんの口角が上がった。
「こちらから申し込もうとしてたのに、まさか向こうから対戦依頼してくるとはね」
対戦依頼をしてきたのは甲府国際高校と書いてある。
「石井さんという全国大会ベスト8の人がいる学校です」とさおりさん
「強豪だね」と理恵が言う。
「はい、ペンギン使いです」




