第16話 全国大会
東京で全国高等学校女子コーンホール大会が開かれる。
全国の都道府県から64人の代表選手が集まった。
埼玉は2枠。
私と小野玲奈だ。
千葉の代表をみると博士の名前もある。
少しでも上位を、あわよくば決勝で小野玲奈か博士とあたりたい。
64人のトーナメントの抽選が始まった。
私は瀬口さんと言う人と1回戦で戦うことになった。
熊本代表の選手だ。
埼玉から近いので、理恵とさおりさんと姫星さんも応援に駆けつけてくれた。
とても心強い。
試合開始が近づいてくる。
そこへ1人の選手がやってきた。
「あなたが埼玉代表の宮原さん?」
「そうですが」
「私は熊本代表の瀬口です。あなたと1回戦であたる」
「よろしくお願い致します」
「熊本の高校でコーンホールをやっているのは私1人だけ。私が勝っていけば熊本でも注目が上がる。だから必ず私が勝つ」
「私も負けないから」
「なんがあってもおまえには負けんばい」
そう言うと瀬口さんは去っていった。
たった1人の選手。
仲間も練習相手もいない。
それでもコーンホールをやっている。
素敵なことだと思ったけど、勝負は別。
私だって勝ちたいんだ。
試合は16人8台ずつ行われる。
それを4回やり1回戦は終了となる。
私は最初のブロックに入った。
開幕の挨拶と選手宣誓が行われた。
その後すぐに試合だ。
隣の瀬口さんは闘志むき出しだ。
審判が所定の位置につき試合が始まった。
先攻は瀬口さん。
いきなりエアメールショットを決める。
私はスライドショットで決めた。
序盤の勝負は拮抗した。
しかし徐々に、技の引き出しが多い私が優勢になっていく。
21-12で私が勝利。
全国大会初勝利となった。
瀬口さんはとにかく悔しがる。
「いつかまた対戦したい」と私は瀬口さんに言った。
「うちの分まで、がまだしてね。」
そう言って瀬口さんは会場を後にした。
1回戦の試合が全て終わった。
トーナメントを見ると、小野玲奈も博士も勝っている。
2回戦の試合を見る。
私の相手は広島代表の鹿島優となっている。
次も16人ずつ2回に分けられる。
またしても最初の方だ。
観客の声が聞こえる。
「次の試合の注目は……悪魔の左手だな。優勝候補だもんな」
「初戦21-0だって容赦ないな」
「次の相手も可哀そうだな。なにせ悪魔の左手が相手じゃな」
「どれどれ埼玉代表か。可哀想に」
私は「えっ」と思って1回戦の試合結果を見る。
21-0は1試合だけだった。
その選手は鹿島優。
私の対戦相手だった。




