第13話 予選に向けて
翌日、私は千葉遠征の分析を始めた。
博士の技の数々。
特にロールショットを分析した。
姫星さんが撮影をしてくれていた。
感謝をしたいのは、最初は私も撮っていたが、すぐに博士だけを撮ることに切り替えてくれたことだ。
おかげでロールショットの投げ方がわかった。
後は練習あるのみ。
「姫星さんありがとう」
「いえいえ。しかし博士やばかったね。全国レベルはすごいね」
「ええ。さおりさんが言うにはあの博士でも去年ベスト8で敗退したんだって」
「全国やばい」
「さあ、今度は2人も練習よ」と私が言う。
さおりさんと姫星さんはキョトンとしている。
「埼玉予選には2人も出場するんだから」
埼玉予選のレギュレーションが今年から変わったのだ。
4校になったので各校4人ずつ、計16人でトーナメントを行い、上位2人が全国大会に行くシステムになった。
4人で毎日練習が始まった。
姫星さんは投稿サイトに「今日も初勝利目指して練習しています。目指せ1勝」
いいねの数がたくさんついた。
でも承認欲求よりも応援の数だと思うようになった。
これだけの人が応援してくれている。
私も頑張らなくちゃと姫星は思った。
さおりさんの家に帰る時間が遅くなった。
「今日も部活で遅くまでやってたの」と母が言う。
「うん。あとご飯部屋で食べるから持ってきて」
「みんなで食べればいいじゃない」
「ごめん。大会近いから分析したいんだ」
集められるだけ集めた資料を片手に食事をする。
自分の、みんなの手助けになればと思った。
理恵は昨日の勝利の興奮がまだ冷めていなかった。
もつれにもつれた試合。
最後の1投が決まった時の興奮はしばらく忘れないだろう。
でも次は公式戦。
気を引き締め公式戦勝利を目指す。
いつか楓を超えたいと思いながら。




