第11話 千葉船橋総合高校
体育館で練習の日々。
さおりさんの指摘が入る。
「理恵さんはゴースト戦を意識して。宮原さんはシナリオ練習を」
「ゴースト練習?」と理恵が聞く。
「ゴースト練習とは、仮想の相手スコアを設定し、それを上回れるかを競う練習」
「なるほど。例えば6-3で負けてる時などを設定し、意識して投げるってことね」と理恵が言う。
「その通り。シナリオ練習も似てるけど、2点リードでラウンド残り2投の状況を決めて最善手を選ぶ練習」
「確かに今までは無暗に投げてたけど、状況を決めると違うね」と私が言う。
「はい。2人にはもっと上達してもらいます」とさおりさん。
私と理恵は仮想の相手や状況を決め練習に打ち込む。
「あー、理恵さんダメ」と姫星さんが言う。
「えっ何?」と理恵
「投げ込むとフォームが崩れてきてます」そう言ってスマホで撮った動画を見せる。
「確かに崩れてきている」と理恵が言う。
「宮原さんは安定してますね。でも終盤に疲労感を見せますよね」
「えっ?」と私が言う
「顔を見てください。眉間を寄せて、肩で息をしています」
「ほんとだ。私、こんな顔してるんだ」
さおりさんと姫星さんは自分達も練習しながら、私と理恵のことも見てくれている。
さらに姫星さんは新たなサイトを作った。
新座西高校コーンホール部。
日々の練習風景や試合結果。
4人で談笑している写真も載せている。
部員募集。
対戦相手募集。
これで少しでも部員や対戦相手が増えてくれたら。
そんな姫星の願いだった。
実は今度対戦する千葉の船橋総合高校も、このサイトから対戦依頼が来たのである。
後日4人で船橋総合高校に遠征をした。
船橋に着くと、歓迎の出迎えが。
「お待ちしていました。私が部長の宮崎です。船橋へようこそ」
「こちらこそよろしくお願いいたします」と言って礼をする。
体育館には6台のボードが並べられており、選手たちが練習をしている。
「今日はどうしますか?4対4?勝ち抜き戦?」と宮崎部長
「2対2でお願いします。そして宮崎さん。うちの宮原部長と対戦してくれませんか」とさおりさんが言う。
「いいでしょう。お望みとあらば」
「さおりさん、あなた試合は?」と私が聞く。
「私は試合を見させてください」とさおりさん
「私は撮影ね」と姫星さん
「では、浅野さん」と宮崎部長は浅野さんと言う人を呼ぶ。
「はい部長」
「私と浅野さんが相手でよろしいかな?」
「はい、よろしくお願いいたします」
「気をつけて下さいね。宮崎さんが博士と異名を持つ人です」小声でさおりさんが言う。
博士。
いったい何者なんだろうか。




