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ダークエルフと暮らす異世界間違い転生  作者: 三沢 七生


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545.世界が変わりかけた日5

フランク達との話し合いも終わり、ララグレースとミッシェルの結婚を祝う会の準備が慌ただしく始まった。


マーウーが密にロロとやりとりしてくれたお陰もあり、宴の準備が整ったタイミングでララルージュ達一行は到着した。

ララハイディが真っ先にミッシェルに駆け寄ってミッシェルを抱きしめた。


「まさかグレースとそんな仲だったなんてビックリした!」

「はは、母さん!来てくれてありがとう!」


珍しくニコニコしながら抱きついてくるララハイディに、ミッシェルは照れくさそうにはにかみながらララハイディの背中をポンポンと叩く。

リュカリウスも満面の笑みでミッシェルに声をかけた。


「おめでとうミッシェル。素敵な奥さんを見つけたね。」

「父さんもありがとう。グレースのような最高の人と結婚出来たのは、二人が俺たちにたっぷり愛情を注いで育ててくれたからだよ。」


ミッシェルはそう言って幸せそうに微笑んでいた。


ララグレースのところにはララルージュ達が集まっていた。


「ふふ、グレースの相手がミッシェルじゃテーゼウスも文句の一つも言えないわね。」

「本当だよ!グレースの周りで一番良くできた男だもんねえ!」


ララルージュとロロはクスクス笑いながらテーゼウスにそう言うが、当のテーゼウスだけはムッツリした表情のままだ。


「お、俺はまだグレースの結婚を認めた訳では無い!あれだっ!…ま、まだ早いっ…!」

「我が家は感動のやりとりは無いの?ミッシェルなんて一番安心できる相手じゃないの!私、ミッシェルと結婚出来た事は本当に最高の選択だと思うわ!」


ララグレースはそう言って頬を膨らませると、ぷいとテーゼウスに背を向けた。


「そ、それはそうだが…そうではない!ま、ま、まだ早いっ!!」

「何よ!15とか16で結婚した人に言われたくないわ!」


ララグレースがそう言って頬を膨らませる。

ララルージュとロロは狼狽するテーゼウスが面白くて仕方ないと言わんばかりにクスクス笑っていた。

ララミェンがクスクス笑いながら口を開く。


「テテ君けちん坊だね!」

「本当ね!テテ君ったらとんだドケチよ!」

「テ、テテ君…!?な、なぜそれを…!いや、それどころじゃないな…!」


娘の機嫌を思い切り損ねたテーゼウスはオロオロしつつガバッとミッシェルの方を見つめて声を荒げた。


「ミ、ミッシェル!!俺と勝負しろっ!!」


周囲は「やっぱりだ」という呆れたリアクションと共に、もう一つ楽しみにしている反応があった。


「テーーーゼーウスッ!!!!」


一際大きな声がテーゼウスの背後から聞こえてくる。

テーゼウスだけ時間が止まってしまったように、テーゼウスは固まってしまった。


「テーーーゼーウスッ!!俺の可愛い弟子のミッシェルとグレースの結婚に茶々を入れる前にっ!!この俺に今のお前の実力を見せてみろっ!!!」


クラウスとその妻達がニコニコしながら本邸の影から登場した。


「聖女様を妻に出来てっ!精霊族の美人も妻に出来てっ!よもや油断して怠けてねえだろうなぁっ!?テーゼウスッ!!」


豪快にそう言って不適な笑みを浮かべるクラウスに、顔を真っ青にするテーゼウス。

そんなテーゼウスをよそに、ララルージュとロロはこの上ない程に大興奮してクラウス達に駆け寄る。


「嘘っ!!嘘っ!!ひょっとしてテーゼウスのご両親なの!?」

「あたしには分かるよ!!テーゼウスそっくりの魔力だよ!!あっ!!それじゃあテーゼウスの母親ってのはあんただね!?」


ララルージュとロロは興奮して爆発しそうなくらいのテンションでまくし立てると、クラウスとテレーズが一歩前に出て深々と頭を下げる。


「うちの愚息がお世話になってます!そして聖女様、そしてロロさん、あんな変人を旦那に迎えてくれて本当にありがとう!!」

「母親のあたしからも礼を言うよ、本当にありがとう。あの馬鹿、聖女様を嫁にしたいって言い出した日から、見てられないくらいキツい特訓をクラウスから…ああ、テーゼウスの父親な?クラウスから受けて必死で耐えてきたんだ。母親のあたしから見ても変人だけどさ、聖女様を思う気持ちだけは本物だよ!ロロさんもあの変人が迷惑かけてないかい?本当によろしくお願いします!」


そんな頭を下げるテーゼウスの両親に慌てたララルージュとロロは必死で頭を上げようとクラウスとテレーズの肩に手を当てる。


「頭を上げてちょうだい!テーゼウスは私には勿体ないくらい強くて優しくてカッコ良くて、沢山愛してくれる素敵な旦那よ!変人だけど!」

「そ、そうだよそうだよ!あたし達には勿体ない熱いイイ男だよ!そりゃ変人だけど、それでもあたしもルージュもテーゼウスに負けないくらい愛してるさ!」


そんな妻達と両親のやりとりに、顔を真っ赤にしたテーゼウスが割ってはいる。


「も、もう良いじゃないですか!それに父さん母さん!あとルージュもロロも!一々人を変人みたいに言わないで下さい!」


テーゼウスの言葉に、側で見守っていたクラウスの妻達がゲラゲラ笑い出す。


「あはは!変人はやっぱり自分が変人だって気がつかないもんだね!」


アリマがそう言って笑うと、ライヤヨヨもクスクス笑いながらテーゼウスの背中をポンポンと叩いた。


「ふふ、それにしても逞しくなって。お父さんそっくりになりましたね。愛する人のためにひたすら鍛えるところもお父さんそっくりですよ。」

「アリマ母さんはよけいなお世話です!ライヤ母さん、ありがとうございます。父さんのような男から見ても格好いい男になりたくて日々精進しています。なのでそう言って貰えると嬉しいです。」


テーゼウスの言葉にクラウスは目を潤ませながらテーゼウスの背中をバシンと叩いた。


「おいおい!嬉しい事言ってくれるじゃねえか!よしっ、後で女神様にお願いしてよ!死なねえって場所で徹底的にやるぞ!!お前の実力が見れると思うと俄然やる気が出てくるな!!」


クラウスの言葉にひきつり笑いを浮かべるテーゼウス。




テーゼウスの実力を見る前にララグレースとミッシェルを祝えとテレーズからドツかれたクラウス。


とは言え若い二人を既にお祝い済みなモグサ家関係者の話題はリュカリウスのご先祖様がクラウスとミヤルミだという話題で大盛り上がりだった。


「ミリウスは僕の祖父の名前ですよ!まさかこんな所で曾祖父と曾祖母と会えるとは…!」

「俺達の子孫って訳だな!」


クラウスは豪快に笑いながらリュカリウスの背中をバシバシと叩く。

そんな様子を見ていたクラウスとエルビラの息子のヤンが感心しながら口を開く。


「しかしリュカさんの話は予め聞いたけど、流石父さんの子孫だよな!惚れた女の為に強くなって二百年もその相手を探し回る!父さんの血を引く男だなって感じだよ!」


ヤンはそう言ってカラカラと笑った。


「クラウスとリュカ、魔力似てる!ペロ分かるよ!」


ペロはそう言ってクラウスの胸にピョンと飛び込む。

クラウスはシッカリとペロをキャッチしてガハガハと豪快に笑う。


「ペロと大陸を旅したらよ!俺達の血を引く子孫が誰なんかなんてすぐ見抜けるな!よしっ、俺と旅するかっ!」

「ヤダー!ペロ、パパと一緒が良いー!」

「ははっ!!つーかまーえたぞー!!」

「あはは!ヤダヤダ!!」


伊達に大勢の子供を育てていないクラウス。

そんな優しいクラウスにペロはすっかり懐いており、こうしてクラウスとじゃれあう姿をよく見かけるようになっていた。


ララハイディが両手にカツサンドを持ったままイツキ達のもとまでやってくる。


「これで益々モグサ家と関係が深くなってきた。とても喜ばしい。」

「ふふ、ハイジは元から関係が深いわ。どう、ティナの所で元気にやってた?」


ララミーティアの言葉にララハイディはコクっと頷く。


「ん。最近は人族の兵士も魔力の底上げをする。人族は兎に角数が多い。もう少し無詠唱魔法を駆使した集団戦のノウハウが増えたら、教国もウカウカしていられない。」


ララハイディの言葉にイツキは腕を組んで唸る。


「魔法戦かぁ、そうなってくると益々俺が死ぬわけにはいかなくなるよなぁ。」

「魔法なら結界で簡単に防げるじゃないの。」


ララミーティアが呆れ顔でイツキの肩をポンと叩くが、ララハイディは相変わらずの無表情でフルフルと首を横に振った。


「今の時代、結界破りのせいで結界なんて前時代の遺物になっている。結界の無効化は私も出来るどころか、ユグハルトの新兵みたいな若い子でもみんな出来る。」


ララハイディの言葉に目を丸くして見つめ合うイツキとララミーティア。




クラウス達がワイワイ盛り上がる中、ララハイディが結界破りについて知る限りの情報を説明し始めた。

開戦の瀬戸際だけあり、教国の三本柱は流石に朝の時点で帰ってしまったが、宴にそのまま参加していたアイセルが更に詳しい事情について説明を始める。


アイセルが話し始めた頃に、本邸の中から解放感漂うデーメ・テーヌとテュケーナ、そしてベルヴィアとサーラが出てきた。

何やら話し込んでいるイツキの側にやってきたデーメ・テーヌ達。

話の腰を折ってはいけないと思ったのか、デーメ・テーヌはニコニコしながら何の気なしにアイセルの話に耳を傾けていた。


途中イツキが今やってきた天界組に耳打ちしながら「バーグナズシャイン」が悪用されていた事を報告。

そしてイツキが殺されかけつつも「バーグナズシャイン」を回収してきたといってデーメ・テーヌに小さな短剣「バーグナズシャイン」を手渡した。

デーメ・テーヌとサーラは、これでまた一つ千年前の騒動の負の遺産が減ったと言わんばかりにホッとした顔で微笑み合った。


しかしそんな微笑みも束の間。

アイセルの話を聞いているうちに、デーメ・テーヌの微笑みは段々眉間にしわが寄って険しい顔になってゆく。




「ちょ、ちょっと何それ!?その詠唱文教えて!!」


デーメ・テーヌの大声に、会場の視線がデーメ・テーヌに集まる。


「ん。構わない。耳をかっぽじって良く聞いてて。」


得意気なしたり顔をしたララハイディがゆっくりと大声で結界破りの詠唱をし始める。

イツキやララミーティアはそうやってしっかり聞くのは初めてだったが、確かに文面が全く意味をなしていないようなデタラメな詠唱文だった。

「言語理解」スキルを持っているイツキでも理解できない類の、もはや詠唱「文」とは言えない、まるで子供がデタラメな外国語を喋っているのと同じレベルの代物だ。


気を利かせたアイセルが結界を展開し、詠唱を終えたララハイディが手元の歪な形の小さな結界をひょいとアイセルの結界に投げる。

アイセルの張った結界に何の違和感も無いが、ララハイディが続けて打った小さなストーンバレットは結界を素通りしてしまう。


「どう?これが魔法の新常識。ジェイムソンという今は亡き人族の魔法使いが魔法の歴史を塗り替えた。」

「どう?じゃないわよ!!だっ、ダメよそんなの!!何それっ!?誰よそのジェイムソンって!?うわー…たちの悪いデバッカーみたいに重箱の隅を…っ!!何勝手に人の世界の歴史を塗り替えちゃってるのよ!」


デーメ・テーヌが怒り浸透な様子でそう叫ぶと、隣にいたテュケーナも困惑気味にウィンドウ画面を眺めながらポリポリ頭をかいている。


「確かにぃ…気にするほどじゃないけどぉ、今まで数えるほどしか無かった細かい変なエラーがぁ、急増してますねぇ。あーららー…」


テュケーナの言葉にイツキが眉を八の字にさせながら口を挟む。


「そういう細かいエラーって溜まりすぎると、なんかシステムに影響とか及ぼすもんなんじゃないですか?流石に天界のシステムだとそんな事ないのかな?」

「そんな事あるわよっ!!ダメよこんなの!!こういう細かい抜け穴をこじ開けるような真似は辞めて本当に!!なに勝手に魔法の歴史変えちゃってるのよこれマジで本当に!」


デーメ・テーヌはそう言って大きなため息をついた。


「テーヌちゃぁん、これ見つけた人格は天才ですねぇ!何のヒントも無しで穴を探して、総当たり戦でコマンドを探し当てたって事ですよぉこれ!」

「まぁ…まさかこんな何語でもない言葉でね…とりあえずそれ制限かけといて頂戴。パッチは後で…はぁ、折角のんびり出来ると思ってたのに…」

「はぁい、止めました!あ、このナントカエラー出なくなりましたねぇ。へぇ、これが原因だったんだぁ?」

「ま、まぁあっちのエリアでそんな事するユーザーは居ないからね…こっちもちゃんと監視してないとダメね…」


デーメ・テーヌとテュケーナのやりとりを聞いていたララハイディが慌てた様子でデーメ・テーヌに掴みかかった。


「かっ、勝手に制限されたら困る!!ユグハルト帝国の兵士達に必死に叩き込んで来た!!」

「どわっ!!こっ、困るのはこっちよ!!その結界破りとやらで困るのは私達管理側よ!!こっちが想定してないヘンテコな抜け道を見つけないでちょうだいよ!!」

「そんな…!!新しい時代が…!!」

「そんな新しい時代来ないで良いわよ!!こんな大量にエラー吐かれて!!新しい時代とやらが来る前に私とテュケーナがぶっ倒れちゃうわよ!!」

「神様の横暴!!」

「横暴じゃなくて適切な管理よ管理!!人聞きの悪い事を言わないでちょうだいよ!!」

「こんなデカい乳をして!!悔しい!!」

「うわっ!!今私の胸は関係ないでしょ!!やめっ…やめてっ…!!あふっ…はぁわ…へっ、変態!!」

「変態で結構!私にあやからせて!」

「ちょっとリュカ!!あんたの妻、神様の胸をわしゃわしゃ揉みしだいてくるわ!!早く止めてよっ!!」


ララハイディとデーメ・テーヌの低俗なやりとりを呆然と見守っていたアイセル。

結界破りの詠唱文を唱えても何も発動しなくなったのを確認し、ホッとしたような顔をしていた。


ベルヴィアがアイセルの肩に手を乗せた。


「どーしたの?なんかホッとしたような顔してるじゃん?」

「ベル?ふふ、次の戦争からはね?結界無し、無詠唱魔法のうち込み合い、泥沼の殺し合いになるんだって思ってたからね。個人的にホッとしたかな。」


アイセルはそう言ってベルヴィアの肩にもたれ掛かる。


「バーグナズシャインの消失。結界破りの消失。象徴と政府の関係再構築。はぁ…これで暫くの間、戦争は起きないかな。」

「私達には平和がお似合いねぇ。」

「だよ。この先もずっと平和だと良いなぁ。」


そう言って穏やかな顔で目を閉じるアイセル。


本邸前ではワイワイと賑やかな宴が続いていた。



そう言えばマーウーの身体的な細かい特徴を描写してないなと気がつきました。

マーウーは桃色の肌に淡い桃色の長い髪で、頭や背中から生えている羽は白い羽毛のような羽です。

目は精霊族特有の白目のない桃色。

モグサ家に転がり込むまでは胸と腰に申し話程度に布を巻いているような姿でしたが、モグサ家に転がり込んでからは背中の羽が出るキャミソールとホットパンツを愛用しています。

精霊族は暑さ寒さに滅法強いので、年中そんななりでも過ごせます。


これまでにもし描写してて、上記と違ったらすいません。

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