SS-xx エピローグ スライム
魔王様、オネム?
ずっとずっと寝たまんま。
一緒に遊びたいし、お喋りしたい。
いっぱい走った。
いっぱいいっぱい走った。
もうジグザグで走れるようになった。
見て欲しい。
褒めて欲しいのに。
ザンネン。
サビシイ。
でもゲルゲルしない。
ここ魔物いっぱい。
タノシイ。
魔王様が集めてくれた!
スゴイ!
イジメられたりもしない。
ヤサシイ。
それにそれに、トモダチ、増えた。
小っちゃい子供。
眼鏡と同じ銀色の髪。
魔王様の子供。
カワイイ。
プニプニ。
まだお喋りはできないけど。
偶に食べようとしてくる。
ワイルド!
でもきっと美味しくないよ!
だから捕まらないように、いつも逃げる。
トテトテ追い駆けて来る。
追い駆けっこ。
走れば捕まらない。
そばから離れると泣く。
転んでも泣く。
泣かれると、カナシイ。
寄って行くと、捕まれて食べられる。
コウカツ!
いっぱい泣くし、いっぱい笑う。
笑ってくれると、ウレシイ。
早くお喋りしたいなぁ。
魔王様、死んじゃった。
カナシイ。
カナシイ。
カナシイヨゥ。
みんな、泣いてる。
でも子供だけ、いつもと一緒。
変わらない。
どうして?
カナシク、ないの?
一緒には遊べないよぅ。
そんな元気、湧いてこない。
それでも構わずに、じゃれついてくる。
突かれて。
叩かれて。
潰されて。
気にも留めずに、泣き続ける。
魔王様にもう会えない。
カナシイ。
子供もいつの間にか泣き出して。
一緒に泣いた。
魔王様の子供。
いつも遊びに来てくれる。
泣いてばかりいるのに。
心配してくれてる?
次第に涙も流れなくなって。
ダンジョンから出て、外を駆け回る。
魔物、減ってた。
どうして?
デヴィル、教えてくれた。
魔王様、死んじゃったからだって。
なんでかな?
また教えてくれた。
シハイ、とけちゃったって。
どゆこと?
よく分からない。
みんな、一緒がいいよ。
いなくなっちゃ、イヤだよ。
もしかしたら、襲ってくるかもって言われた。
危ないから遠くに行くなって。
逃げるのは得意。
ジグザグ走れるし、跳ねられる。
でも、子供は違う。
あんまり速く走れない。
きっと危ないよね。
なら、守ってあげなくっちゃ!
魔王様、守ってくれた。
なら今度は、守ってあげなくっちゃ。
ずっとずっと一緒にいるから。
泣かないで。
笑っていて。
トモダチ。
大事なトモダチ。
本日の投稿は以上。
この話を以て完結となりました。
本作最終話はスライムと魔王の子供の話でした。
主人公の支配が解け、一部の魔物は離れてしまいました。
それでも主人公たちを慕い、残る魔物たちも確かに居て。
スライムもまた、そんな魔物の一体でした。
人も魔物も妖精も、主人公に影響を受け、今後の生き方を変えてゆくことでしょう。
この先、世界はどうなってゆくのでしょうか。
一章の後に、過去編となる断章を追加しております。
良ければご一読ください。
では、続編のあらすじと告知を載せておきます。
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勇者が魔王を倒してから300年余り。
人族と、魔物と魔族、かつては妖精と呼ばれた精霊たちの住まう世界。
世界は明らかな変容を遂げていた。
世界を隔てる世界樹群の出現により、他種族の争いは治まった。
同時に世界中で魔法が使えなくなったことで、精霊以外は勢力を弱める結果となる。
人族は生まれながらに天職が備わっている。
ところが無職で生まれた少年がいた。
何者にも成れぬ少年は、勇者に挑む。
討つべき相手と定めて。
――勇者だけが世界を救えるわけじゃない。
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『勇者は転職して魔王になりました』の続編となります!
タイトルは『勇者に挑むは無職の少年』です。
来週土曜日より連載を開始いたします。
本作のキャラや所縁のあるキャラなども登場。
続編に繋げるための伏線は既に幾つか忍ばせてあったりも。
こちらも是非お楽しみいただければ幸いに存じます。
約一年に及ぶ連載が遂に幕を閉じました。
長い間お付き合いいただき、誠にありがとうございました。
よろしければ、また次作にてお会いいたしましょう。




