カウントダウン
気が付くとカウントダウンが始まっていた。
集団の声がホールに響く。
「『4!』」
きっと、窓の外のシンデレラの頭上の数字が4となったのだ。その声のあとに嬌声のようなものも聞こえて、オレは気分が悪くなった。
その頭をぐいと押された。
まるちカッターだ。
「おい。ここにいるヤツらの顔を覚えとけ」
「全員は無理」
「オンナだけでいい。トールマンのくそ胸がでかい女だ」
まるちカッターはここにボマーがいるとにらんでいるのだ。
オレは頷き、ワナワナの背に飛び乗った。
カウントダウンが進む。
「『3!』」
まるちカッターが周囲に鋭い目を向けている。近くのゴーレムもそれにしたがっている。
オレはワナワナの背から周囲を睨んだ。
近くにいるのはだいたいがスライム。その奥にクリーチャー。人型もいるが、トールマンは少ない。オンナとなるとなおさらその数は少ない。
一、二、三人ほどか。
「『2!』」
カウントダウンを唱和する声が増えた。
ほとんどの者がそちらに目を向けている。
オレは数少ないトールマンの女たちの胸に注目したが、残念ながらそれが豊かな者はいない。
「まるチビ」
オレが呼ぶと、まるちカッターは一瞬顔をしかめたが一応こちらに顔を向けて返事をした。
「なんだ?」
「軍服は女だろ? あいつの胸は大きいのか?」
「え? え?」
なぜかまるちカッターは目に見えて動揺して顔を赤面させた。その隣でゴーレムがワタワタと両手を手を振っている。
――なんだ?
「あそこに(さっき池で逃げられた)魔法課の軍服がいると思うんだけど、あいつは女だよな。で、トールマンだろうし、もしあいつの胸がでかければさっきおまえが言ってた条件にあてはまると思うんだが」
「む、むむむむむ、胸?」
――なぜどもる?
「む、うううう、胸の大きさは知らんが、ほ、ほらあいつの魔力は超弱いだろ。ああああああ、あいつがぼぼぼぼぼボマーなんてわけはないからじょじょじょじょ除外しておけ」
「……」
まるちカッターの隣でゴーレムが必死に首を上下に動かしている。それを横目に見ながら応じた。
「おっけー……」




