最恐の世話焼
翌日、ざくろが目を覚ますと部屋の中から苦しそうな息の音が聞こえてきた。
隣のベッドを見てみると柚月が顔を真っ赤にして汗を流し息を荒くしていた。
ざくろはベッドから降りると片手で自分の前髪を上げて柚月のおでこに自分のおでこをくっつけて熱を見てみる。
「風邪だな」
それに気付いて目覚めた柚月は鼻をずびっと啜り、苦しそうな鼻声でざくろに申し訳なさそうに話す。
「ごめんねざくろちゃん。昨日夜遅くまで案を纏めてデザインしてたら体調崩しちゃった…」
「ったく! あたしにうつしたらシメてやるからな!」
言いながらざくろはケンカをしてアザができた時に冷やすため常備している冷却シートをカバンから取り出しぶっきらぼうに柚月のおでこに貼ってやる。
柚月は少しクスッと笑うと自分の机に目をやった。
「今日クラスの出し物決めるはずだったんだけど…あたし学校行けそうにない…」
「だったら誰かに頼め。ダチくらい居んだろ? ほらよ」
ざくろは机の上に置かれていた柚月のスマホをベッドへと放り投げる。
「でも…迷惑にならない…?」
「んなこと気にしてる場合かよ」
「そうだね…」
そう言うと柚月はスマホを操作して電話をかける。
その様子を柚月の机の椅子に足を組んで座り見守っていると、突然ざくろのスマホの着信音が鳴り響く。
いやーな予感がしていやーな顔をしながら自分のスマホを確認すると、そこには当然柚月の名前が表示されていた。
「おい高木てめぇ! なんであたしにかけてんだ! ダチにかけろよ!」
「だから…友達にかけたんだよ? 迷惑にならない?…って聞いたよね?」
苦しそうにゴホゴホ、クスクス笑う柚月にしてやられたと言う表情のざくろ。
ざくろは通話ボタンを押しスマホを耳に当て、目の前に居て電話の向こうにいる柚月に答える。
「しゃあねえな! あたしがクラス纏めてきてやんよ! どうなっても後悔すんなよ!」
大声で言い放つとスマホの通話を切り、自分のカバンと柚月の纏めた計画案とデザイン画を手にしてわざとペタ! ドス! と大きな足音をたて部屋を出ていくのだった。




