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最恐の弱点  作者: MANAM


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14/15

最強の双璧

その後頭プリン達は警察に突き出される代わりにお祭りの後片付けのボランティアとしてこき使われ、ある不良はアイアンメイデンに入れられそうになり、またある不良二人は同人誌の養分となり新たな道を見出した。


誰も傷つかず(?)平和的に解決(!?)し、結果柚月の約束を完全に(肉体的には)守ることが出来た。


不良達は芦浦市の人全てがざくろの勢力である恐怖をその身に深く刻み込むと同時に、藤宮ざくろを最恐から災恐へと認識を改めてある者は芦浦市を出奔し、ある者は真っ当に生きることを決めたりし、芦浦市の平和も守られた。


その後ざくろも調子に乗って門限をぶっちぎり、案の定最恐先輩達にお仕置きされてアイアンメイデンに入れられそうになったため、二度と門限破りをしないことを心の中で硬く誓い、一歩更生に近づいた。


「全く酷い目に遭ったぜ…奴らはどこであんな物騒なもん手に入れたんだよ…」


アイアンメイデンを回避する代わりに、お風呂で先輩達にまたも足と体をツルツルピカピカに磨き上げられ、体をほかほかさせ、石鹸の香りを漂わせながら部屋へと戻ってきたざくろ。


「おう、高木。戻ったぜ」


「おかえりざくろちゃん。あ! 遅いと思ったら門限破ったの? 門限は守らなきゃだよ!」


「うぜぇ…」


ローファーをベッドの脇に投げ捨て耳をかきながら座り足を組むざくろ。

どれだけ人に慕われ、どれだけ大立ち回りしても変わらないざくろの態度に安心してクスクスと笑う柚月。


「ねえざくろちゃん。明日の放課後茶室でお茶会あるんだけど一緒に行かない?」


柚月の誘いに苦そうな表情を浮かべ舌を出すざくろ。


「茶会ってあれだろ? 苦いやつ。無理。茶はやっぱ紅茶だよな」


「そっか…まあ苦手なら仕方ないか…あたしもちょっと苦手なんだけど、出てくる和菓子が美味しいからついつい行っちゃうの」


「よし。一緒に行こうぜ」


美味しい和菓子が出ると聞き一瞬で手のひらを返すざくろに、小さく拳を握りしてやったりの柚月。

その日の夜は柚月からみっちりお茶の作法を教えてもらい、いざ翌日のお茶会へ。


茶室へ着くとざくろはある事に気付き顔から血の気が引いていく。


「おい…まさか茶室ってのは靴脱ぐのか!?」


「そうだよ? あれ…知らなかった?」


ざくろは踵を返し茶室から去ろうとするが、柚月に首根っこを掴まれ引き戻される。足をジタバタさせて抵抗するざくろに柚月は得意そうに笑いポケットからある物を取り出す。


「じゃん! 汗拭きシート!」


「おお! やるじゃねえか高木! さすが相棒だぜ!」


えへへ、と笑う柚月から汗拭きシートを受け取り、茶室にいるであろうお嬢様(変態)達に悟られないよう上履きを脱ぎ裸足を徹底的に綺麗に拭き取った。


「よし…これで大丈夫なはずだ!」


座り込んで自分の足の臭いを確認し、いざ初めての茶会へ。


茶室にはすでに何人かの生徒が正座しており、ざくろが入室すると全員が色めき立つ。


「ざくろちゃん! ざくろちゃんだわ!」


「まさかお茶会に参加してくれるなんて!」


「ああ…なんて可愛らしいお御足なの!」


ざくろは自ら魔境へと飛び込んでしまったような気持ちになりながら、なるべく端の方へ寄って正座し、柚月もその隣に正座する。


生徒達は鼻を利かせるがざくろの足からいつもの芳香が感じられない事に疑問符を浮かべる。


「あら…?ざくろちゃん…今日はなんだか爽やかな感じだわ…」


「ああ…残念ですわ…初めて芳香を楽しめると思ってましたのに…」


「ああ…でも可愛いらしい足指が見られて満足です!」


一人ブレない人がいる気もするが、口々に落胆の声が上がり呆れ半分、してやったり半分の気持ちのざくろ。

柚月もざくろを満足そうな表情で見つめる。


そんな中でお茶会は始まり、まずざくろの目的である和菓子が出された。

お茶会の主催の先輩が今日のお菓子の説明をしてくれる。


「今日は柚餅(ゆうもち)というのを用意してみたわ。どうぞ召し上がって」


「んなもん一口で食えんな」


そう言うと柚餅を菓子切にぶっ刺して一口でパクリと食べてしまい、前日の夜に作法をみっちり教え込んだ柚月は大慌てであわあわする。


「ざくろちゃん! お菓子は一口で食べるんじゃなくて切り分けて少しずつって言ったでしょ!」


「あ? こんなちっちゃいもんでも切って食うのか? 面倒臭えな。 でもこれうめえ。柚子の香りがすんな」


「え!? あたしの香り!?」


柚月は顔を真っ赤にして恥ずかしそうにモジモジする。


「ちげえよ…このお菓子が柚子の味がしてだな…」


「やだ! あたしの味なんて…ざくろちゃん恥ずかしいよ…!」


言えば言うほど勘違いのドツボにハマっていく柚月に、今度はざくろがあわあわし出す。

そして、柚子の香りや味などと話しているうちに他の生徒達が柚月に視線をやり、そちらから芳香が漂ってくる事に気がついた。


「あら…? そう言えば柚月ちゃんの足からとても素晴らしい芳香が…」


「あら…本当ですわ…なんて健康的な芳香なの…味わいたいですわ!」


「ああ…柚月ちゃんの靴下お御足…なんて可愛らしいの…」


お嬢様の標的がざくろから柚月に移り、その芳香にありつこうと目の色を変え柚月に迫る。

異様な雰囲気に足を崩して壁の方へと後退りしていく柚月。しかしそれは足をお嬢様(捕食者)に向けてしまう諸刃の剣でもあった。


当然ざくろはお嬢様の攻勢を許さず柚月の前に出てお嬢様を食い止める。


「てめぇら! こいつには指一本触れさせねえ!」


「ざくろちゃん…!」


柚月は涙目でざくろの制服の裾を掴み、お嬢様達は残念そうな声をあげ抗議する。


「どうしてダメなの?」


「芳香を嗜むのは桜花学園の伝統ですわ」


「お御足を愛でるだけならいいかしら?」


ざくろは素足で茶室の畳を踏み鳴らし堂々と力強く宣言する。


「うるせえ! どんな理由があってもこいつがあたしの背中にいる限りあたしはこいつを守るって決めてんだよ! 近づくんじゃねえ! 変態ども!」



『きゃ〜〜〜〜〜!!!』



ざくろの宣言のかっこよさにその場にいるお嬢様も柚月も頬を真っ赤に染めて手を当て悶絶する。

言い放った後すぐにざくろも自分の言葉が恥ずかしくなり耳まで真っ赤になる。


ざくろは柚月に抱きつかれ、その健康的な芳香で正気を失いそうになるのを必死に理性で耐えながら、迫り来る変態(お嬢様)に向けて裸足を踏み鳴らし追い払う。

そしてその裸足の動きに悦びを感じるお嬢様達はますます迫り来る。


そんなはちゃめちゃな桜花学園らしい賑やかなお茶会が開かれたある日の午後であった。

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