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第27話

翌日、俺はいつもどおり一人で冒険者ギルドへ行き、依頼紙の貼られた掲示板を物色していた。


カウンターでいつもの美人職員さんに聞いてみたら、掲示板に貼られているものならどれでも大丈夫とのことだ。


冒険者ギルドへいつも一人で来ているのは、この美人職員さんと話しているところを三人に見られたくないからだ。


年上の色香。これもすばらしいものだ。


あの三人が居たら満喫できないどころか、後ろから刺されかねない。


「ようやくD級にあがる気になりましたか。」


とのお言葉をいただいた。


どうやらわざとE級にとどまっていると思われていたようだ。


D級にあがると、依頼の対象範囲が広がり、他国へ行くような依頼もあるのだ。


それを嫌がってE級のままでいたと。


「アロンの冒険者ギルドから情報は貰ってますから。

 バラエティ料理の研究も良いですけど、優良物件なんですから、ちゃっちゃとあがってくださいね。」


どうやらバラエティは期待の冒険者パーティのようだ。


そして、あの居酒屋のメニュー開発担当として認識されているらしい。


貼る出されている依頼は材料採取、護衛、指定魔物の討伐ってところか。


護衛は結構な期間拘束されるから無しだな。材料採取は経験値にならなさそうだ。


やっぱり討伐か。


E級で今依頼の出ている指定討伐は、オークの集落壊滅に群生食人花の壊滅、多腕熊討伐に双頭狼討伐といったところだ。


場所はデスタの町の近くにアロンの町の近く、それに聞いたことのない村もある。


「この多腕熊の依頼って、どこらあたりの村なんですか?」


カウンターの美人職員さんに聞いてみる。


「はい。町を出て、街道をずっと東に行った行き止まりにある村でチョーシといいます。


 海と灯台が見えますので、すぐ分かると思いますよ。ただ・・・」


ただ、なんだろう。


「規定の報酬が出せないためにE級依頼になっているだけで、本当であればD級依頼になる魔物なん

 ですよね、多腕熊は。」


「でも、討伐報酬が一万ゴルで、素材は倒したパーティのものって良い条件じゃないんですか?」


「多腕熊のD級依頼の過去の実績では、三万ゴルで複数パーティ依頼となっておりました。」


うーん、どうだろう?


たとえば3パーティで三万ゴルの報酬としたら概算で1パーティ一万ゴル。


実力的に倒せるんであれば問題ないだろう。


倒せれば。


それに、他の魔物とは報酬の桁が一つ違う。さすが本来はD級依頼ってことか。


「多腕熊って見たこと無いんですけど、どんな魔物なんですか?」


「お受けになられるんですか?」


「はい。ちょうど海も見てみたかったので、倒せそうなら受けようかと。」


多腕熊は、体長三~四メートル程の熊らしい。


地球で言えば最大種の白熊か灰色熊クラスだ。


でかい。


その上、攻撃手段である腕が四本から六本ある。


魔法か大型の銃器がなければ相手をしたいとは思えない。


剣や鎚で熊と戦える人って異常だと思う。


「その他に特長とか弱点とか無いんですかね?」


雑食で野菜から狼、ときには人まで食べるらしい。


弱点といえる弱点は無く、知能が野生動物位であることと、繁殖期と子育て期以外は群れないこと位。


冬なら確実に一頭であるが、秋だとツガイの可能性があること。春だと子連れ。


みんなが隠密と長距離攻撃手段を持っていれば、なんとかなるんじゃないだろうか。


どちらも持っていて無駄になるスキルではないし、発見は気配察知3のある俺のほうが早いだろう。


ポイントはある。


よし、いけそうだ。


「では、この依頼を受けます。」


「いつものように魔物の死体をお持ちいただけたら、結構な金額になると思いますし。

 お帰りになりましたら、お酒でもご馳走してくださいね。

 多腕熊の肝は最上級の精力剤になるそうですし。フフッ。」


あれ?


これはフラグか?


死亡フラグか騒動フラグとしか考えられなさそうな感じがするが。


指定討伐依頼は、依頼者に討伐したことを確認してもらい、ギルドの依頼書にサインを貰ってくる必要があるらしい。


常時討伐依頼しかやってなかったので知らなかった。


チョーシの村の村長が依頼主ということなので、まずは村長に会って欲しいとのことだった。




「というわけで、ちょっと早いけど海を見に行くことになりました。」


昼食を取りながら皆に依頼内容を説明した。


「すこしリスクが大きいのではありませんか?」


イルが、もっともな心配をする。


「いままで、多数を相手にすることは慣れてきました。

 強い個体を相手にする訓練にもなるのでは?」

サミーは乗り気だ。


「届くかな?」


ヒルダの意見は正解だ。


「うん。だから今夜、またスキルを与える儀式をしたい。」


三人の目が輝く。


強くなれるし、エロいことができるからだろう。



「申し訳ないけど今回は希望は無しだ。必要そうなものを与えるだけになる。ごめんね。」


かまわないらしい。今までの積み重ねが信頼を生んだのだ。そうに違いない。


「じゃあ大分早いけど、風呂に行って準備をしよう。」


風呂まで儀式の一環になっているかのように宣言する。


移動中の弁当にしようとバラエティ料理を大量にお持ち帰り注文もする。


そうだ、ジェシカちゃんにもお土産で少しあげよう。覚えてるかな?



毎度のごとく風呂に入りながら、スキル上げの構想を練る。


俺が59P。

ヒルダが21P。

イルとサミーが18P。


俺はまずは壽眼を取ることが必須だ。


8Pとデカイが仕方ない。


風魔法をレベル3で9P、威力を増すために精神力強化をレベル3にして4P。


レベルと威力の上がった風魔法があれば、大きな相手にもダメージは通るだろう。


俺の戦力増加のために、ユニーク魔法のスキルコピーを3レベルにして15P。


俺が死んだら回復もできないので、回避をレベル4まで上げて10P。


残り13Pは次回に取っておこう。

 

  [名前]ジン・サカキ・クルーズ・ブレイド

      陸人族・男・十五歳・自由民・レベル8

  [筋力]一〇〇

  [精神力]一一五

  [器用度]一一〇

  [敏捷度]一一〇

  [耐久力]一〇〇

  [抵抗値]一二五

  [幸運度]一二

  [魅力値]一三〇

  [LP(生命力)]一〇〇/一〇〇

  [MP(魔力)]一〇〇/一〇〇

  [HP(信仰力)]-/-


[スキル]   ポイント 13P

  「魔法」光魔法3、闇魔法3、時空魔法3、風魔法3、火魔法1、土魔法1、水魔法1

      ユニーク魔法(スキルコピー3[未/五日]、スキル強奪2[未/五日])、

      補助魔法(ライト、リフレッシュ、種火、暖房、冷房)

  「戦闘」剣3、槌3、斧3、投擲2、弓2、格闘2、短剣1、盾1、長柄3

  「非戦闘」テイマー1、騎乗1、気配察知3、算術4、詠唱2(省略)、

       鑑定4(壽眼)、性技1、魅了1、回復促進(LP2、MP2)、精神力強化3、

       回避4、身体強化2、耐性(毒1)、嗅覚拡大、遠視、暗視、隠密1、料理人2、

       伝道師1、画家1


イルは、MPや精神力次第だけど水魔法をレベル2にして6P、回避をレベル2にして2P、長柄と弓をレベル3にして8P。


後衛特化でいいか。


あと、隠密1と詠唱短縮で2Pだな。


サミーは、盾・身体強化・格闘をレベル2にして6P。


隠密をレベル2まで上げて3P。


回避をレベル3まで上げて6P。


回復促進(LP)をレベル2までで3P。


前衛特化だな。


ヒルダは、いよいよ魔法をどうするか考えなきゃ。


それより、攻撃を貰ったらおしまいな感じがするから、そっちが先か。


回避をレベル3、いや4にして10P。


格闘をレベル3にして4P。


回復促進(LP)をレベル2までで3P。


身体能力強化をレベル3にして4P。


これも前衛特化だな。





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