第106話
目が覚めると、ルドの膝枕で寝ていた。
剣戟や魔法の音は聞こえない。
どうやら状況は落ち着いているようだ。
しかし、ルドが膝枕とは珍しいと思い聞いてみることにした。
「膝枕がルドの理由は?」
「『魔法が使えない状況では一番不要。くっ。』だそうです。」
誰が言ったかなんとなく想像がつくな。
ゆっくりと起き上がりながら、状況を聞く。
「お倒れになったあとほどなく制圧できました。
魔法が使えなくなったことで向こうが大分動揺して、こちらは軽症のみ。
向こうも死者は数人のみで捕縛に成功しています。
今は男爵様方とコリンとで尋問しています。」
死者は数人ね・・・
見渡してみると四肢欠損が大多数だった。
たしかに死者は数人かもしれないが、あれじゃもうすぐ増えるんじゃね?
何グループかに分けて捕獲しているのはなんでだろう?
「あれはどういう区分で分けてるかわかるか?」
まず状況を把握しないと、下手なことはできない。
HP、LPは満タン。MPはでかい魔法数回はいけそうだ。
「右から領主軍の騎士団、当地の神官などの魔法使い、裏切ったカスティーロ一味になります。」
それぞれ話しもできない位に間を空け、そこに移民団員が見張りに立っている。
連携しての抵抗は難しいだろう。
騎士団は残った手足を縛られ、魔法使い連中にはさるぐつわ。
カスティーロ達は・・・漫画のように芋虫縛りだ。当然のようにさるぐつわに目隠しもされている。
男爵が近寄ってくる。尋問は一区切りついたのだろうか。
それを見て魔法使い連中を尋問していたらしいコリンもこちらへ来る。
怖いウチの3人組はそれぞれ一組ずつ見張り担当のようで居残りだ。
「粗方の事情は聞きだした。今後のことについて相談したい。」
男爵が話しかけてくる。
顔は深刻だ。
「こちらもある程度事情は分かりました。」
コリンの尋問も順調だったようだ。
「では、まず情報のすり合わせをしますか。」
情報をすり合わせてみると、カスティーロが領主をそそのかして襲撃してきたらしい。
魔法使い・神官どもはそれに便乗して俺たちの物資を略奪しようとしたようだ。
カスティーロは完全黙秘。
カスティーロ達を武装解除した時にいろいろなものが出てきた。
それを鑑定スキル(本当は上位の壽眼スキル)持ちの俺が鑑定することになった。
めぼしい魔道具としては、羽衣、指輪、小箱だろうか。
男爵さんとこの魔力感知スキル持ちが選んだ品だ。
まずは、羽衣。
陸人族の奴隷が羽織っていたものだ。
一言で言えばシースルーケープ。
こんなんでも防御力強化の効果が付いている。
次は、隠蔽の指輪。
鑑定系のスキルをごまかすための魔道具だ。
前にカスティーロ達を鑑定した時になんか感じた違和感はこれが原因だったようだ。
改めて簀巻きになっているカスティーロ達を鑑定してみる。
カスティーロは「火魔法2」、「剣2」、「盾2」、「礼儀作法2」、「詐術1」、「政治1」、「騎乗1」のスキルを持っている。
後半は見覚えが無いスキルだ。
やはり大分ごまかしていたようだ。
獣人族の女奴隷は「盾3」、「格闘3」、「短剣3」、「封印:火魔法2」、「封印:水魔法2」、「封印:風魔法2」、「封印:槍3」
「封印」ってなんだ?
使えない状況らしいことはなんとなくわかる。
とりあえず使えないならあとで考えればいい。
やばい。陸人族の女奴隷の魔法使いのヤツ「闇魔法4」を持ってやがる。
「火魔法2」、「闇魔法4」、「風魔法2」、「精神力強化2」、「変装2」
今は魔封じが効いているからいいが、効果が切れたらどんな魔法があるかわからない闇魔法4は危険だ。
他は持っているから対応はできる。
「緊急で対応する必要がありますので、少し外します。」
そう言い置くと、簀巻きで気絶しているカスティーロ達のところに行く。
女奴隷に「スキル強奪」で「闇魔法4」を奪う。
これでとりあえずの処置としては良いだろう。




