第二話
婚約者の様子がおかしい。久々に会ったチェチーリアは実に楽しそうだった。彼女に関する悪い噂は落ち着くどころか酷くなる一方で、必要な外出以外は引きこもっていると聞いていたのに。
誰が広めたのか知らないが、噂に踊らされるなんてバカバカしい。自分さえ嘘だとわかっていればいいことだからとラウルは否定しなかった。わざわざ自分の時間を潰してまで否定して回るほど暇じゃない。
だってそうだろう、噂なんて飽きれば消えてなくなるいい加減なものだ。それをまともに信じるほうがおかしい。そう諭しても、彼女は暗い表情で沈み込むことが増えていた。それなのに……。
こんなにも楽しそうなのは、なぜだ?
「ようこそいらっしゃいました」
「楽しそうだが、なにかいい事があったのか?」
「ええ、心の曇りが晴れましたの。今ではすっかり元気になりましたわ」
婚約者の義務であるお茶会のためにクレイン家を訪れると、ちょうど部屋から出てきたチェチーリアと鉢合わせた。相変わらず服装は地味だが、肌や髪の色艶も輝くようで、以前よりも美しさに磨きがかかっている。ダリアのような派手さがない代わりに、知性と品のよい色気のようなものがにじみ出ていた。そんな彼女の体から、ほのかに良い香りがする。……香水か? 自然の陽だまりに包まれているような心地良さを感じさせるいい香りだ。美しく磨かれた容姿に、優しく人を招くような香り。彼女の女性らしい変化に仄暗い喜びを感じて、ラウルはほくそ笑んだ。
きっと私を他の女に取られたくなくて努力したからに違いない。かわいいところがあるじゃないか。
「だから言っただろう、噂を気にしすぎだと」
「そうですね。もう気にしなくてもいいのだと思うと、途端に気が楽になりました」
にっこりと微笑んでラウルとすれ違ったチェチーリアは、立ち止まることなく廊下の奥へと歩いて行く。
「おい、どこへ行くんだ?」
「これから図書室に行きます」
「図書室って……お茶会はどうするんだ?」
「ああ、それでしたら今日は天気がいいので庭に席を用意してあるそうですよ。行けばダリアが待っているからすぐにわかるはずです。好きだとおっしゃっていたチョコレートをたくさん用意しているそうですわ」
「あれか……そんなたくさんはいらないな。私には甘すぎる」
ラウルが軽く眉を顰めると、チェチーリアは驚いた様子で目を見開いた。
「まあ、そうなのですか」
「義理の家族になる人間が勧めてくるのだから断りにくいだろう。仕方なく合わせていただけだ」
「喜んで口に運んでいらっしゃるから、てっきりお好きなのだとばかり」
「君の手作りのクッキーのほうが甘さが控えめで好きだな」
いつのものかしら? チェチーリアは最近作ったクッキーの末路を思い出した。一生懸命作ったのに、ダリアの勧めるチョコレートを食べすぎたせいで胸焼けがすると一口も食べずに残したはずだ。チェチーリアは食べ物には罪はないからと、ラウルが帰ったあとに使用人達と残ったクッキーを美味しく食べた記憶がある。もはや彼の中ではさまざまな記憶が混ざり過ぎて、どの記憶が本当なのかわからなくなっているのかもしれない。彼はそういういい加減なところがある人だった。
「そうだったのですね……いまさらですけれど」
チェチーリアはポツリとつぶやいた。そう、いまさらだ。もはや気にするだけ無駄というもの。チェチーリアは軽く会釈して振り向くことなく図書室に向かった。ラウルは眉を顰める。なんだ、あの態度は。もしかして機嫌を損ねたのか?
まあいい、いつものわがままだろう。面倒だし、放っておくか。ラウルが庭に出てお茶会の会場に行くと、そこには彼女の言葉どおりにダリアが待っていた。
チェチーリアを除いた状況でお茶会は始まって、ダリアはいつも以上に賑やかによく喋った。それにしても……こうまくし立てるように話されては返す言葉を挟むこともできない。ラウルは相槌を打つので精一杯だ。この賑やかさは複数人だと緩和されるけれど一対一ではきついな。一言も話さないチェチーリアがいるからこそ気にならなかったというだけだ。
だが肝心のチェチーリアは終わりの時間になっても姿を現さなかった。どういうことか、婚約者の務めを果たさないなんてこと、かつて一度もなかったというのに。まさか子供みたいにふてくされているのか?
帰り際に文句のひとつも言ってやろうとチェチーリアの部屋に向かった。ノックをすると、彼女が扉を開けて顔を出す。
「まあ、どうされましたか?」
「なぜお茶会に来なかった」
するとチェチーリアは瞳を瞬かせる。
「なぜって……もう婚約者ではないからですわ」
「……は?」
「先日、当主同士の話し合いで変更されましたでしょう? あなたの今の婚約者はダリアです」
「どうして!」
「まさかご存知なかったのですか? 国への届出は済んでおりますし、今週末に行われる社交の場で婚約者の変更を周知するときいておりますよ。ですから問題はないはずです」
問題あるに決まっているだろう!
「ダンスのパートナーはどうするんだ?」
自分でも見当違いのことを言っている自覚はあった。問題はそこじゃない。でも想定外すぎて、どういうわけかこれ以外の台詞が出てこないのだ。するとチェチーリアの言葉の刃がラウルを貫いた。
「当然、ダリアでしょう。今までもそうだったじゃありませんか」
冷静に切り返す彼女の冷ややかな眼差しは、ラウルがかつて見たことのないものだった。
「私という婚約者がありながら、婚約者の妹をエスコートして入場し、ダンスのパートナーまで務める。そんなことをすれば、いつかこういう未来がくることも想像できたのではないですか?」
「だがそれは君が嫌がっていると、ダリアが言ったからだ。私と一緒に踊るのが嫌で、君は私が贈ったドレスや装飾品を彼女に下げ渡していたのだろう?」
「いいえ、気に入らないから下げ渡したことなんてありませんよ。エスコートも、ダンスも、ドレスも。姉として妹に譲るべきだと両親にきつく言われていたからそうしたまでです」
「は……おかしいだろう、それ」
「おかしいも何も、それが事実ですわ。それに最近はドレスや装飾品をダリアの好みに合わせて仕立てておりましたわよね。知らないとでも思っていました?」
ドレスを身につけたダリアは、見せつけるようにチェチーリアの前でくるりと回ってみせた。
『ラウル様が私のために仕立ててくださったの』
頬を染めて幸せそうに微笑んで。たぶんあのときに、チェチーリアはラウルへの愛を捨てる覚悟を決めた。ラウルは気まずそうな表情を浮かべて視線を逸らした。
「いやそれは……どうせ君が着ないのならいいかと」
「男性側の衣装とデザインを揃えた妹と、異なるデザインのドレスを着た姉。二人が並べば、どちらが婚約者かなんて一目瞭然でしょう。ですからたいした議論もなく婚約者の変更が認められたのです」
婚約破棄でもなく婚約解消でもない、婚約者の変更。これなら誰も傷つかない。
「貴族の婚姻は政略という一面もありますが、二人の間に愛があるなら、なお好ましい。今や二人は真実の愛を貫いた運命の恋人同士。社交界でも話題になっているそうですわ。よかったですわね、思いどおりになって」
「違う、そんなことは望んでいなかった!」
「そんなこといまさらおっしゃられても……信じられないというのなら、まずは家に戻られて事実を確認されてはいかがですか?」
「チェチーリア……」
思わず名を呼ぶと、困った顔で彼女は笑った。
「サバティーノ伯爵子息。癖で呼んでしまうのは致し方ないでしょう。ですが屋敷の外でお会いしたときは名前でなく家名のクレインでお呼びください。下手な噂を立てられてはダリアが可哀想ですから」
「だが、ダリアは外でも私の名前を呼んで……」
「親しさと、馴れ馴れしさを履き違えてはいけません。それこそ気遣いのできない人間のすることですわ。家族だからこそ、誤解を招かないように線引きすべきだと私は思います」
気遣いができないというチェチーリアの台詞は、ラウルとダリアの関係を当てこすっているとしか思えなかった。拗ねているだけか、それとも彼女の言うことは本当なのか。これが最後とばかりに、チェチーリアは決定的な言葉を口にした。
「私はもう婚約者ではありません。立場はきちんとわきまえておりますので、ご心配なさらず」
何の色も浮かんでいない顔は、清々したといわんばかりだ。こんなきれいに笑うことができたのか。見たものが信じられなくてラウルは言葉を失う。
「だ、だが君は私のことを愛していただろう」
「いいえ、もう愛しておりません」
誇らしげに胸を張るチェチーリアは幸せそうに笑った。
「さあ、お帰りください。私はこれ以上、ありもしないことで悪い噂を流されたくはありませんの」
チェチーリアの視線の先には怒りに震えるダリアの姿があった。あんな嫉妬に狂った醜い顔をラウルは見たことがない。あわてて馬車に乗り自宅へ戻ると、帰宅していた父親に詰め寄った。
「婚約者の変更だなんて、どういうことですか!」
すると父親は満面に笑みを浮かべて、こう言い放った。
「驚いただろう! わざと黙っていたのだ、おまえを驚かせてやりたくてな!」
「っ、なぜそんな余計なことを!」
「余計って、自分が上手いこと立ち回った結果じゃないか」
「は?」
「性格の合わない姉が疎ましくなって、気の合う妹に乗り換えた。そうなのだろう?」
「……どうして、そう思うのですか?」
「付き添いの使用人から聞いている。お茶会ではダリア嬢としか話さないそうじゃないか。チェチーリア嬢は終始黙ったままで、おまえと趣味趣向が合わないからだろう。それにここ最近、社交のパートナーを務めるのはダリア嬢だ。揃いの衣装まで作って、周囲に少しずつ二人の関係を認知させていったのだな。悪い噂の絶えない姉から、愛らしいと評判の妹に婚約者を変更するつもりだと。だからチェチーリアの悪い噂を否定しなかった。自分に瑕疵がないよう、上手いこと立ち回るものだと感心していたよ」
全然違う。自分の態度が想定もしていない方向に取られていたことで愕然とした。
「違います、そういう意図はありませんでした!」
「ならば、どんな目的があってあんな態度を取ったのだ?」
怪訝そうな顔で言われてしまえば答えに詰まる。どんな目的があったかだって? 目的なんてただひとつしかない。チェチーリアがラウルに縋ってくれればそれでよかった。
「クレイン伯爵曰く、婚約者の変更はチェチーリア嬢から申し出たそうだ。そうすれば誰もが幸せになれるから、と。自分の身を犠牲にしてまで家族に尽くすとは、冷たく見えて意外と情に脆い女性なのだな!」
そんな、チェチーリアまで。
「誰が何と言おうが、私は諦めませんよ!」
「諦めないもなにも、全てはおまえの行いが招いた結果だ。すでに婚約者の交代は国に申請していて、あとは承認の書類を待つのみだ。両家の署名入りの書類をいまさら取り下げにはできない。そんなことは生粋の貴族であるおまえに説明は不要と思っていたのだがな」
ラウルの顔色から、想定とは違っていたらしいと悟ったけれど父親は残酷とも思える現実を突きつけた。
「今週末の社交の場で公表すれば、おまえとダリア嬢が正式な婚約者と認められる。下手に動くとチェチーリア嬢が全ての責任を被ってくれたのに台無しになるぞ? もはや婚約者の変更は決定事項だ、諦めなさい」
厳しい顔をした父の言葉に唇を噛んだ。そんなことはない。婚約者の変更の届出は受理するまでに時間がかかると聞いた。つまりまだ受理されていないのならば、なんとか覆せるだろう。このときは単純にそう思っていた。
ところが、二日後。あらゆる伝手をたどって変更届を無効にしようとしていたラウルに、予想もしていなかった出来事が起きる。
「チェチーリアに縁談が⁉︎」
「しかも相手は隣国の第二王子殿下だ」
父が機嫌のいい顔をするわけだ。第二王子殿下はチェチーリアと同い年で貴族学院に在籍していた。勉学の成績が優秀でチェチーリアと常に上位争いをしていたから名前だけならよく覚えている。彼は聡明で努力家のチェチーリアを常日頃から好ましいと思っていたそうで、ラウルとの婚約がなくなったと聞いて、自国の王家を通じ、すぐさま彼女との婚約を申し込んだそうだ。
「悪評の立ったチェチーリアに縁談が来るとすれば、後添えが必要な高齢の貴族か、金はあるが性格に難のある貴族しかいないと思っていたのだが。運のいいことだ」
「……」
「他国の王家からの申し出であれば受けざるを得ないだろう。おまえとダリアが結婚すれば伯爵家とは縁続きになる。これで我が家も安泰だ!」
台詞の半分もラウルの耳には入ってこない。こんな短期間に次の婚約が決まるなんてことが本当にあり得るのか。
「ああ、そういえば届出が受理されて披露が終わればダリアはおまえの正式な婚約者だ。家を差配するのに必要な教育を行うから、来るよう伝えなさい」
「そんな……」
「騎士であれば、仕事で不在にすることも多い。彼女一人で社交と領地運営を行うこともあるから教育も厳しいものとなるだろう。最後までしっかり学ぶことができるようにおまえがダリアを支えるのだ。いいな?」
「……」
「姉が二年で修了できたのだ。同じくらい優秀だと評判のダリア嬢なら問題あるまい。愛らしく評判のいい娘が嫁いできてくれて鼻が高いよ。チェチーリア嬢は、たしかに優秀だったがとにかく愛想がない」
ダリアがチェチーリアと同じくらい優秀だと? そんな話、学院では聞いたことがなかった。
どうにも嫌な予感がする。全てが狂ったのはチェチーリアを失ったからだ。なぜ自分はあそこまでチェチーリアを追い詰めたのか。悪い噂を払拭することもせず、これ見よがしにダリアを連れて歩いた理由をようやく理解した。
追い詰められたチェチーリアに頼ってほしかったのだ。助けてほしい、彼女のその一言が聞きたかった。今や悪評にまみれたチェチーリアを誰も欲しがらないだろうし、孤独に震える彼女は自分だけを見てくれるようになるだろうと考えた。
そして必要以上にダリアをかまったのはチェチーリアに嫉妬してほしかったからだ。自分にだけ注がれる嫉妬心にまみれた暗い眼差しが心地よかった。彼女が狂おしく自分を求めてくれることが、ラウルにとってこのうえなく幸せだったから。
ほんの少し前まで、彼女は醜い嫉妬心を隠して笑っていたのに。あんな他人事のようにきれいに笑うなんて彼女らしくない。自分だけを求め、切なく笑う彼女の顔がもう一度見たかった。
ああ、きっと誰かに唆されたからチェチーリアは婚約者の変更なんていう馬鹿げたことを言い出したのだ。愛は物ではないのだから、そんな簡単に捨てられるわけがない。ラウルにこれほど深く愛されていると知れば、チェチーリアはまた戻ってくるだろう。ラウルはこの期に及んで二人の再婚約に可能性があると信じていた。
そして今夜、王城で社交の場が開かれる。ところが朝になって急遽ダリアが欠席するという知らせが届いた。婚約者変更の発表も延期する、と。届出に不備があったか。自分にとって、ますます都合のいい展開になったとラウルはほくそ笑んだ。
一人きりで出席したラウルの視線の先にチェチーリアが姿を現した。ああ、愛おしい我が婚約者。必ず君を手元に取り戻してみせる。そして取り戻したら、今度はもっと厳重に縛り付けて逃がさないようにしないと。珍しく明るい色合いのドレスで着飾ったチェチーリアの姿に会場の人々が騒めく。そういえば彼女が社交の場に姿を現したのは久しぶりだ。
「あれが噂のチェチーリア・クレイン伯爵令嬢だ」
「えっ、あの方が悪評まみれの伯爵令嬢だというの⁉︎ 聞いていた話とずいぶん雰囲気が違うわね」
「あんな洗練されたきれいな方だったかしら?」
相手の瞳と同じ金の装飾を身につけたチェチーリアは、輝くばかりに美しかった。表情や仕草も優美で、内面から滲み出るような知性を感じさせる。身につけるドレスは流行の型で襟ぐりが深くとられているが、元々、品の良さも持ち合わせているから全く下品に見えない。
なんてきれいなんだ……早く閉じ込めて、自分だけのものにしたい。
ラウルは欲望に塗れた視線を彼女に注いだ。すると彼女の横で豪奢な衣装を身にまとった男が視界をさえぎった。あれが縁談の相手、人のものに馴れ馴れしく手を出して不愉快な男だ。
だが相変わらずチェチーリアは幸せそうに笑っている。最近は見かけなくなっていた色鮮やかな笑顔。それはラウルだけのもののはずだ。嫉妬と怒りで胸が焼けつくように痛む。
やがて王族が近衛騎士を連れて姿を現した。会場を見渡した王は口を開く。
「本日、良き知らせがある。マウケーニア王国の第二王子エドガルド殿と我がセアモンテのチェチーリア・クレイン伯爵令嬢の婚約が整った。二人の婚約は両国の架け橋となるだろう」
祝福を! 掛け声に応じて、静まり返っていた場に盛大な拍手が起きる。人々の視線がクレイン伯爵と夫人に向いた。さぞかし喜んでいるのだろうと思えば、表情は固く顔色は悪い。すると王が再び口を開いた。
「また、チェチーリア・クレイン伯爵令嬢はモンタルク公爵家の養女となり、公爵家の庇護を受けて嫁ぐ。これは両国間で調整済みのことであり、王命であると心得よ」
しんとなった次の瞬間、人々のざわめく声が大きくなった。王命により、チェチーリアは公爵令嬢の身分を得て嫁ぐ。それは同時にクレイン伯爵家は娘を失うだけで、恩恵を享受することができないということも意味していた。どういうことだ? たしかに足りない爵位を補うため高位貴族の養女となって嫁ぐことはある。だがクレイン家の持つ伯爵位は他国の第二王子に嫁ぐとしても決して低くはなかった。
そして人々の不躾な視線が注がれるラウルが受けた衝撃はそれ以上に大きかった。
これではまるでラウルのほうが捨てられたみたいじゃないか!
一体、何が起きているのか。ラウルの隣では父が顔色を青くしたり赤くしたりと忙しい。クレイン伯爵家から恩恵を得られそうもないことに気がついたというところか。だがラウルもまた衝撃で動けずにいた。チェチーリアのいる場所と自分との間には、もはや見えない壁がそびえている。遠すぎて、視線が合うこともない。
お願いだ。もう一度、笑って。
ただ自分だけを見て、自分だけのためだけに生きてほしい。ラウルが願ったのはそれだけだ。噂を知る人々の好奇の目に晒されながら、ラウルはじっとチェチーリアを見つめている。
けれど、結局最後まで彼女と視線が交わることはなかった。