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クエスト失敗?

ここは北門から出た草原。卒業試験よりも近場で薬草採取クエスト。しかし、その内容は過酷なのだ。


「ウドちゃん、サボってないで、薬草見つけてよ…」


「嫌なのじゃ。本来ならば、妾の目の前で、大事な仲間を採取した瞬間、極刑なのじゃ。それに見過ごしてやっているのじゃ…寛大な処置なのじゃ」


そう言って、ウドちゃんは、小さな名もなき花を愛でていた…。


(一人、脱落か…)


「ご主人様ぁ〜!! みてみて、蝶々だよ! あはははっ。可愛いね〜」


(ぐっ。無理もないか…。今まで…辛く苦しい生活だったんだもんな…。元奴隷である犬亜人のミニンには強く言えない…。二人目の脱落者か…)


”どうせ、オレは傭兵だ”とか言って、何もしていないのだろうと、チラリとアデルを見る。しかし、驚くことに、せっせと薬草を採取しているではないか!! アデルは普段、残念な子なのだが、集中力だけは、凄いのである。一度、スイッチが入ると機会の如く働くのであった。


「ちょっと!! ベスパ! あなたが率先して採取しなくて、どうするのよっ!!」


元・聖女ルミナリアは激おこであった。何故か最近、やたらと怒られるのであった。


「は、はい…。が、がんばります…」


ベスパが薬草を探し始めると…。


「ちょっと!! ベスパ! もう少し離れて探してよ。ここいらは私が採取しているの!! で、でも…そ、そんなに…私が好きなら…べ、別に構わないわよ?」


パン屋の三女で狩人のアルネが、そんなことを言ったもんだから、他の女の子の視線がベスパに集まってしまった。


(こ、これは…罠だ。どんな返答をしても…確実に、誰かの機嫌が悪くなるパターンだ)


ジィ………。強烈な殺意に晒されている…そのとき。


「ベスパさん、あの岩の反対側に、沢山薬草ありましたよ?」


影の精霊使いカスーレイナちゃんは、とても空気が読める良い子なのだ。ベスパの危機に駆け付けてくれたのであった。


「あ、う、うん。じゃ、そっち行ってみるかな。は、はははははっ」


ベスパが移動しようとした…そのとき、ベスパの周囲が暗くなる。


「うん? 曇り? いや、影?」


ベスパが上空を見上げると、一匹の巨大な竜が、ベスパに向かって舞い降りてきていた。


ウドちゃんとドワーフ娘で謎の傭兵アルデルは、ベスパに駆け寄るが、竜の翼の羽ばたきによって、かなりの距離を石ころのように回転しながら、弾き飛ばされてしまった。


ドスンっ!! と、ベスパの目の前に下りた竜は、青い鱗で覆われていた。その大きさは、街の門よりも高く、ベスパなど足の爪のサイズでしか無かった。


『遥か昔の盟約により、雌雄を決すため、再び…かの地から舞い戻ってきた。さぁ、戦え、人間よ!!』


ベスパは硬直してしまう。恐らく、頭の中は真っ白で、何も考えられていないのだろう。そう、竜の言葉には、魔力が込められており、MNDが低い人間など…。あれ? MND高いけど…。


「か、かけぇぇぇぇぇっっ!!」ベスパは興奮していた。

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