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カスーレイナの事情聴取

ウドちゃんと領王指定冒険者マーナビルが打ち合いをする大部屋で、カスーレイナの事情聴取をギルドマスターのデットが始める。


「カスーレイナ。誰にも聞かれたくないのであれば、別室も用意できるが?」


「いえ…。先程までは、そのように考えていました。ですが…。ベスパさんに抱きつきながら、泣き叫ぶ、ルミナリアさんの話を聞いて…。私も…一人では何も出来なかったことを…認めようと…」


一緒に座っていたルミナリアは、「わ、私はっ! 抱きついたら安心するかもとか…ち、違うわっ!! そう、何か、そう、体が勝手によっ!? もうっ!」と、年下の女の子の発言に右往左往するのであった。


「私の一族は、特定の精霊…闇や影を集めた、精霊使いです。その中でも、一番力の強い使い手が、よくわからないのですが、一族の私と兄以外を殺して…消えてしまったのです。それで…兄は、ずっと復讐のために追いかけているのです。また…その兄を私も追いかけていたのです。深くは言えませんが、ベスパさんと出逢って、私は私の人生を歩む決心がつきました」


「うん? 何か…。話が自己完結しているが…。君の話が事実だとするならば、恐らく…一番力の強い使い手というのが、現在…領地内で暗躍している闇などを操る謎の人物ということになるのだが…。まぁ、何も証拠があるわけではないのだがな…」


カスーレイナは、膝の上に置いた小さな拳をぎゅっと握り、「はい。間違いないと思います。ですが…領地にとって…敵なのか、どうかは…私にはわかりません」と震える声で言った。


「今の発言でカスーレイナ。君は、その人物から狙われる可能性が出てきたのかい?」


「わかりません。なぜ、兄と私だけ助けたのかも不明ですので…」


「そうか、では、君もベスパたちと行動を共にしてもらうよ。問題あるかな?」


「いいえ。私からもお願いしたいのです。ベスパさんは、ミニンの主人ですから」


ベスパは、奴隷の契約書をテーブルの上に出す。


「この契約主をカスーレイナちゃんに、変更すれば良いんじゃないの?」


デットの表情が曇った。


「これは…駄目だ。契約解除不可・契約者変更不可の期間固定契約ってやつだ。しかも10年間契約だ」


「えっ!? 10年も!?」


ベスパは困った。話したこともない女の子と10年も一緒なのかと…。


「あぁ…。その前に教えてくれ、カスーレイナと…この奴隷は…どういった関係なんだ?」


「ミニンは…犬亜人です。奴隷商人モドレノーズに酷い扱いをされているところに、偶然通り書かたのです。それで…つい…カッとなってしまい。精霊さんにお願いして、懲らしめてもらったのですが…。逆に…」


「捕まったのよね。そのあとの事情は…未成年者の犯罪を扱う神殿の仕事なので、よく覚えているわ。貧民街の住民以外で、神殿まで連行される未成年者は少ないの。カスーレイナは、純粋に犬亜人を助けたいだけで、その後は…奴隷商人モドレノーズとも和解が成立して、ミニンを買う予約までしていたのよね?」


「はい。ルミナリアさんの言う通りです。ベスパさん、ミニンのことを…お願いします」


そっとベスパの手の上に、自分の手を乗せたカスーレイナ。


(あっ。ベスパさんの手に触ってしまった…。温かいな。やっぱり…私…ベスパさんの事を…)


「こらぁっ!! そこの黒いのッ!! ベスパに触ってはいけないのじゃっ!?」


「あっ。隙きあり!!」


ポカンとマーナビルに頭を叩かれるウドちゃんであった。



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