暗殺者を釣ろう!
冒険者ギルドには、心を読むかも知れない最強の門番がいると、裏社会に噂が流れ始めた。中には噂の検証に、格安の暗殺者を送り込む組織がいて…噂が噂でなく事実と立証されてしまった。
安全地帯になればなったで、暗殺者ホイホイの冒険者ギルドに、情報源が入らなくなる。
「そこでだ!! ベスパ、街をお散歩してきなさい」
冒険者ギルドのマスターのデットの思いつきで、ベスパは餌として街に放たれた…。
騎士ノーマスさんとウドちゃんに脇を固められ、お小遣いを貰ったベスパは、街を練り歩く。ベスパとしては、居酒屋で働きながら、休み時間にノーマスさんとする実戦形式の稽古が良かったのだが…。
「まぁ、気持ちを切り替えて、ちゃちゃっと、実績上げましょう!!」
「ノーマスさんって、ポジティブですよね…」
「はははっ。そうじゃなければ、子供の護衛などしてられるかっ!!」
(空気読めないタイプでもあるんだよな…)
すると目の前から、聖女ルミナリア様御一行が、こちらに向かってくるじゃないか!? 聖女ルミナリア様の護衛は、ウドちゃんの顔を見るや否や青ざめ始めた。
「敵、発見なのじゃッ!!」
ウドちゃんは怒鳴り声を上げると、両手剣を片手で持ち、聖女ルミナリア様の護衛に向かって走り出す。護衛の二人は、聖女ルミナリアを置き去りにして、ふた手に分かれて逃亡を始める。
「ノーマスは、向うの奴を捕まえるのじゃ!!」
取り残された、きょとんフェイスの聖女ルミナリアを目が合う。
「あの…これは一体??」
(そーですよねー。そーなりますよねー。えっ!? 俺が…説明するの!?)
そして輪を掛けるように、また何の予兆もなく…大地震が発生する。
「いやっ!!」
聖女ルミナリアが可愛い声を漏らす。
(よく見れば、中々、可愛い顔しているなぁ……。でも、おっぱいナッシングっ!?)
ベスパと聖女ルミナリアが立つ地面が陥没する。
「きゃっ!!」
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ベスパはエロい事を考えていたため防御を意識できず、数メートルの高さから地底に叩きつけられ、意識を失っていた。
ルミナリアは崩落の際に落ちてきた固い岩盤に右腕を押し潰され、必死に痛みを耐えていた。
「この…岩盤を動かさなければ…治癒が出来ない…。でも…痛みで…集中できない…ま、魔法が使えない…。あの…男の子も、頭から血を流しいるわ。わ、私が…頑張らないと…」
ルミナリアは考える。最悪、右腕を失ってでも、男の子を助けなければと。しかし…重症のはずの男の子は、何もなかったかのように立ち上がると、ルミナリアに向かって歩いてくる。
「大丈夫か? 今、岩、どかしてやるからな。もう少しの我慢だぞ」




