新しい魔法
「そうじゃ。もう朝なのじゃ! 人が来る前に、この種を渡しておくのじゃ。しっかりと食べるのじゃぞ? まったくもう…心配させよって…」
どらいアドちゃんは、ベスパに種を渡すと、精霊樹の中に引っ込んだ。
どらいアドちゃんの行動を不審に思いながらも、きっと心配してくれていたんだろうと、女心のわからないベスパはモグモグと種を食べる。
■名前:ベスパ ■種族:人間 ■クラス:治癒術師(Lv13)
■HP:176/176
■MP:282/282
■STR:5(+96)
■DEX:6
■VIT:3(+85)
■AGI:5
■INT:3
■MND:23(+162)
■LUK:8
■CHA:12(+195)
■保有スキル:止血Lv1、再生Lv2、回復Lv2、解毒Lv1、解熱Lv1
■ボーナスポイント:24
神がかりなCHAを手にしたベスパだった。
接客担当のお姉さんであるミレさんが来る前に、お風呂に入っておかないと、また裸を見られちゃう。俺だって、もう15歳なんだよな。正直、恥ずかしい。
風呂上がりに、自分の顔を鏡で、何となく見たベスパだったが、俺って…こんなに…カッコ良かったか?
「いやいや、何自分で言っちゃってんだよ…」
今日は、休日のため短期冒険者講座は休みだ。という訳で、アルネと一緒に、ジュエルスの妹リリルの治療のため、神殿直轄の病院に行く予定だ。
朝食を食べ終えた頃に、冒険者ギルドが開店する。ベスパは他の冒険者たちがクエストを受注して出て行き、ホール内の人が減ったのを確認すると、受付嬢のアレーラさんに話しかけた。アレーラさんは、俺の顔をジッと見つめて硬直してしまうが、俺が呼びかけると慌てて仕事に戻った。そして、古代の塔でドロップしたアイテムの配分分をお金に換算すると、治癒魔法を覚えるときに冒険者ギルドから借金していたローンの返済にあてた。
ベスパは、リリルの容態を知らないが、自分の持つ治癒魔法に病気を治す魔法がないことに気が付く。
止血は出血の即時止血。再生は傷口や部位の再生。回復は失った体力の回復。解毒は体内の毒を浄化。解熱は病気による発熱を和らげるだけで、病気自体治すわけではないのだ。
「アレーラさん。治癒術師が覚えられる魔法って、他に何かありますか?」
アレーラさんから、魔法カタログを借りて調べると、診断と治療の2つの魔法があり、取得用巻物を購入する。
「ベスパさん。ローンにしなくても、冒険者ギルドで預かっている分で、一括の支払いが可能ですが、いかがいたしましょうか?」
「突然、お金が必要になることもあるので、ローンでお願いします。クエストで稼げるようになったら、一括返済を考えます」
「畏まりました」
診断と治療のに種類の魔法を覚えていると、約束の時間通りにアルネがやって来た。アルネも俺の顔を見て硬直してしまった。俺の顔に何かが付いているのか?
アルネも取り分のドロップアイテムを換金する。
「ベスパ。病院の帰りに、武器屋に付き合ってよ。古代の塔で弓を無くしちゃったから、新しいの買いたいの」
顔を赤らめ、目を逸らし、モジモジと体を揺らしながら、アルネは言った。




