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七日後

初日は素振りだけで体がガタガタになった。素振りは三日間続けられ、四日目からは素振りの後、ベスパの回復魔法により無理矢理コンディションを整える。そして実戦形式での素振り1,000回が追加された。


「はぁ、夢にまで…弓矢が出てくるようになったわ」


休憩時間にアルネが木陰で空を見上げながらボヤく。


「俺は…感謝している。早く、剣を作りたい。今なら、もっと良い剣が打てる」


アロックは充実した毎日を過ごしているようだ。


そんな二人を見ていたベスパも楽しくて仕方なかった。父親と同じ剣闘士の正拳突きが学べるのだ。


「でもさぁ、カーデル教官凄いわよね。2回に1度は良い感じで射れるように調整してくれて、もう1度は確実に、ふっ飛ばされるけど…何が悪いのか、直接、体に叩き込んで、教えてくれるんだもん」


「あぁ、たまに肋骨とか折れるけど、ベスパの魔法で治っちまうからな。いつの間にか痛みで気絶しなくなったぜ」


「知ってたか? 俺の回復回数も計算に入れて、ダメージ与えてんだぜ? 恐ろしい教官だよ」


そんな話を聞いて、笑いながらカーデル教官が近づいてきた。


「お前ら、変態だろ? よし、明日は学園が休みだ。しっかりと休んでおくように。で、明後日だが、一週間、山ごもりで家に帰れないぞ。ちゃんと保護者に伝えておけよ。捜索隊など出されんようにな。さて、本日2回目の実践素振りだ!」


体力も魔力も空っぽになった状態で、冒険者ギルド兼居酒屋に戻る。フラフラの状態で自室に行こうとすると、接客担当のお姉さんであるミレさんと遭遇した。ミレさんは居酒屋が休業中でも、料理の修行のため、毎日来ていたのだ。


「だ、大丈夫? ベスパ。うわっ。汗臭いわよ。もうっ! ほら、お風呂に行きましょう!」


ベスパはミレさんに衣服を剥ぎ取られると、急速湯沸かし魔道具により、お湯張りした湯船に沈められた。ミレさんは袖を捲くって、湯船に浸かるベスパの体を洗い始める。


(あら? ベスパも…筋肉なんて付いちゃって、何だか、男の子っぽくなってきたわね)


ベスパは気持ちが良いのか、湯船の中で眠りについてしまった。


(ふふっ。まだまだ子供ね。でも、もうすぐ…冒険者になって、街からいなくなっちゃうのかな?)


急に寂しくなったミレだったが、それよりもベスパの成長を嬉しく感じていた。寝てしまったベスパに下着と服を着せるのに手間取ってしまったが、コック長のプリントさんが手伝ってくれたため、ベスパをベッドに寝かせることができた。


「ベスパも…いつまでも子供じゃないんだな」感慨深そうなプリントは、目に涙を浮かべていた。


ベスパが赤ん坊の時からずっと成長を見守っていたのだ。当然だろうと、ミレも目が潤んだ。


深夜、誰も居なくなった居酒屋のホールに、ベスパはいた。どうやら、ベスパは、どらいアドちゃんに怒られているようだ。


「どういうことなのじゃっ! 受付嬢のアレーラ、アロックの妹パンナ、パン屋のアルネに欲情したのに、なぜ? なぜ妾に欲情しなかったのじゃ!」


「一週間も前の事を、突然言われても…。どらいアドちゃんは、俺にとって、神様と一緒なんだよ。神様に欲情なんてするわけないし…。例え、神様じゃなくても、俺には母親と同じ感覚なんだよきっと…」


「神様? 母親? 何を言っておるのじゃ!! もっと妾を見て、感じて、欲しいのじゃ!!」


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