パンナの初恋
アロックは、父親と妹の三人で暮らしていた。母親は肺の病気らしく、空気の綺麗な村で暮らしているらしい。ご飯は1歳年下の妹パンナちゃんの手料理だった。アロックと30分ぐらい通知に書いてあった学園での講習内容をあーだ、こーだと、予想していたら、パンナちゃんが、「ご飯ができたよー」と呼びに来た。
ベスパは、先に座っていたアロックの父親に挨拶をして席に座る。
「お前が、ジーゼのところのガキを助けてくれたのか、奴に変わって、例を言おう。ありがとよ、これで、また元気なガキの顔が見れるってもんだ」
「聞いたわよ。ベスパさん。凄い治癒魔法何だってね。みんな…」
「おい、パンナ。先に食べようぜ」
アロック達、三人は鉄の神と火の神に祈りを捧げる。ベスパも見様見真似で祈りを捧げた。食べ始めようと知るベスパに、パンナは味付けに関して説明した。
「ごめんなさいね。お父さんとお兄ちゃんが、工房で汗だらけになるから、塩分の多い味付けなの」
ベスパはパクリとパンナちゃんが作った肉料理、ヒノコ鳥の塩焼きを食べる。
(うん? 居酒屋の料理と同じくらいの味付けだな。)
「大丈夫。いつも食べている味と同じくらいだよ」
「えーっ。ベスパさん、それ病気になりますよ」
アロックが父親に、 短期冒険者講座の事を話すと、父親は「行って来い」と背中を叩いた。元々冒険者にならなければならないのだ。何の問題があるのだと。
「するてぇと、明日から学園へ行くのか。すまねぇが、今日中にあと3件ほどの依頼を終わらせてぇな」
「うん。あっ、ベスパ悪いけど、俺、食べたから、先に工房に行くよ。ベスパはゆっくりと食べててくれ」
「うん。全然構わないよ。俺も、アルネの家に通知を届けなくちゃならないからね」
「じゃ、学園で」とアロックは笑顔で父親と一緒に工房に向かった。
残されたベスパとパンナは、お互いに異性を意識し始める。
「ベスパさんも、冒険者になるの?」
「うん。両親ともに死んじゃったけど冒険者だったから。どんな世界を見て、どんな事を感じていたのか、俺も…体験してみたいんだよ」
「へぇ…。ベスパさんは、ここらの男たちと違って、筋肉モリモリでも汗ダラダラでもなくて、ちょっと素敵です」
パンナは脳筋ではなさそうな、ベスパをひと目見たときから、好きになってしまっていた。
「いや、本当なら、筋肉モリモリになりたかったけどね。どうやら母親の能力を受け継いじゃったみたいだ」
「全然、こっちの方が良いです!」
ベスパはパンナと共に、後片付けをする。
「へぇ〜。ベスパさん、女子力高いですね!」
「うん。片付けとか、食器洗いは、毎日やっているからね」




