第二十六話 自己暗示
のは良いが。
お母様が必死に笑うのをこらえてるのが分かる結果になった……。
だからと言ってそれに黙っているあたしじゃないのだ!
「もう、二人して笑わなくてもいいじゃん……」
あたしはそういった。
うん。
確かにそう言ったけど。
おかしいな?
拗ねてる感じになったよ?
あたし、もっと強気で言ったつもりだったんだけどな……。
…………気にするもんか!
そう思ってお母様に回してる手に少し力を込めて、ギュッと抱き着いた。
………………なんでかな。
自分の首自分で絞めてる気がするよ?
……気のせいだ!
うん、そうに違いない!!
ここはさりげなく。
本当にさりげな~く、お母様から距離とって、っと……。
あたしはゆっくりかつ、さりげな~くお母様から体を離す。
そう、お母様を不審がらせないように。
……っ。
さっきまで視界の端にあったの、お兄様の足だけだった。
なのにいつのまにかお兄様がしゃがんでこっち見てる!
おまけに、ニヤッてしてる!!
絶対気づいてるな……!
ふっ。
だが、そんなの効かないのさ!
あーっはっはっは!!
さてと。
このまま手を離して、っと……。
…………。
……どうしよう……。
お母様が不思議がってるの、手に取るように分かるんだけど……。
なんで?
怪しい所なんてなかったはず……!
あたしはそう思って抱き着いてくれてるお母様の右腕にそっと右手を置いた。
お母様の手がぴくって動いて、ゆっくり。
と言うかぎこちなく離れていく。
うん。
順調!
そう思って後ろに下がった。
って。
すぐ後ろに座ってたソファーがあるから、ほんの少ししか下がれてないんだけどさ……。
まぁ、一応距離は取れたからよしとする!
……でも、再びどうしよう。
お母様からすっごく落ちこんだ気配がっ……!!!!
怖くて顔が見られません!!
あ、ちなみに言い忘れたけど、お母様は膝をついて抱き着いてくれてます。
……あたしが『チビだから』とかそんなことないよ?
………………多分……。
うん。
そう。
お母様は優しいから、あたしみたいな幼い子供にはしゃがんでくれてるんだよ。
……早く身長伸びないかな…………。
ハッ!
危うく自分がチビだって自覚すとこだった!!
って。
何言ってんだあたしぃぃぃ!!
あたしはチビじゃない。
そうだ、成長期なんだ。
成長期が来るんだ。
はい、オッケー!!!!
もうばっちり!
……って。
こんなこと考えてる場合じゃないよ!
お母様だよ、お母様。
……どうしよう。
本格的に落ち込みモード突入しちゃってるみたい。
……どうやってなくさめよう…………。
……………そうだ。
お兄様が居るじゃないか!
さぁ。
助けてくれてもいいんだよ?
そう思ってお兄様に目を向けると、フッと冷笑を浮かべた。
……ご、ごめんなさい。冗談です。
助けて下さい。
お願いしますぅぅぅ……。




