第二十一話
「はいはいニコちゃんこれ夢じゃないからねぇ~」
ふざけたような、馬鹿にしたような、間抜けのような口調と声で、笑って言ったルファネスさん。
正直ちょっとムカついた。
っち……。
もう、せっかく現実逃避したのに!
「ところでニコちゃん。本当に旅に出るの?」
「う~ん……。そのつもりだったんだけど、さっき解決しちゃった」
ウィルロットさんの問いに、あたしはそう言って、笑った。
つられるように、ウィルロットさんが「良かった……」って言って安堵の表情を浮かべたんだ。
やっぱり心配かけてたみたい……。
あ。
そうだった。
早く帰ってお父様とお母様、執事さんに、ギルデさんたちに「行かない」って報告してこなくちゃ!
「あたし、帰って皆に『行かない』って言ってくるね?」
「あぁ。きっとみんな喜ぶよ」
微笑むウィルロットさんと、頷くルファネスさん。
あたしは二人に別れを告げ、ディティナと一緒に執事さんとの待ち合わせ場所。
つまり、ディティナが引いて来た馬車のあるところ。
で、馬車の近くには執事さん。
すっごく難しそうな顔してる……。
なんでかな。
近寄りたくないな…………。
ふふふ。
いやだな、ディティナ。
そんなに足音たてたら気づかれちゃうでしょ。
って、もう遅かった……。
目の前に執事さんが安堵の表情で、すごい威圧感を発してるよ……。
「お嬢様。試合が終わり次第、お戻りになられるとの事でしたが、ずいぶんと長くかかったようですね」
痛い!
執事さんの冷たい視線が痛いよ!!
そしてディティナ!
同情するような視線でみるのやめて!!
「…………お嬢様……?」
あ、いけない!
考えに耽りすぎた!!
執事さん、眉間に皺寄せるのやめて下さい。
本当に、切実に……。
怖いです…………。
「あ、えっと……。レティさんに連れてかれて…………。その、帰ろうとしたら、迷子……に、なっちゃって…………。その、心配かけて、ごめんなさい……」
「…………お嬢様……」
頭上から呆れたような声。
やばい!
目が泳ぎ過ぎてたか?!
いや、そんなこと、そんなことないはず!!
そう、きっと大丈夫!
執事さんはあたしの目が泳ぎまくって、きょどりまくってたなんて気づかないはず……!!
あぁ顔が熱い!!
「心配したんですよ……?」
困った顔で言った執事さん。
って、なんで執事さんの顔が見えてるんだ?
あたし、見上げてないんだけど……。
あぁ。
しゃがんでるんだね。
…………やばい。
あたしの頭の中がちょっと壊れかけてる……。
はいソコ!
とっくに壊れてるとか言わない!!
「ごめんなさい。次からは気をつけます……」
「よろしい。それと、目が泳ぎすぎている上、そわそわし過ぎです。迷子になって恥ずかしいのは分かりますが、そんなに不審過ぎると心配になります」
「……あ、はい。気をつけます…………」
気づかれてたーー!!
執事さんそこは見なかったことにしようよ!
なんで見なかったことにしてくれないのさ!!
って、ん?
その手は何?
「お嬢様。ディティナをこちらへ。奥様がお待ちです。お屋敷に戻りましょう」
執事さんはさっきまでと打って変わって、ふわりと笑った。
「うん!」
良かった。
結構機嫌良いみたい!
久しぶりの投稿です。
待っててくださった方々、本当にすみませんでした。
本編のプロットが固まって、ある程度進んだので投稿開始しました!
とりあえず、本編に引っかからない程度に書こうと思います。
こっちはプロット立ててない上、暴走気味なので、本編から遠ざけるつもりです。(笑)




