第十一話 二人だけでやってください。
「あ、そうだったわ! アン。ニコちゃん連れて来たら話すって言ったでしょ?」
唐突に口を開いたレティさん。
それに、スティアナ様が顔をうずめてたクッションから顔を上げた。
で、そのクッションを抱きしめて、目から下を隠すようにあててる。
「…………レティが変な話するから……」
若干すねた口調のスティアナ様。
ついでにクッションのせいで声がくぐもってる。
うん。
絵になるね。
「あら、あたしのせいなの?」
「えぇ。レティが変な話しなかったら話してたわ」
「う~ん、ごめん。からかい過ぎたわね」
「もう、レティったら。反省しているの?」
「えぇ。百分の一ほど」
「……全然反省してないわね」
「ごめんって」
「もう。レティったら……」
「えへへ~」
「……………………」
へラッと笑う反省の色のないレティさんに、呆れてスティアナ様は黙った。
うん。
取り合えず、『あたしを連れて来たら話す』って何を?
「ほら、アン。ニコちゃんが不思議そうよ? 話したら?」
「…………そのことだけど。ねぇニコちゃん、ロイドさんは生きると思う?」
え?
突然なに?
お兄様が生きてるかって?
生きてるよ。
きっと。
だからお兄様を探し出して、けちょんけちょんにして、縄で縛って連れて帰ってくるんだから。
『帰らない』って喚いても、引きずって帰ってきてやるんだから!
「うん。生きてると思う。だから、あたしお兄様の手がかりを探してるんだよ?」
「そう……そうよね。ニコちゃんの言うように、私も、信じてみようかしら」
スティアナ様はそういってふわって笑った。
「で、アン。ルー兄はどうでも良いから、どうして急に前向きになったのか、教えてくれるんでしょ?」
「えぇ、実はね。あたしが、その、ね……」
「自殺はかった時ね。はい、続き続き!」
「……うん。で、気づいたら真っ暗な所でロイドさんと、お父様にあったの。二人とも困った顔をしていたわ」
「そうでしょうね」
あきれ顔のレティさん。
そんなあからさまな……。
ほら、スティアナ様苦笑いしてるよ。
「えぇ。今思えば、馬鹿だったわ。それに、ロイドさんに「何をやっているんだ。早く帰りなさい」って叱られて、お父様に背中を押されたの。で、目が覚めたら泣きはらした顔のレティに、抱き着かれたわ」
「ホントに心配したんだからね? もう二度とあんな思いしたくないんだから」
「えぇ、ごめんなさい。二度としないわ」
「約束よ?」
「えぇ。約束」
そういって指切りするレティさんとスティアナ様。
……あたし、必要…………?
いらなくない?
いっそ帰らせてくれないかな?
だって、二人とも楽しそうだもん……。
あ~あ。
早く王宮から出て行きたいな……。
あたし、図書館に行きたいんだよ。
すっっっごく。ね?




