↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
変人公爵一家の義娘  作者: 双葉小鳥
第一章 変人公爵一家の義娘
5/168

第五話 置いてけぼり

 それからしばらくして。

 あたしはお父様にいった。

「あたし、執事さんみたいになりたいの」

 自分でやっておきながら、気持ち悪いくらい猫なで声でいった。

 やりすぎたかな?

 いや。効果覿面だ。

 お父様とお母様、すっごく悩んでる。

 もうちょっとで落とせる!!

「ダメ……?」

 悲しそうな顔を作って、小首をかしげる。

 そんなあたしを見て、お父様とお母様がうっと呻く。

 これで落ちないとなると、泣き落としね。

「ニコラ、お父様とお母様のために何かしたいの。でも、やっぱりダメ、だよね……」

 軽く涙目で俯いていう。

 そんなあたしにお父様とお母様が慌て、もちろんいいよと了承してくれた。

 ちょろい――じゃなかった。

 やったね!

 これで公爵家の養女にならなくれ済む!!

 それに、お父様たちがあたしを娘って言ってくれるのは、すっごく嬉しい。

 でもね。

 お爺とお婆のように殺されてほしくないの。

 あたしが孫だったから、二人は殺された。

 だから、ね。

 いくらお父様とお兄様、執事さんが剣術に長けているって言っても、心配なの。

 あたしのせいで死んじゃったり、怪我したら嫌だ。

 それだけは絶対に。

「ニコ。お前は私たち夫婦の娘だ。それを忘れないでほしい」

 さっきまで鼻水たらして泣いていたお父様。

 お母様にハンカチで顔を拭かれながらいった。

 なんでかな。

 すっごく複雑。

 でも、言葉だけならすっごく嬉しい。 

「食事は今までのように、一緒に食べれるのよね?」

 お母様が、お父様の顔を拭き終えて、振り返って言った。

「うん。ニコラも一緒に食べたい!」

「あぁ、良かった」

 そういってお母様が、ほっと息を着いた。

 すっごく嬉しそう。

 でも、あたしもお母様と同じような顔をしているような気がした。

 だって、心がほっとするの。

 あたしはここに居てもいいんだ、って。

 すごく安心するの。

「それじゃ、ニコのお仕事用のお洋服を作ろうかしら」

 お母様が嬉々として言う。

 ていうか、作るって自分で?

 違うよね?

 だって公爵夫人だよ。

 貴族の中ではすっごく上だって執事さんに教えてもらったよ?

 それと、お父様はもとは王子様だったらしいの。

 でも、お父様のお兄様が、王様になったから、お父様は臣下になったんだって。

 お母様はもとは平民なんだよ。

 王様が、いろいろやって、没落した男爵家の娘ってことにしたんだって。

 お母様が言ってた。

 最初はお父様たちの結婚に、王様は反対してたんだって。

 でも、お父様がちゃんと説得したら、納得してくれたんだってさ。

 お父様が自慢げに話してくれたの。

 でもさ、お父様に他人を説得なんてできるのかな?

 う~ん。

 お家の敷地から出たら、初めて会った時のような、立派な人になるからなぁ。

 それも一瞬で。

 あの変わり身の早さはちょっとだけ怖いかも。

「ねぇ、ニコ。何色がいい?」

「え? 何が?」

「お仕事で着る、お洋服の色よ」

「………………青系?」

 考えて出た答え。 

 なんでかお父様がすっごく驚いてる。

「ニコにはピンクだろう!」

 ……そんな真剣な顔で言われても…………。

 あたしピンクより青が好きだもん。

 優しくて、きれいなお空の色。

 海の色っても言うのかもしれないけど、あたしは海を見たことないの。

 だから、海がお空と同じ優しくて、きれいな色だったらいいな。

「聞いてる?」

「…………うん」

 思考を別のところに飛ばしていたあたしに、お父様が問う。

 なんでお父様は、ピンクしか選ばないのかな。

「ニコにはピンクが一番似合うんだ!」

「私もそう思うわ。でも、ニコが青系がいいって言うんですもの」

「うむ。どうするか」

「水色の生地にしたらどうかしら?」

「あぁ、それがいい。ということだ。ノエル」

「畏まりました」

 勝手に話が進んだ。

 あたしに聞いてくれないんだ。

 まぁ、わかってたけどさ……。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。