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変人公爵一家の義娘  作者: 双葉小鳥
第一章 変人公爵一家の義娘
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第四十八話 鼻歌

「ふ~んふんふんふ~、ふーふふんー」

 楽しげな鼻歌で目が覚めた。

 誰だろ?

 鼻歌が聞こえる方に顔を向けた。

「あ、お嬢様。おはようございます」

 鼻歌の主は、ベットの端に座って、落ち着いた声で言った。

「リディさん……?」

「はい。リディでございます」

 微笑みを浮かべる、リディさん。

 ハッキリ言おう。 

「……不気味。違和感しか感じない」

「………………ひどい……私泣いちゃうもん!」

 リディさん両手で顔を覆って、「うわぁーん」と泣き出した。

 あれ?

 思ってたことが口から出てたみたい。

 ……って、そうじゃなくて! 

「ご、ごめんなさいリディさん! そう言う意味じゃなくて、バカっぽくて、子供っぽくて可愛いリディさんが好きって意味だよ!!」

「うわぁーーーーーーん! ニコちゃんがホントのこと言ってアタシをいじめるぅぅううぅ!!」

 あれ?

 励ましたつもりなのに、なんかより一層泣かしちゃったよ?!

「あぁぁぁ。そうじゃないの! そうじゃなくって、いつものリディさんが大好きって言ってるんだよ!!」

「…………………………ホント……?」

「もっちろん!」

「ならいいや!」

 必死のあたしにリディさんは、ケロッとして言った。

 軽!

 そして、涙の痕がない……。

 てことは……まさか、嘘泣き?!

「騙しましたね、リディさん!」

「ふんだ! ニコちゃんがホントのこと言うから悪いんだもん!!」

 リディさんは、「気にしてるんだから!」っていって頬をふくらませて、そっぽを向いた。

 ……そういうところがバカっぽくて、子供っぽくて可愛いんだよ?

 リディさん、それに気づいてるのかな?

「ごめんなさい。でもあたし、いつものリディさんの喋り方が良いな?」

「……しょうがないなぁ。じゃぁニコりゃん………………ニコちゃんの、リクエストにお答えしちゃうよ!」

 ……『りゃん』?

 『ニコりゃん』って……。

「ありがとう。でも、『ニコりゃん』は無いよ……」

「てへ。『ニコちゃん』と『リクエスト』が混ざっちゃった」

 リディさんは「失敗失敗」って言って、自分の猫耳を触りながら、舌をペロッと出して笑った。

 そして、ベットの上にあるしっぽが、小さく揺れる。

 うん。

 忘れかけてたけど、リディさんは猫の異形だったね。

 当たり前のこと過ぎて忘れてたよ……。

 って、あれ?

 確か朝、お兄様が起きて……。

「?! リディさん、あたし何時間寝てた?!」

「んと今は、ニコちゃんが倒れたその日の夕方だよ?」

 リディさんは、片手の人差し指を立てて頬に当て、小首をかしげた。

 思いっきり甘える猫みたい……。

「そう、なんだ……。ところでお兄様は?」

「え? 若様は起きてから、リビングだよ?」

「ふ~ん。そうなんだ」 

「で、笑顔で怒ってる怖ぁいノエルさんと、その子供たち。後、泣きながら怒るイトコ様方にお説教されてるよ」

 うわぁ……。

 執事さんだけならまだしも、ウィルロットさんとレティさんもかぁ……。

 あの二人はさすが親子って、感じの起こり方するんだよね。

 ついでに。

 イトコ様方=王子様と、王女様。

 二人は器用に泣きながら怒る。

 ちなみに、こうなった王子様と王女様は厄介だ。

 なかなか泣き止まないという、厄介な性質を持っているからね。

 がんばって、お兄様。

 自業自得だよ?

 まったく。

 お兄様は、無鉄砲なお父様に似なくていいのに……。

 まぁ。良い薬だよね。

 しっかり反省してもらわなくっちゃ!

 皆心配したんだから。



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