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変人公爵一家の義娘  作者: 双葉小鳥
第一章 変人公爵一家の義娘
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第二十一話 昼食

 どうしてお兄様は完璧で、隙がないのかな……。

 もしそれを見つけたら、徹底的に突いてやるのに!

 ――コンコン。

「お嬢様」

「どうぞ」

「失礼いたします」

 あたしのお部屋の扉が開いた。

 そこには、ギルデさんがいた。

「どうしたの?」

「何がでしょう?」

 あたしの質問に、その場に立ったままのギルデさんが質問で返してきた。

 なんなのさ……。

 じゃあ、具体的に言お。

「どうしてそんなに心配そうな顔してるの?」

「…………お嬢様が、私どもとのお約束を破られたからです」

 ギルデさんはゆっくりと言った。

 何のこと?

 あたしが『約束を破った』?

 いつ?

 あたしは皆にいわれたように、約束は破ってないよ?

 小首を左右に傾げてると、ギルデさんがため息をついた。

「……もういいです、忘れて下さい。ところでお腹、すいてはいませんか?」

 あきれ顔のギルデさんの言葉で、そういえばお腹が減っていたことに気づいた。

「うん、お腹ペコペコ」

「左様でございますか。では、少々遅いですが、ご昼食をご用意いたします」

「ありがとう。ギルデさん!」

 ギルデさんは笑うと、頭を下げて扉を閉めようとした。

「あ、待って! あたしも一緒に行く!!」

 そういって、あたしはギルデさんに飛びついてみた。

 で。飛びつかれたギルデさんは、二・三歩よろめいて、あたしを抱きとめてくれた。

「お嬢様。いきなり飛びつかないでください。後ろに倒れてしまいます」

 笑い交じりにギルデさんは言う。

 あたしは声を立てて笑って、抱き着く力を強くしてみる。

「あ! ニコちゃん、おかえり!!」 

 角から姿を現した、猫耳としっぽが生えた女性。

「リディさん!」

「はい。リディで~すぅ」

 そういって、リディさんは笑って、片手でピースの形を作って、前に突き出す。

 今日はどうやらテンションがおかしいようだ……。

「こら、リディ。お嬢様の前だ」

「あらいけない。申し訳ございませんお嬢さま」

 ギルデさんにやんわりと叱られた、リディさん。

 キリッと表情を引き締めて、メイドらしく、恭しく頭を下げた。

 どうしてこのお屋敷には、こんなに切り替えが早い人ばっかりなのかな?

「いつも通りでいいじゃん。誰もいないんだもん! ね~、リディさん」

「ね~。ギルデさんの堅物~ぅ」

 それと皆、ノリがいい。

 だから、リディさんが乗ってくれたよ。

 と、言うことで。

 あたしもリディさんに続いて、ギルデさんを見て言った。

「ユウズウ利かず~!」

 笑顔のあたしたちから、ギルデさんは顔をそらす。

「……ハァ。リディだけならまだしも、お嬢様まで…………」

 そういって、うなだれるギルデさん。

「やったね、リディさん!」

 あたしは隣のリディさんを見た。

 リディさんは笑って、片手を広げて上げる。

「ニコちゃん、イエ―イ!」

「イエーイ!!」

 小さく音を立ててハイタッチ。

 ギルデさんは、また大きなため息をついた。

「解りました。解ったから、キッチンに向かおうね……」

「「はーい」」

 間延びした返事をして、あたしは二人と一緒にキッチンに向かった。

 あたしたちがキッチンに着いたとき、先客がいた。

「おや、ニコちゃん。早かったんだねぇ」

 その人はフォークを置いてあたしたちを見ると、特徴的な低い声で笑った。

「はい、ちょっとあって……。マーティさんは今お昼ですか?」

「まぁね。ニコちゃん、お腹減ってんだろ。おばちゃんが作くった特製キッシュ。食べるかい?」

「本当! あたし、マーティさんのキッシュ大好き!!」

「はは、そりゃぁよかった。前にニコちゃんが大好きって言ってくれただろ? おばちゃん調子に乗って作りすぎちゃってねぇ。あんたらも食うかい?」

 マーティさんはギルデさんと、リディさんに言って、二人が頷いたことを確認してお皿を用意しにいった。

 と言うことで、あたしはフォークを三本取りに行く。

 それから二人にフォークを渡して、椅子に座った。

 目の前では、マーティさんがキッシュをお皿に乗せてくれてる。

「はい、おまち!」

 威勢のいい声と共に、あたしの前にキッシュが乗ったお皿が置かれた。

「良い匂い! おいしそう、いただきます!!」

「はいよ。召し上がれ」

 手を合わせてマーティさんの声と同時に、フォークを持つ。

 あたしはキッシュを一口大に切って、口に入れる。

「おいしいぃ!!」

「はは、そりゃよかった。あたしゃ、これが二日目さ」

 豪快に笑うマーティさん。

 そんな彼女に、ギルデさんが言った。

「栄養偏りますよ……」

「安心しな。もうあたしも嫌になったころだ」

「その凝り性。直したらどうですぅ?」

 リディアさんが、マーティさんに向かっていた。

「いやなに。最初はな、ニコちゃんが『おいしい』って言ってくれたから、もっとおいしくするための研究をしてたんだ」

「で、調子に乗ってしまったとか言いませんよね?」

「良く解ったじゃないか。ギルデ」

 笑みを浮かべるマーティさんに、ギルデさんはため息をついた。

 この時あたしは、マーティさんのキッシュに夢中。

 もはやそれ以外見えてなかった。

使用人三人が登場です!


それと最近、書き方が変わってきたような気がする今日この頃……。


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