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神子様は骨が好き!?【これは断じて私が俺様鬼畜王に捕まるまでの話ではありません!】  作者: 福丸 猫太


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正体!?


 菜穂は、ヘレネとクリュタイメストラに案内され、奥深い外れにある裏庭へとやってきた。森の中のような場所を歩いていくと、開けた場所に出たのである。

 そこは、一面に花畑が広がっていた。赤、青、白、黄色、紫など、様々な色とりどりの花畑に、菜穂は綺麗だと見惚れていた。


「ナーオ様、あそこにマークがいますね」

「蜜蜜、集めているにゃん!」


 ヘレネとクリュタイメストラの言う事に、菜穂はハッとして二人の指差す方向をじーっと見つめたのだが……。


「ん?」


 残念な事に広大な花畑しか見えず、首を傾げて更にじーっと目を凝らす。



(えーっと、どんなに見ても花畑しか見えないよー。マークさん、どこにいるんだろう?)



 菜穂の脳裏には蜜蜜を頑張って集めている農作業中のおじいさんの姿が浮かんでいるため、目で探すのは自然とおじいさんになってしまい、マークに気づかないのだ。


「ヘレさん、クリュさん、残念な事に分からないです。マークさんは、どこにいるのですか?」


「マーク、あちこちにいますよ」

「そこでちゅ、ナーオ様、もっと近づいてみれば、見えるにゃん!」



(あちこちにいる? マークさん、三つ子や四つ子とか……?)



 菜穂が怪訝そうに首を傾げていると、ヘレネとクリュタイメストラが同じ方向を必死に指差し出した。


「ナーオ様、マークこっちに来ていますよ」

「私たちも、近づくアル!」


「えっ?」


 ヘレネとクリュタイメストラの言葉に、菜穂は二人の指差す方向をじーっと見つめながら花畑に近づいていった。すると、遠目に花畑から何やら小さな物体がもぞもぞと動いて出てくるのが見える。次々と花畑から飛び出してきた物体がようやく目に入った菜穂は、驚愕の表情で叫ぶのであった。



「えぇーっ!?」




(何、あれ? 凄く小さいんだけど……。手のりサイズの……クマみたな? しかもいっぱいいるし……。あれが、マークの正体だったのー!? おじいさんじゃないじゃないのー! ってか、人間じゃないし……)




 菜穂は、次々とよちよち二本足歩きで近づいてくる手のひらサイズのミニチュア熊みたいな動物に、驚きのあまり目が釘付けになる。よく見ると、みんな毛の色や模様が微妙に違っていて、菜穂が良く知っている熊の毛、茶、黒、こげ茶、薄茶、灰色、白色ばかりでなく、ピンク、水色、青、赤など、鮮やかに色とりどりの毛色であった。


「ヘレさん、クリュさん、この小さいたくさんいるのが、マークなのですか!?」


「はい、そうです」

「マーク、たくさんいるにゃ。たくさんいるから、蜜蜜、集める、上手アル!」



 菜穂が近づいてくるマークをぷるぷる震えながら指差して尋ねると、ヘレネとクリュタイメストラは大きく頷き肯定した。

 菜穂は、その可愛らしい姿をするマークに、瞳をキラキラさせてふにゃっと思わず頬を緩める。



(やぁーん、すっごく可愛いー。何この生き物ー! おまけに『クマー』って鳴いているー!)



 色とりどりのマークは、『クマー』『クーマ』と可愛らしい鳴き声を時々あげながら、菜穂たちへとゆっくりと近づいてきた。

 菜穂は直ぐにしゃがみ込み、寄ってくる愛らしい円らな瞳のマークに手を伸ばした。すると、一匹の真っ白なマークが菜穂の手にすりすりと頭を擦りつける。菜穂は、あまりの可愛らしさにドキュンと胸を打ち抜かれた。


「やーん、可愛過ぎるー、それに、ふわもこー」


 そっと潰さないように気をつけてマークの小さな頭を撫でながら、菜穂は、そのふわふわなぬいぐるみみたいな肌触りにうっとりと目を細める。白いマークは大人しい性格なのか、菜穂に撫でられるまま『クーマ』と鳴き声を出したり、菜穂の手に乗ったりした。すると、白いマークの他にも次々と菜穂に近づいてきて、すりすりと菜穂に甘え出す。



(やぁーん、手乗りミニグマー、じゃなかった、手乗りマーク。うぅー、もう、みんな可愛過ぎるー。まさかに、マークがこんなふわもこぬいぐるみみたいなミニ熊だったなんてー!)



 菜穂は、蜜蜜を取りに来たことをすっかり忘れて、暫く、可愛らしいマークと戯れ遊んだ。

 そんな菜穂の様子をヘレネとクリュタイメストラは、生温かい眼差しで見守る。


 たくさんのふわもこマークに囲まれもふもふを堪能し癒された菜穂は、ようやく我に返ると、ヘレネとクリュタイメストラを見て、少し恥ずかしそうに微笑んだ。


「あー、っと、すみません、ヘレさん、クリュさん。ちょっと初めて見たマークに夢中になってしまい……」


「いいのですよ、ナーオ様」

「確かに、マーク、可愛いアルし」


「それで、この可愛らしいマークが、蜜蜜を作っているってことですよね?」


「マークは蜜蜜が大好きで、花の蜜を集めて蜜蜜を作るのです。だけど、小さなマークには外敵が多く、お城の中で安全に守り花畑を用意して、その代わりに蜜蜜をマークから分けてもらうと、なっているのですね」

「ギブ、あんど、テイクあるねー。マーク、守る、だから、マーク蜜蜜、くれる」


「なるほどー」


 菜穂が納得したように頷いていると、いつの間にか近くにいたマークたちは、『クーマ、クーマ』と鳴き声をあげながら、よちよち歩きで花畑に戻っていった。その小さな丸いしっぽのある後ろ姿も愛らしくて、菜穂は頬を緩めながら眺めるのであった。




「それでは、ナーオ様、蜜蜜を貰いに行きましょう!」

「マーク、たくさん、作ってると思うにゃあー!」


 ヘレネとクリュタイメストラに案内され、菜穂は花畑の小道を通って更に上の方へと歩いていく。すると、花畑の中でお花に顔を突っ込んでいるマークの姿が見えた。どうやら花の蜜を吸っているらしい。


 菜穂の視線の先に気づいたヘレネとクリュタイメストラは、マークについての説明をしてくれる。


「あぁやって、口から花の蜜を吸いお腹にためて、マークは運ぶのですね。マークは胃袋4つもあるのです」

「花の蜜、たまったマークは真ん丸になるなるにゃん! それで、転がるアル!」


「胃袋4つ? 真ん丸? 転がる?」


 菜穂は、二人のマーク情報を聞き、キョトンと不思議そうに首を傾げつつ花の蜜を吸っているだろうマークに視線を向ける。と、ある事に気づいた。



(あれ? 少し大きくなっている?)



 蜜を吸い続けているマークをよく観察していると、お腹の辺りが少しずつ膨れていくのに気付く。そうして、ポンと音がしたと思ったら、マークの姿が真ん丸になった。

 菜穂の目が驚きで真ん丸に見開く。



(えっ、えっ? えぇーっ!?)



 菜穂が呆然として眺めていると、真ん丸になったマークが急にコロコロと転がり出す。菜穂たちの向かっている丘の上の方へと……。

 菜穂は、ポカンと大きく口を開けて、真ん丸になったもふもふマークが上の方へコロコロと転がっていく姿を見送るのであった。



(マーク、凄い! でも、あれはあれで有りかも……。真ん丸マークも可愛いな)



いつの間にかまたブックマークが! ありがとうございます。

続き頑張ります。

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